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米国中間選挙:【アップデート】民主党に何ができる?

2026/11/04 08:06

【ポイント】
・中間選挙の大勢判明は早ければ日本時間4日正午ごろ
・上院の帰趨判明に数日かかることもあり
・民主党が圧勝しても大統領拒否権を覆すのは無理
・それでも民主党にできることはある

米国中間選挙の開票が、日本時間(以下同じ)本日4日の午前8時のケンタッキーとインディアナから始まります。その後、各州で投票終了後(※)から開票作業が進められ、早ければ同正午ごろに大勢が判明するかもしれません(ただし、上院の多数党がどちらか判明するまで数日を要する場合もあります)。

※概ね東部から西部へと投票が終了。最後はアラスカで4日午後3時。注目は、接戦州のテキサスやミシガンなどが終了する4日午前10時(以降の速報)です。

投票終了

下院は民主党が多数党となる可能性が高いでしょう。上院は接戦のようです(一部メディアは民主党が僅差で多数党になると予想)。

以下では、民主党が下院、あるいは両院で多数党になった場合に何ができるか、過去レポートからアップデートしてお届けします。

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法案通過には上下両院の合意が必要
法案が議会を通過するためには、上下各院が全く同じ法案を可決する必要があります。ただ、上院の多数党が共和党でも、下院で民主党が主導して法案を可決し、上院とのすり合わせの段階である程度の譲歩を引き出すことは可能でしょう。とりわけ、財政政策に関しては、慣例として下院に先行権があります。とくに、税制法案は下院歳入委員会からスタートする決まりになっています。

もっとも、上院にはフィリバスター(少数政党による採決妨害)のルールがあり、これを阻止して採決に持ち込むためには上院のスーパーマジョリティ(60議席以上)が必要です。今回の中間選挙で民主党が13議席以上を積み増してスーパーマジョリティとなる可能性はほとんどありません。

また、仮に民主党主導の法案が議会を通過しても大統領が拒否権を発動すれば、それをオーバーライドする(覆す)のはほぼ不可能です。オーバーライドのためには上下各院で3分の2以上の票が必要だからです。それでも、民主党が法案を可決して大統領に送付するとすれば、それは有権者に人気のある法案に対して大統領に拒否権を発動させて、28年の大統領選を優位に進めようとする意図からでしょう。

(大統領の署名が必要ない)予算決議と既存の税制・歳出法の間をつなぐ予算調整法案には上院でもフィリバスターは使えません。トランプ政権下では、民主党が反対する減税を予算調整法案に盛り込んで成立させたことがあります。ただし、トランプ大統領が予算調整法案に拒否権を発動すれば、それを覆すのは困難でしょう。

民主党が推し進めようとする政策は以下のようなものでしょう。
・医療保険:メディケイドの削減の巻き戻し
・医療保険料:ACA(オバマケア)の保険料補助の復活・延長
・生活支援:住宅費や医療費など中間層への支援策導入
・通商関連:関税の見直し・巻き戻し
・移民政策:移民規制の見直し・緩和

下院単独でできること
民主党が下院を制すれば、上院で過半数の議席獲得に失敗しても、以下のことは可能です。
民主党は下院の各委員会の委員長ポストを手に入れます。召喚状の発行や公聴会などのチェック機能を活用して、トランプ政権の過去の物議を醸す決定の経緯を調査したり、行き過ぎた行動にブレーキをかけようとしたりするでしょう。

調査対象となりうるのは・・・
・トランプ一族のビジネス:行政との利益相反の可能性
・権力の乱用:政敵に対する司法省などの行動を指示
・外交・軍事政策:対ベネズエラや対イラン軍事行動の経緯、議会承認の欠如
・政府支出や行政:外部との契約や予算執行、連邦職員や連邦機関の改編

トランプ大統領の3度目の弾劾は?
下院は大統領の弾劾訴追を決議することができます。それを受けて上院で弾劾裁判が行われ、3分の2の賛成で大統領は罷免されます。トランプ大統領は過去に2度弾劾訴追され、いずれも無罪となりました(※)。民主党は、大統領が罷免される可能性がほぼゼロだとしても、弾劾訴追を行ってトランプ大統領の暴走ぶりを有権者に印象付けようとするかもしれません。

なお、一部報道では、中間選挙後のレームダック・セッションで、今年9月に立ち消えとなったヘグセス国防長官の弾劾訴追のプロセスが再開されるとのこと。

※19年12月 権力の乱用・議会の調査妨害
トランプ大統領が、ウクライナのゼレンスキー大統領に対して、バイデン氏とその息子について調査するよう圧力をかけて、見返りに軍事支援を利用したとの疑惑(上院の票決:有罪48 無罪52)

21年2月 議会襲撃の扇動
トランプ大統領が、20年大統領選挙の敗北を覆そうとする主張を続け、演説などによって支持者らの議会襲撃を扇動したとの指摘(同:有罪57 無罪43)⇒罷免に10票足らず
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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