英首相はバーナム氏に?
2026/06/23 08:05
【ポイント】
・スターマー首相の辞意表明でバーナム首相誕生へ⁉
・バーナム氏は反サッチャリズムの穏健左派
・市場は好意的に反応も、見極めはこれから
・財務相人事も含めて財政政策に要注目!
スターマー英首相が22日に辞意を表明。18日の下院(庶民院)補欠選で勝利したバーナム前マンチェスター市長が後継となる可能性が高まっています。

アンディ・バーナム氏
出所:Wikipedia
“バーナム首相”誕生のシナリオ
労働党の党首選は7月9日に受付開始。バーナム氏は出馬を表明しており、対抗馬がいなければ7月17日に党首となり、国王の任命を得て首相に就任します。下院の信任投票は必要ありませんが、不信任決議が出されない、あるいは出されても否決されることが前提です。
対抗馬がいる場合は議員による投票が行われるので、数週間程度はかかるかもしれません。ただ、強い対抗馬となりそうだったストリーティング前保健相がバーナム氏支持を表明しているので、やはり同氏が首相になりそうです。
バーナム氏の政治信条
バーナム氏は労働党内の穏健左派で、信条的にサッチャリズム(民営化・市場主義)の対極に位置します。マンチェスター市長として、バスなど交通網を再公営化し、公共料金の引き下げに尽力しました。首相になれば、公共投資の拡大や生活コストの引き下げなどが期待されるでしょう。
バーナム氏は親EU(欧州連合)です。ブレグジットの国民投票に際しては「残留」運動に奔走したようです。さすがにただちにEU再加盟を目指すわけではないでしょうが、EUとの協調路線をとりそうです。
トラス・ショックは他山の石?
英国の財政状況は悪化しています。スターマー首相とリーブス財務相は、「公務員給与や年金、その他行政費など経常的(日常的)な支出は税収で賄う」との独自ルールを採用しており、財政赤字拡大に一定のブレーキをかけていました。減税提案がトリプル安を招いた「トラス・ショック」を他山の石としているのか、バーナム氏は財政規律の遵守を公言しています。ただ、厳しい制約のなかで国民が納得する財政政策が運営できるかは判然としません。
市場の反応は?
スターマー首相の辞意表明に対して市場はポジティブに反応しました。ストリーティング氏が即座にバーナム氏を支持したことも、労働党内の内紛が回避されると好意的に受け止められたようです。FTSE100株価指数は上昇、辞意発表前に上昇していた10年物国債利回りは低下(国債価格は上昇)に転じ、軟調だった英ポンドは反発しました。
もっとも、市場の初期反応は「ご祝儀」の域を出るものではないでしょう。首相交代がスムーズに行われるのか、新首相がどんな政策を打ち出すのか、市場はこれからチェックすることになります。とりわけ、財政政策について、誰が財務相になるかを含めて債券市場は神経質に見守ることになりそうです。
・スターマー首相の辞意表明でバーナム首相誕生へ⁉
・バーナム氏は反サッチャリズムの穏健左派
・市場は好意的に反応も、見極めはこれから
・財務相人事も含めて財政政策に要注目!
スターマー英首相が22日に辞意を表明。18日の下院(庶民院)補欠選で勝利したバーナム前マンチェスター市長が後継となる可能性が高まっています。

アンディ・バーナム氏
出所:Wikipedia
“バーナム首相”誕生のシナリオ
労働党の党首選は7月9日に受付開始。バーナム氏は出馬を表明しており、対抗馬がいなければ7月17日に党首となり、国王の任命を得て首相に就任します。下院の信任投票は必要ありませんが、不信任決議が出されない、あるいは出されても否決されることが前提です。
対抗馬がいる場合は議員による投票が行われるので、数週間程度はかかるかもしれません。ただ、強い対抗馬となりそうだったストリーティング前保健相がバーナム氏支持を表明しているので、やはり同氏が首相になりそうです。
バーナム氏の政治信条
バーナム氏は労働党内の穏健左派で、信条的にサッチャリズム(民営化・市場主義)の対極に位置します。マンチェスター市長として、バスなど交通網を再公営化し、公共料金の引き下げに尽力しました。首相になれば、公共投資の拡大や生活コストの引き下げなどが期待されるでしょう。
バーナム氏は親EU(欧州連合)です。ブレグジットの国民投票に際しては「残留」運動に奔走したようです。さすがにただちにEU再加盟を目指すわけではないでしょうが、EUとの協調路線をとりそうです。
トラス・ショックは他山の石?
英国の財政状況は悪化しています。スターマー首相とリーブス財務相は、「公務員給与や年金、その他行政費など経常的(日常的)な支出は税収で賄う」との独自ルールを採用しており、財政赤字拡大に一定のブレーキをかけていました。減税提案がトリプル安を招いた「トラス・ショック」を他山の石としているのか、バーナム氏は財政規律の遵守を公言しています。ただ、厳しい制約のなかで国民が納得する財政政策が運営できるかは判然としません。
市場の反応は?
スターマー首相の辞意表明に対して市場はポジティブに反応しました。ストリーティング氏が即座にバーナム氏を支持したことも、労働党内の内紛が回避されると好意的に受け止められたようです。FTSE100株価指数は上昇、辞意発表前に上昇していた10年物国債利回りは低下(国債価格は上昇)に転じ、軟調だった英ポンドは反発しました。
もっとも、市場の初期反応は「ご祝儀」の域を出るものではないでしょう。首相交代がスムーズに行われるのか、新首相がどんな政策を打ち出すのか、市場はこれからチェックすることになります。とりわけ、財政政策について、誰が財務相になるかを含めて債券市場は神経質に見守ることになりそうです。
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