トラリピ運用資金の賢い使い方とは?

2021/03/12 15:36

トラリピ運用のコツ


今仕掛けているトラリピはレンジアウトせず、うまくいっている。せっかくだからもっと利益を増やしたい

トラリピ運用に取り組んでいるみなさんのうち、このように考えたことのある方は少なくないと思います。こんな時の対応としては「ボラティリティに合わせてトラリピ設定を調整する(例えば利益幅を変更する、レンジを変更する)」などが挙げられると思いますが、今回は「さらに追加でトラリピを仕掛ける」という観点で考えてみましょう。


■「さらにトラリピを仕掛ける」とは

今仕掛けているレンジ内で動いているのなら、(同様のレンジで動く限り)単純に同じトラリピを重ねてしまえば2倍の収益が見込めるという考え方です。
これは全く同じ設定のトラリピを仕掛けてもよいですし、すでに利益をあげているトラリピを「再設定」して注文金額・利益金額を2倍にする、でもよいでしょう。

ただし当たり前のことですが、今仕掛けているトラリピと同様のものを仕掛けるなら、単純に2倍の資金が必要になってしまいます。すでに仕掛けているトラリピの証拠金が30万円だとすると、追加で同じものを仕掛ける場合は合計60万円が証拠金になる、ということです。



■証拠金を増やさずに、利益を上げる方法

これを読んで「使う資金も増やさなきゃいけないのか。じゃあやめておこうかな……」と思ったあなた。実は、証拠金の額はほぼ変わらないのに、利益の増加を見込める方法があるのです。

それは「売り買い、両方のトラリピを仕掛ける」というもの。

マネースクエアでは、同一の通貨ペアで売りと買いの両方のトラリピを注文する場合、必要になるのは「証拠金の大きい一方の分のみ」になります。
たとえば米ドル/円で
・売りトラリピにかかる証拠金:50万円
・買いトラリピにかかる証拠金:45万円
となっている場合、実際に必要になるのは50万円だけということです。

この条件をフルに活かせる通貨ペアが「豪ドル/NZドル」です。色々なところで何度もお伝えしていますが、豪ドル/NZドルは「比較的狭い範囲のレンジ相場になりやすい」「ショック相場に強い」と言われているトラリピ向き通貨ペア。資金効率の高い売り買い両方での運用においても、やはりおすすめの通貨ペアなのです。

では、実際にバックテストで確認してみましょう。
テストに使用した設定は、2021年3月現在「トラリピ戦略リスト(中級者向け)」で提案している「Buy&Sell戦略」です。

トラリピ設定
※Buy&Sell戦略は、売りと買いの注文を同時に発注することで、注文成立時、一部の価格帯において売り買い両方のポジションを保有する局面があります。この場合、売りと買いのスワップの差や決済時における売値と買値の価格差(スプレッド)を負担する等のデメリットがあります。


上記の設定で、当社で「豪ドル/NZドル」の取り扱いを開始した2020年9月28日を起点に、2021年2月末までをテストしてみました。

バックテスト結果
※「発注証拠金」はいずれもNZドル/円=77.000円として算出
<ご注意事項>
本バックテストはあくまで過去の結果であり、実際のお取引とは異なります。また、将来の利益を保証するものではありません。お取引の参考情報としてご利用ください。売買に際してはお客様ご自身でご判断ください。

いかがでしょうか。

売りトラリピのみの運用では、発注証拠金401,104円10,842円の利益を獲得しました。仮に同じ売りトラリピを重ねる場合、発注証拠金は2倍、利益も2倍。つまり、およそ800,000円の発注証拠金で21,684円*の利益を獲得することになります。

買いトラリピのみの運用では、発注証拠金389,899円5,668円の利益を獲得。売りと同様にトラリピを重ねる場合を想定すると、およそ800,000円の発注証拠金で11,336円*の利益を獲得することになります。
*実際のお取引では端数処理などで正確に2倍にならない場合があります

一方、売りと買い両方のトラリピ運用では、発注証拠金401,104円16,510円の利益を獲得しました。証拠金額は売りのみの場合と同額の約40万円でありながら、利益は売りのみと比べて約1.5倍、買いのみと比べて約3倍になりました。売り、もしくは買いのどちらか一方のみで運用するよりも効率よく利益を獲得できているといえそうです。

ただし、売り買い両方での運用には「レンジの上下どちらにレンジアウトしても、損失リスクがあること」を忘れてはいけません。
だからこそ、先ほどお伝えしたとおり、長期的にレンジ相場が続きやすい通貨ペア(=トラリピ向き通貨ペア)が適しているということになります。
レンジ上下に損失リスク

もしも上下どちらかに抜けてしまった場合は、いったん戦略を取り消して考え直すことをおすすめします。

自分で考えて「売り」と「買い」の両方を注文する運用プランを考えるのは難しいかもしれません。そのような方のために、マネースクエアでは「売り」「買い」両方を運用するトラリピ戦略をご提案しています。
慣れてきたら、ご自身の資金状況や相場状況を考慮のうえカスタマイズしてみるとよいでしょう。資金効率を意識して、賢いトラリピ運用を目指してみてはいかがでしょうか?


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