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「高市トレード」継続、為替介入はあるか

2025/10/09 08:10

【ポイント】
・「高市トレード」継続で円は3日連続ほぼ全面安
・豪ドル/NZドルはRBNZ利下げ後の高値から半値押し
・為替介入はあるか、米シャットダウン継続中、フランス政局に薄明かり?

(欧米市場レビュー)

8日の欧米外為市場で、が続落して3日連続でほぼ全面安の展開。「高市トレード」が継続し、円キャリー・トレード復活の思惑も円安材料となりました。米ドル/円は欧州時間が始まって一時152.958円をつけました。

8日にRBNZ(NZ中央銀行)が0.50%の利下げを決定したことで、豪ドル/NZドルは直後に1.14384NZドルまで上昇しましたが、その後は軟化して半値押しの水準で推移しました。

■10/8付け「【速報】RBNZは0.50%利下げ、NZドルが急落

ユーロ/米ドルは、6日にルコルニュ仏首相が組閣直後に辞任を表明してから軟調な展開となっていました。ただ、野党と協議していたルコルニュ首相が局面打開の可能性に言及したことで、ユーロ/米ドルは下げ止まりの兆候をみせました。

(本日の相場材料)

引き続き政治情勢が相場材料になるかもしれません。

政府・日銀の為替介入はあるか
日本では「高市トレード」による円安進行を受けて、一部で為替介入の思惑も浮上しているようです。加藤財務相は7日の閣議後の会見で「(過度な変動や無秩序な動きを)しっかり見極めていく」と述べました。政権の過渡期でもあり、為替介入が迫っているというほどではないかもしれませんが、注意は必要でしょう(市場で観測が高まる前の方が効果的かもしれません)。

Bloombergのデータに基づけば、米ドル/円=150円台前半までに円買い介入が実施されたのは、22年秋まで遡ります。当時は最初の介入が9月22日146円前後、その後10月21日152円前後、同24日150円前後でそれぞれ実施されました。24年4-5月は158~160円で、7月は159円~162円で実施されました。

米ドル円と為替介入

米国ではシャットダウン継続中
10月1日に始まったシャットダウン(政府機能の一部停止)は8日が経過。上院は6度目の採決でも継続(つなぎ)予算を否決。事態打開のメドは立っていません。25万人の連邦職員が給与を受け取っておらず。3週目に突入するようだと200万人の給与に影響が出るとの報道もあります。従来はシャットダウン中の給与は予算成立後に支払われてきましたが、トランプ政権は一部の支払いを行わない可能性を示しており、その場合は経済に悪影響が出るかもしれません。

フランス政局にかすかな明かり!?
ルコルニュ首相(辞表提出済み)は、マクロン大統領の指示に従って野党と協議した結果、大統領は48時間以内に新首相を指名できる見通しだと述べました。野党は26年度が始まる26年1月1日までに予算を成立させる意思があるとのことでした。

ただ、市場の信頼を得るための財政赤字削減と、野党が求める歳出削減幅の縮小年金法の修正とで、どう折り合いをつけるか課題は残されたままです。

メキシコCPIは伸びが加速?
経済指標では、メキシコの9月CPI。市場予想は前年比3.78%と、8月(3.57%)よりやや伸びが高まる見通し。BOM(メキシコ中銀)は9月26日の会合で、0.25%の利下げを決定して政策金利を7.50%としました。次回会合は11月6日。

■メキシコペソ/円のテクニカル分析については、本日の「メキシコペソ/円、9月CPI結果が相場同意となるか」をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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