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植田日銀総裁の発言や米ISM非製造業景況指数に注目!

2025/10/03 09:15

【ポイント】
・植田総裁の発言で市場の日銀金融政策見通しがどう変化するか
・自民党総裁選の結果次第では6日に“窓開け”する可能性も 

(欧米市場レビュー)

2日、欧米時間の外為市場ではカナダドルやメキシコペソ、ノルウェークローネが軟調に推移。一時米ドル/カナダドルは1.39816カナダドルへと上昇し、カナダドル/円は105.183円、メキシコペソ/円は7.960円、ノルウェークローネ/スウェーデンクローナは0.94111スウェーデンクローナへと下落しました。原油価格が下落したことが、カナダドルやメキシコペソ、ノルウェークローネに対する下押し圧力となりました。

米WTI原油先物の中心限月である11月物は前日比1.30ドル安(-2.1%)の60.48ドルで取引を終了。OPECプラスが原油の生産を増やすとの観測が下押し圧力となり、WTI原油先物は一時60.40ドルへと下落し、中心限月としては5月30日以来およそ4カ月ぶりの安値をつけました。

OPECプラスの有志8カ国は5日にオンライン会合を開き、11月の生産方針を決定します。市場では、会合で少なくとも日量13.7万バレルの追加増産が決定されるとの観測があります。

(本日の相場見通し)

本日は、米国の9月ISM非製造業景況指数が発表されます(日本時間23:00)。その結果に市場が反応する可能性があります。

ISM非製造業景況指数の市場予想は51.7と、業況判断の分かれ目である50は引き続き上回るものの、前月の52.0から低下するとみられています。

市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)は次回10月28-29日と次々回12月9-10日のFOMC(米連邦公開市場委員会)でそれぞれ0.25%の利下げを行うとの見方が有力です。

ISM非製造業景況指数が市場予想を下回る結果になれば、その観測が一段と高まるとともに米ドルにとってのマイナス材料になりそう。米ドル/円や米ドル/カナダドル、米ドル/シンガポールドルは軟調に推移し、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは堅調に推移すると考えられます。

なお、本日発表される予定だった米国の9月雇用統計は、米政府機関の一部閉鎖(シャットダウン)の影響によって発表が延期される可能性が高いようです。

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本日、日銀の植田総裁が大阪経済4団体共催懇談会に出席します。植田総裁は日本時間午前10時05分から懇談会であいさつし、午後2時から会見する予定です。

市場では、日銀は早ければ次回10月29-30日の会合で追加利上げを行うとの観測があります。

植田総裁は9月19日の会合後の会見で、「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」と改めて表明。見通しが実現していくかについては「内外の経済・物価情勢や金融市場の動向等を丁寧に確認し、予断を持たずに判断していく」と述べました。

本日の植田総裁のあいさつや会見における注目点は、追加利上げのタイミングについてのヒントが提供されるか。植田総裁の発言によって10月会合での追加利上げ観測が市場で高まる場合、米ドル/円やユーロ/円などの対円の通貨ペアが軟調に推移しそうです。

※米ドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[米ドル/円、植田総裁発言&自民党総裁選結果が相場動意となるか]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。

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自民党の新総裁が4日に決まります。その結果次第では、6日(月)は対円の通貨ペアを中心に窓開けする(前週末の終値と週明けの始値が大きくかい離する)可能性があります。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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