米ドルの特徴や変動の傾向

米ドルの特徴

最も取引量が多い世界の基軸通貨

取引量が世界最大の基軸通貨である米ドルは、アメリカ国内はもちろんのこと、貿易や国際的な金融取引の決済にも多く使用されています。
米国は今後も若い人口の増加が予測されており、高い潜在成長性を有しています。また、かつて苦しんだ「双子の赤字(財政赤字と経常赤字)」に関しても、改善傾向がみられます。
経常収支については、シェール革命により国内のエネルギー生産が飛躍的に増大したことが赤字縮小に寄与しています。
ユーロ圏が自らの問題で四苦八苦するなど、米国に代わる国(や地域)は見当たらず、為替市場において米ドルが引き続き中心的役割を果たしています。 したがって、米ドルの相場材料は対円というだけでなく、あらゆる通貨に対しても重要です。

米ドルは流動性が高く、取引量が多いため、相場変動は比較的小さめです。かつて「有事のドル買い」という言葉があったように、投資家がリスクを回避し、安全資産へ資金を移すケース、いわゆるリスクオフの局面で、米ドルは日本円に次いで選好される傾向にあります。
また、米ドルは主に米国の相場材料で動き、それらはニュース報道などで比較的簡単に知ることができるため、「分かり易い通貨」と言えるかもしれません。

米ドルをみるうえで最も重要なのが、金融政策です。中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)は年8回FOMC(公開市場委員会)を開催して、金融政策を決定しています。議長の記者会見も行われます。このうち4回(2回に1回)は、FOMC参加者の経済見通しや大まかな金融政策予想が公表されます。
そして、経済指標の中で最も重要なのが毎月第一金曜日に発表される雇用統計です。他の中央銀行と異なり、FRBは物価安定だけでなく、雇用の最大化という使命も負っています。そのため雇用統計は景気動向をビビッドに反映することに加えて、金融政策に大きな影響を与えます。雇用統計のほかにも、小売売上高や物価統計、企業景況感指数、地区連銀経済報告(ベージュブック)などは押さえておきたい経済指標です。また、債券(金利)や株価の動向も、米ドルとの連動性が高く、グローバルな金融市場への影響も大きいので、要チェックです。

米ドルの為替動向

米ドル/円の月足チャート

米ドルの変動要因

主な上昇要因

国際情勢 軍事衝突など地政学リスクの高まり、世界的な金融不安の台頭(ただし、対円では売られやすい)
政治 要人のドル高誘導・容認発言“ドル高は国益にかなう”など
金融政策 金融引き締め(観測の高まり)
経済指標 雇用統計、小売売上高、ISM製造業指数などの経済指標が市場予想を上回る良い数字の場合
その他 財政収支や経常収支の改善、株高や市場金利の上昇

主な下落要因

国際情勢 地政学リスクや金融不安の後退(対円では買われやすい)
政治 要人のドル安誘導・容認発言など
金融政策 金融緩和(観測の高まり)
経済指標 経済指標が市場予想を下回る悪い数字の場合
その他 財政収支や経常収支の悪化、株安や市場金利の低下

※上昇要因・下落要因は現在の環境による一般的な目安であり、市場の注目度や見方により真逆の値動きになることがあります。

アメリカ合衆国の概要

国・地域名 アメリカ合衆国(The United States of America)
首都 ワシントンD.C.
位置 北緯38度53分、西経77度02分(ワシントンD.C.)
面積 982万6,675km²
人口 3億3,189万人(2021年 世界銀行)
主要言語 英語

アメリカ合衆国の主な祝祭日

2023年
1月1日 ニューイヤーズ・デー(New Year’s Day)
1月2日 ニューイヤーズ・デー振替(New Year’s Day observation)
1月16日 キング牧師誕生日 (Martin Luther King Jr.’s Birthday)
2月20日 ワシントン誕生日(Washington’s Birthday)
4月7日 聖金曜日(Good Friday)
5月29日 戦没将兵祈念日 (Memorial Day)
6月19日 解放の日(Juneteenth)
7月4日 独立記念日 (Independence Day)
9月4日 勤労感謝の日 (Labor Day)
10月9日 コロンブス・デー (Columbus Day)
11月11日 退役軍人の日(Veterans’ Day)
11月23日 感謝祭(Thanksgiving Day)
12月25日 クリスマス(Christmas Day)

(データ出所:Bloomberg)

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