RBNZ会合開催、利下げ幅について見方が分かれる
2025/10/08 09:05
【ポイント】
・RBNZ(NZ中銀)はどの程度利下げするか
・本邦当局による円安けん制のトーンは強まるか
(欧米市場レビュー)
7日、欧米時間の外為市場では円が軟調に推移しました。一時米ドル/円は151.998円、ユーロ/円は177.098円、英ポンド/円は203.999円、豪ドル/円は99.998円へと上昇。ユーロ/円は99年1月のユーロ導入後の最高値を更新し、米ドル/円は25年2月以来、英ポンド/円は24年7月以来、豪ドル/円は24年11月以来の高値をつけました。
市場では、自民党の高市総裁は積極的な財政出動や緩和的な金融政策を志向しているとされています。日本の財政状況悪化への懸念や日銀による追加利上げが後ズレするとの観測が引き続き円安圧力となりました。
(本日の相場見通し)
6日と7日の円安の流れが本日も継続して、米ドル/円やユーロ/円などの対円の通貨ペアはさらに上値を試す展開になる可能性があります。
円安が加速するなかで本邦当局の反応にも注目です。
加藤財務相は7日の閣議後の会見で「為替はファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要だ」と述べ、「為替市場における過度な変動や無秩序な動きについてしっかり見極めていく」と語りました。
仮に加藤財務相などがこれまでよりも円安けん制のトーンを強めれば、対円の通貨ペアはいったん下落するかもしれません。
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本日は、RBNZ(NZ中銀)の政策会合が開かれます。会合の結果は日本時間午前10時に判明し、それにNZドルが反応しそうです。総裁会見は予定されていません(通常は2月・5月・8月・11月の会合で実施)。
RBNZは24年8月から25年5月まで6会合連続合計2.25%の利下げを実施。その後7月の会合では政策金利を据え置いたものの、前回8月20日の会合で0.25%の利下げを行いました。現在の政策金利は3.00%です。
9月18日に発表されたNZの4-6月期GDP(国内総生産)は前期比マイナス0.9%と、RBNZの8月時点の見通しであるマイナス0.3%を大きく下振れました。
GDPの弱い結果を受け市場は本日の会合での利下げを確実視しています。会合における最大の焦点は、どの程度の利下げが行われるかになりそう。利下げ幅については0.25%と0.50%で市場の見方は分かれており、そのためRBNZがどのような決定をしてもNZドルが反応すると考えられます。仮に利下げ幅が0.25%だった場合にはNZドルが堅調に推移して、NZドル/円は上昇し、豪ドル/NZドルは下落すると考えられます。
RBNZの声明や会合の議事要旨にも目を向ける必要がありそう。それらでは11月会合以降の金融政策についてどのようなヒントが示されるのかに注目です。
※NZドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[NZドル/円、RBNZ会合結果が相場動意となりそう]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
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スウェーデンの9月CPI(消費者物価指数)速報値が本日発表されます(日本時間15:00)。
CPIの市場予想は、総合が前年比1.0%、住宅ローン金利変動の影響を除外したCPIFが同3.2%です。上昇率はCPIが8月の1.1%から鈍化する一方で、CPIFは前月と同じになるとみられています。リクスバンク(スウェーデン中銀)は、CPIF上昇率2%をインフレ目標としています。
リクスバンクは前回9月23日の政策会合で0.25%の利下げを行うことを決定。政策金利を2.00%から1.75%へと引き下げました。リクスバンクはその時の声明で「物価と経済活動の見通しに変化がなければ、政策金利は当面この水準で推移すると予想される」と表明。24年5月に開始された利下げサイクルが終わる可能性が示されました。
本日発表される9月CPIが市場予想を上回る結果になれば、利下げサイクル終了の可能性が高まるとともに、スウェーデンクローナにとってのプラス材料になりそう。ノルウェークローネ/スウェーデンクローナは軟調に推移すると考えられます。
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FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録が本日公表されます(日本時間9日03:00)。今回の議事録は、0.25%利下げすることを決定した9月16-17日のFOMCのものです。
市場では、FRBは年内にあと2回(10/29-30と12/9-10)のFOMC(米連邦公開市場委員会)の両方でそれぞれ0.25%の利下げを行うとの見方が有力です。
議事録がFRBは追加利下げに慎重と受け取れる内容になれば、米ドルにとってのプラス材料となり、米ドル/カナダドルや米ドル/シンガポールドルは上値を試し、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは下値を試す展開になりそうです。
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