ユーロの特徴や変動の傾向

ユーロの特徴

米ドルに次いで世界で2番目に取引量の多い通貨

ユーロは、1993年11月に発足したEU(欧州連合)のもとで実施された通貨統合に従って、1999年1月から取引が開始された単一通貨です。
現金通貨としてのユーロは2002年1月誕生と歴史が浅いのですが、取引量は米ドルに次いで世界第2位と、国際通貨としての地位を確立しています。

2019年1月現在、ユーロは「ユーロ圏」と呼ばれるEU加盟の19カ国と、非EU加盟国6カ国の合計25カ国で使用されています。
ユーロ導入は、ユーロ圏内での商取引で両替に費やす時間と手数料が節約できるほか、為替変動リスクを避けられる点が利点に挙げられます。
一方、ユーロ参加国の財政政策は各国の主権が維持されており、財政基盤の強い国・弱い国が混在する形となっています。2010年の「欧州ソブリン危機」のように、一部の財政基盤の弱い国の問題がクローズアップされると、共通通貨であるユーロが下落し、その他の国がデメリットを受けるリスクがあることや、その解決のために財政基盤の強い国が、財政基盤の弱い国を助ける(財政支援などを行う)必要が生じることが欠点として挙げられます。
こうしたユーロ圏諸国の「お家事情」の違いがユーロを管理するECB(欧州中央銀行)の意思決定にも影響を与え、機動的な金融政策の運営が難しいともいわれます。

米ドルとユーロの通貨ペアであるユーロ/ドルは世界で最も取引量の多い通貨ペアであり、「ユーロ買いなら、米ドル売り」、または「ユーロ売りなら、米ドル買い」と表裏の関係にあります。よって「ユーロ買い材料は米ドル売り材料」であり、「ユーロ売り材料は米ドル買い材料」となります。例えばギリシャ財政危機は「ユーロ売り材料」であり、その反面、「米ドル買い材料」となります。

ユーロ圏は、ロシア、アラブ諸国とも地理的・経済的に深い関係があり、それらの国々で紛争・テロなどが起きたり、経済危機懸念が高まると、ユーロが売られやすくなるという地政学リスクも持っています。

ユーロの為替動向

ユーロ/円の月足チャート

ユーロの変動要因

主な上昇要因

国際情勢 軍事衝突など地政学リスクや世界的な金融不安の後退
政治 要人の金融緩和後退発言…「量的緩和(QE)プランに複数の理事が反対」など
金融政策 金融緩和(観測)の後退
経済指標 PMI、CPIなど経済指標が市場予想を上回る良い数字の場合
その他 ユーロ圏諸国の財政収支・経常収支の好転、市場金利の上昇

主な下落要因

国際情勢 軍事衝突など地政学リスクの高まりや世界的な金融不安の台頭
政治 要人の金融緩和容認発言…「必要であれば追加的措置を講じることで全会一致」など
金融政策 金融緩和(観測)の高まり
経済指標 経済指標が市場予想を下回る悪い数字の場合
その他 ユーロ圏諸国の財政収支・経常収支の悪化、市場金利の低下

※上昇要因・下落要因は現在の環境による一般的な目安であり、市場の注目度や見方により真逆の値動きになることがあります。

EUの概要

国・地域名 欧州連合(European Union)/ユーロ圏(Euro Area)
各機関のある都市 欧州議会:フランス・ストラスブールおよびベルギー・ブリュッセル
欧州委員会:ベルギー・ブリュッセル
欧州司法裁判所:ルクセンブルク
欧州中央銀行(ECB):ドイツ・フランクフルト
位置 北緯50度07分、西経8度41分(ドイツ・フランクフルト)
面積 432万km²(EU加盟28カ国、JETRO)
人口 EU 5億1,152万人/ユーロ圏 3億4,072万人(2017年 欧州統計局)
EU加盟国28カ国 フランスドイツイタリアベルギーオランダルクセンブルク、英国、デンマーク、アイルランドギリシャスペインポルトガルオーストリア、スウェーデン、フィンランドキプロス、チェコ、エストニア、ハンガリー、ラトビアリトアニアマルタ、ポーランド、スロバキアスロベニア、ブルガリア、ルーマニア、クロアチア(2019年1月現在、太字はユーロ圏加盟国19カ国)

主なEU加盟国の経済・貿易データ

EU/ユーロ圏の経済・貿易データ

名目GDP額 EU 17兆3,254億米ドル/ユーロ圏12兆6,334億米ドル(2017年 IMF)
実質GDP成長率 EU 2.7%/ユーロ圏 2.4%(2017年 IMF)
1人当りGDP EU 41,399米ドル/ユーロ圏 ― (2017年 IMF)
財政赤字 対GDP比 EU 1.0%/ユーロ圏 0.9% (2017年 IMF)
消費者物価上昇率 EU 1.7%/ユーロ圏 1.5% (2017年 IMF)
失業率 EU -/ユーロ圏 9.1%(2017年 IMF)
経常収支(国際収支ベース) EU 1,863億9,700万ユーロ(2017年 JETRO)
貿易収支(国際収支ベース、財) EU 1,315億4,500万ユーロ(2017年 JETRO)
外貨準備高(金を除く) ユーロ圏 3,232億4,900万米ドル(2017年 JETRO)

EUの貿易データ

輸出額 5兆2,237億ユーロ(2017年 JETRO)
輸入額 5兆1,387億ユーロ(2017年 JETRO)
輸出品目(上位品目) 機械・輸送機器類、化学工業製品、雑製品、原料別半製品(2017年 JETRO)
輸入品目(上位品目) 機械・輸送機器類、鉱物性燃料等、雑製品、原料別半製品(2017年 JETRO)
輸出相手国(上位国・地域) アメリカ、中国、スイス、ロシア、トルコ、日本(2017年 JETRO)
輸入相手国(上位国・地域) 中国、アメリカ、ロシア、スイス、トルコ、日本(2017年 JETRO)

EU主要国の主な祝祭日

加盟各国により異なります。

(データ出所:JETRO、欧州委員会、IMF、Bloomberg)

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