米小売売上高とベージュブック、景気は底堅く・・
2026/01/15 07:30
※1:Bloombergによれば、米最高裁は14日の意見公表日にトランプ関税に関する判断を示さない見通し。判断が示されるのは早くても審理再開の20日か21日とのこと。
※2:同じくBloombergによれば、パウエルFRB議長の半期に1度の議会証言(通常なら次は1月下旬か2月)は見送られる可能性が高いとのこと。議長が偽証の疑いで大陪審への召喚状を受け取っているため。下院金融委員長がメディアインタビューで明らかにしました。
【ポイント】
・米景気は底堅く、25年10-12月GDPは高い伸びとなりそう
・ベージュブックは過去3回に比べて景気改善を報告
・雇用は軟調、物価は関税コストの価格転嫁がしばらく続きそう
14日に発表された米国の経済指標やベージュブック(地区連銀経済報告、後述)は総じて景気の底堅さを示しました。OIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場のメインシナリオ(確率5割超)は、「FRBは26年6月と9月に0.25%利下げ」とほとんど変化していません。ただ、少なくともFRBが様子を見守る余裕はありそうです(※)。
※トランプ政権の圧力に屈しなければ、との前提。なお、市場の織り込む利下げ確率が4月FOMCまでで5割弱なのに、次の6月FOMCまででほぼ10割に跳ね上がるのは5月のFRB議長交代を勘案しているからでしょう。
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米国の25年12月小売売上高は前月比0.6%、自動車を除き0.5%と、前月(それぞれマイナス0.1%、0.2%)から伸びが高まり、市場予想(同0.5%、0.4%)を上回りました。
11月PPI(生産者物価指数)最終需要は総合が前年比3.0%、食品とエネルギーを除くコアが3.0%と、前月(それぞれ2.8%、2.9%)から伸びが高まり、伸びが鈍化するとの市場予想(いずれも2.7%)に反しました。
アトランタ連銀のGDPNow(短期予測モデル)に基づけば、14日時点で25年10-12月期GDPは前期比年率5.3%と、非常に高い伸びが予測されています(7-9月期実績4.3%、4-6月期同3.8%といずれも高い伸びでした)。
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ベージュブックによれば、経済活動は12地区のうち8地区で緩やかに、あるいはわずかに拡大。3地区で変化なし、1地区でわずかに縮小でした。過半数の地区で横ばいとされた過去3回の報告から改善しました。

出所:FRB資料より抜粋
経済活動:過去3回の報告から改善
ほとんどの地区で個人消費が緩やかに、あるいはわずかに増加しており、クリスマス商戦の影響が大きかったようです。ただ、富裕層の消費堅調と中低所得層の消費軟調との二極化が数地区で指摘されました。製造業の活動はマチマチで、5地区で拡大、6地区で縮小でした。先行きの経済活動については、やや楽観的な見方が示されました。
労働市場:雇用は低調、賃金の伸びは緩やか
雇用はほぼ横ばいで、12地区のうち8地区で採用に変化なしとの報告でした。人材派遣の利用が増えており、採用する場合も新規ポジションではなく、欠員の補充がメインでした。生産性向上や労務管理の観点からAI利用を試行しているとの複数の報告がありました。雇用に対するAIの影響は限定的でしたが、将来的には大きな影響が出ると予想されていました。賃金は緩やかに上昇しており、ほぼ平常での伸びに回帰したとのこと。
物価:関税コストの価格転嫁は続く⁉
大部分の地区で物価の伸びは緩やかで、2地区だけがわずかな伸びと報告しました。全地区で関税によるコスト圧力が引き続き意識されていました。関税発動前の在庫がなくなりつつあるため、関税のコストは徐々に顧客に転嫁されているとの報告がいくつかありました。ただ、顧客が価格に敏感なため、小売業やレストランなどの業種では価格転嫁に消極的でした。先行きに関して、価格上昇はやや鈍化するものの、コスト高の波及により物価の高い状況は続くと予想されていました。
※2:同じくBloombergによれば、パウエルFRB議長の半期に1度の議会証言(通常なら次は1月下旬か2月)は見送られる可能性が高いとのこと。議長が偽証の疑いで大陪審への召喚状を受け取っているため。下院金融委員長がメディアインタビューで明らかにしました。
【ポイント】
・米景気は底堅く、25年10-12月GDPは高い伸びとなりそう
・ベージュブックは過去3回に比べて景気改善を報告
・雇用は軟調、物価は関税コストの価格転嫁がしばらく続きそう
14日に発表された米国の経済指標やベージュブック(地区連銀経済報告、後述)は総じて景気の底堅さを示しました。OIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場のメインシナリオ(確率5割超)は、「FRBは26年6月と9月に0.25%利下げ」とほとんど変化していません。ただ、少なくともFRBが様子を見守る余裕はありそうです(※)。
※トランプ政権の圧力に屈しなければ、との前提。なお、市場の織り込む利下げ確率が4月FOMCまでで5割弱なのに、次の6月FOMCまででほぼ10割に跳ね上がるのは5月のFRB議長交代を勘案しているからでしょう。
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米国の25年12月小売売上高は前月比0.6%、自動車を除き0.5%と、前月(それぞれマイナス0.1%、0.2%)から伸びが高まり、市場予想(同0.5%、0.4%)を上回りました。
11月PPI(生産者物価指数)最終需要は総合が前年比3.0%、食品とエネルギーを除くコアが3.0%と、前月(それぞれ2.8%、2.9%)から伸びが高まり、伸びが鈍化するとの市場予想(いずれも2.7%)に反しました。
アトランタ連銀のGDPNow(短期予測モデル)に基づけば、14日時点で25年10-12月期GDPは前期比年率5.3%と、非常に高い伸びが予測されています(7-9月期実績4.3%、4-6月期同3.8%といずれも高い伸びでした)。
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ベージュブックによれば、経済活動は12地区のうち8地区で緩やかに、あるいはわずかに拡大。3地区で変化なし、1地区でわずかに縮小でした。過半数の地区で横ばいとされた過去3回の報告から改善しました。

出所:FRB資料より抜粋
経済活動:過去3回の報告から改善
ほとんどの地区で個人消費が緩やかに、あるいはわずかに増加しており、クリスマス商戦の影響が大きかったようです。ただ、富裕層の消費堅調と中低所得層の消費軟調との二極化が数地区で指摘されました。製造業の活動はマチマチで、5地区で拡大、6地区で縮小でした。先行きの経済活動については、やや楽観的な見方が示されました。
労働市場:雇用は低調、賃金の伸びは緩やか
雇用はほぼ横ばいで、12地区のうち8地区で採用に変化なしとの報告でした。人材派遣の利用が増えており、採用する場合も新規ポジションではなく、欠員の補充がメインでした。生産性向上や労務管理の観点からAI利用を試行しているとの複数の報告がありました。雇用に対するAIの影響は限定的でしたが、将来的には大きな影響が出ると予想されていました。賃金は緩やかに上昇しており、ほぼ平常での伸びに回帰したとのこと。
物価:関税コストの価格転嫁は続く⁉
大部分の地区で物価の伸びは緩やかで、2地区だけがわずかな伸びと報告しました。全地区で関税によるコスト圧力が引き続き意識されていました。関税発動前の在庫がなくなりつつあるため、関税のコストは徐々に顧客に転嫁されているとの報告がいくつかありました。ただ、顧客が価格に敏感なため、小売業やレストランなどの業種では価格転嫁に消極的でした。先行きに関して、価格上昇はやや鈍化するものの、コスト高の波及により物価の高い状況は続くと予想されていました。
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