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ドンとサナエでマーケットは大荒れ!?

2026/01/21 07:38

【ポイント】
・グリーンランドに絡む新トランプ関税や解散・総選挙が震源地
・日本では超長期金利が急騰し、「トラス・ショック」になぞらえる向きも
・トランプ大統領の演説や「平和評議会」の憲章発表などイベントが続く
 
昨年10月の日米首脳会談で高市首相はトランプ大統領との(二国間の)親密ぶりをアピールしました。その二人の言動によって世界のマーケットは大荒れになっています。
 
1つは、トランプ大統領が米国によるグリーンランド領有に強く反対する欧州8カ国に関税を課すると発表したこと。もう1つは、高市首相が解散・総選挙を決断し、与野党がともに消費税減税に言及したことです。
 
新たなトランプ関税に対して、EU(欧州連合)は報復関税など「反威圧手段(ACI)」を含む対抗措置を検討しつつあるようです。EUの主要株価指数ユーロ・ストックス50は週明けから2日連続で大幅に下落しました(ただし、20日欧州時間の後半に反発)。欧州勢が米国から資金を引き揚げるとの思惑もあって、祝日明けの20日にはNYダウS&P500ナスダック100がいずれも2%前後下落。米国債価格も下落し、長期金利(10年物国債利回り)は昨年9月2日以来となる4.30%にワンタッチしました。
 
米長期金利の上昇には日本の長期金利の上昇も寄与した模様です。消費税減税が総選挙の争点としてスポットライトを浴び、財政赤字拡大懸念が一段と強まりました。長期金利は9ベーシスポイント(bp=1/100%)上昇して、99年2月以来となる2.36%に達しました。超長期の20年物国債の入札が低調だったこともあり、同じく超長期の40年物国債利回りは29bp上昇して4.23%となり、07年11月の発行開始以来の高値を大幅に更新しました。パニック的な国債売りが出たことで、「トラス・ショック※1)」になぞらえる向きもあるようです。
 
※1:英国で22年9月にジョンソン首相の後を継いだトラス首相が財源が不透明な減税を提案したことを受けて、株・債券・通貨(英ポンド)のトリプル安が起きた事例
 
今後も様々なイベントがあるため、大きな相場変動に備える必要がありそうです。
 
当面の重要イベント:
21日(日本時間22:30):世界経済フォーラムにてトランプ大統領が演説
  米最高裁(※2)でクックFRB理事解任に関する口頭弁論
22日(日本時間18:30):「平和評議会(※3)」の憲章発表
23日: 通常国会召集⇒冒頭解散
  日銀金融政策決定会合(+展望レポート)、植田総裁会見
27日: 衆院選公示
28日: 米FOMC
 
2月1日:欧州8カ国に対する10%のトランプ関税発効
5日: ECB理事会、BOE金融政策委員会(MPC)
8日: 衆院選投開票
 
※2:1月20日の意見公表日にトランプ関税に関する判断は示されず。次回公表日は2月20日
※3:ガザ地区の暫定統治を行う国際機関との位置付け。トランプ大統領が大きな権限を有する議長に。ガザ問題を超えて国連の枠組みを壊そうとする企てとの批判もあり、フランスは不参加の方向。トランプ大統領はフランス不参加の場合はシャンパンに200%関税を課すと警告
 
 
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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