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【株価指数】米雇用統計やCPIを受けて市場の利下げ観測に変化は?

2025/12/15 07:59

【ポイント】
・株式市場は米FOMCの利下げや議長発言を好感
・米経済指標を受けて市場の金融政策見通しはどう変わる?
・日銀、ECB(欧中銀)、BOE(英中銀)の政策会合も相場材料

(先週のレビュー)

主要株価指数はマチマチ。日経平均は横ばいで推移しましたが、週末に上昇。TOPIX(東証株価指数)は12日に高値を更新しました。NYダウは堅調、S&P500は揉み合い、ナスダック100は軟調でした。もっとも、FOMCの結果を受けて11日にはNYダウS&P500が最高値を更新しました。FTSE100は揉み合いでした。

10日の米FOMCは0.25%の利下げを決定。据え置きを主張して2人が反対票を投じるなどタカ派的との受け止めもありました。しかし、パウエル議長が記者会見で労働市場への懸念を表明したことや、声明で短期的な流動性供給の意向が示されたことなどから、株価はそれらを好感して上昇しました。

トランプ大統領がエヌビディア半導体の対中輸出を承認するなど、AI関連株のプラスの相場材料はありました。もっとも、オラクルの決算がAI投資に対する懸念を強めさせたことや年末の利益確定売りに押されて、AI関連株を中心に週末にかけて米株価は下落する場面がありました。

FTSE100は米FOMCの結果を好感した米株に引っ張られて上昇する場面もありました。ただ、米ハイテク株の下落や9月の英GDPが2カ月連続で前月比マイナスとなったことなどから週末にかけて下落しました。


(今週の相場材料)

今週は中央銀行ウィークの第2弾。先週のFOMCに続いて、BOE(英中銀)、ECB(欧中銀)、日銀などの政策会合があります。18日のBOEは利下げ、同日のECBは据え置き、19日の日銀は利上げが予想されています。声明文や総裁の記者会見などから次回以降の金融政策に関して何らかのヒントが出されるかもしれません。

シャットダウン(政府機能の一部停止)で遅れていた米経済指標の発表にも要注目でしょう。16日には10月と11月の雇用統計。ただし、データ収集ができなかったことで、10月の失業率は発表されません。18日には11月のCPI(消費者物価指数)。やはり、データがないことで10月分は発表されません。

先週のFOMCの利下げは経済指標が乏しいなかで決断されました。12日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、次回26年1月は据え置き3月はほぼ五分五分4月は利下げが織り込まれています。上述の経済指標を受けて、そうした市場の織り込みはどう変わるでしょうか。利下げ観測が高まれば、株価にとってプラスとなりそうです。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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