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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※9月30日更新

2025/09/30 09:33

宮田レポート(短期アップデート) 250930_miyata.pdf

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YouTube エリオットView 9月29日[円安・株高 終わりの始まり?]


[日経平均]
【当面の想定レンジ】 40,000~47,600円

[NYダウ・S&P500] 
【当面の想定レンジ】 (NYダウ) 40,000~46,700ドル
           (S&P500) 5000~6700
[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 (ナスダック100) 20,800~24,800
                                   (ナスダック総合) 18,800~22,800
[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 130.000~154.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 95.000~102.000



[日経平均]

【週足 エリオット波動分析】
今年4月7日安値(30,792.74円)からインターミディエイト級第(5)波の上昇にあり、この第(5)波完成を以て、コロナショック底(16,358.19円、20年3月)からのプライマリー第➂波は完成します。

「9~10月に日経平均が4万5000円~4万9000円」という筆者の従来予想は(控えめにみても)達成されています。波動構成上からも、強気相場は最終局面にあります。

注目の自民党総裁選(10月4日)が迫っています。4月7日週から今週は25週目、そして来週はちょうど半年の絶対期日迎えとなります。実際、過去を振り返ると週次トレンドは半年(26週)程度で一巡することが珍しくなく、この観点からいうと、第➂波の終了は秒読み段階、といえるかもしれません

水準的には21年2月高値から引かれた、上昇チャネルラインは第➂波高値の参考になりそうです。
10月を通じ、チャネル上限の水準は以下に示す通りです。

算術尺度…[46,711円]
対数尺度…[47,660円](掲載チャート)



【日足・時間足 エリオット波動分析】
[TOPIX]
既にフィボナッチ比率からの目標価格➀[3164]を達成し─9月25日高値は3192です─次の主たる目標価格➁[3323]を目指す可能性があります。東証プライム時価総額は1082兆円(9/25)となり、初の1100兆円到達が視野に入ります。

[日経平均]
9月22日は前日比311円安ながら、配当落ち分(約300円)を考慮すると小幅安でした。
39,850円(8/4安値)以来、マイナー級・第5波の上昇が展開中です。フィボナッチ比率などから得られる(マイナー級)第5波の目標価格は[48,568円][48,896円][48,964円][49,074円]などです。

41,835円(9/1安値)からの調整は、第5波中マルiv波に位置付けられます。マルiv波はトライアングルやフラットなど保ち合い型パターンを形作るでしょう。
なお基本的には、マルiv波中安値がマルi波高値(43,876円)を下回ることはありません。

[予想PER別の日経平均水準]
9月29日の日経平均予想PERは17.93倍・予想EPSは2512円。
PER18倍台の連続日数は10日間(9/11~9/26)で途切れましたが、PERの低下は予想EPSが2カ月ぶり水準に上昇したことによるものです。日本株相場が本格的なインフレ相場を迎えるなか、投資家の期待感がさらに上向いてくるかを引き続き注目したいと思います。


[NYダウ・S&P500] 

【NYダウ日足 エリオット波動分析】 
(プリファード・カウント)
22年10月安値(28,660ドル)からの上昇は、プライマリー級の第➄波です。今年4月安値からの上昇はインターミディエイト級第(5)波に当たり、それを以て第➄波は終了します。
第➄波完了後に訪れる弱気相場は、控えめにみても高値から20%安となるでしょう。

(オルタナティブ・カウント)
4月からの上昇は「ランニング・トライアングル」におけるⓑ波とカウントされます。このシナリオでは、近々訪れるであろう下げ局面でも4月安値(36,611ドル)は維持されるでしょう。その後1~2年程度のもみ合いが続いた後に、新たな高値へ向かう展開があるでしょう。

9月23日、一時46,714ドルと新たな最高値へ上伸し前日比上げ幅は330ドルを超えましたが、そこからは一転、終値は46,292ドルとマイナスに沈みました。このような「スパイク・ハイ」は、NYダウがピークアウトした可能性を示すものです。

44,948ドル(9/2安値)を割ると弱気トリガー。調整局面入りが示唆されます。

【S&P500日足 エリオット波動分析】 
6212(8/1安値)からは第(v)波の上昇が展開中であり、足元は(v)-iv波の調整が終わったにあります。S&P500は(v)-v波によって、もう一度、最高値を更新し、それを以て強気相場は終わるでしょう。

6481(8/15高値)を割ると弱気トリガー、大きな調整入りが示唆されます。

【S&P500 長期エリオット波動分析】 
(プリファード・カウント)
4月安値(4835) からの上昇は、インターミディエイト級第5波に位置付けられ、それが終わると長期にわたる調整スタートとなります。それは4月安値を大きく下回ることが予想されます。

(オルタナティブ・カウント)
4月からの上昇は、トライアングル中ⓑ波のリバウンドに位置付けられます。
近々ⓒ波の下げがスタートし、それはⓐ波(2月~4月)下げ幅に対し62%~66%の大きさ(813~866ポイント)になるでしょう。このⓒ波によりS&P500は、5400を下回る展開になりそうです。


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[マグニフィセント7] 4月からの5波構成による上昇は完成したか


[ナスダック]

【ナスダック100 週足 エリオット波動分析】
(プリファード・カウント)
4月安値(16,542)からの上昇は、インターミディエイト級第(5)波の上昇に相当します。第(5)波はいつ終わってもおかしくありません。もう間もなく調整局面が始まるとみられ、それは数年間ターム続く、長く大きなものになるでしょう。

(オルタナティブ・カウント)
4月からの上昇は「(ランニング)トライアングル」中ⓑ波に当たります。これはS&P500のオルタナティブ・カウントと同様であり、遠からずⓒ波の下落に入る見通しです。これによると今後の調整規模は、想定されるシナリオではもっとも小さいと想定されます。それでもⓒ波の下げ幅はⓐ波のそれに対し62%~66%となり、ⓑ波の高値からは3500~3750ポイントの下げになるでしょう。

【ナスダック100 時間足 エリオット波動分析】
4月安値16,542からの上昇は、インターミディエイト級第(5)波か、第(4)波「トライアングル」中ⓑ波とみられます。

22,977(9/2安値)からの上昇はマイナー急第5波に位置付けられます。
今後見極めるべきは、第5波すべてが24,871(9/23高値)を以て完成したのか否か、という点です。

第5波が継続しているのなら、目先的な下値は24,000~23,500付近でしょう(さらに下げる場合でも、22,977は維持されるはずです)。ここまでの安値は24,186(9/25)であり、ここからすると、第5波は続いているとみることができます。

一方、22,977を一時的にも下回ると、それは第5波が既に完成したことの最初のシグナルとなるでしょう。


[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】 
16年半サイクルによれば、米ドル/円(ドル/円)は2028年4月頃まで「円高の時間帯」が続きます。この時間帯においてドル/円の上値は抑えられるでしょう。筆者は28年4月頃までのどこかの時点で、1ドル=125円~120円へのドル安・円高になる可能性をみています。

年内のドル/円は、じり高の展開を予想しています。

しかし、おそらく26年前半にもドル/円は、139円処のネックラインを明確に割り込むでしょう。
それをきっかけに、「サード・オブ・サード」の強いドル安・円高トレンドが鮮明になるでしょう。

【週足 エリオット波動分析】 
今年1月から、第3波によるドル安・円高が進行中。
これによれば、来年にも1ドル=120円試しが視野に入ります。
第1波と第3波が黄金分割(1:1.618)比率関係になると仮定すれば、 [122.625円]という目標値が得られます。ヘッド・アンド・ショルダーズに基づく垂直目標値は1ドル=120円割れです。

第3波を構成する副次波のうち、139.877円(4/22)からはマルii波に相当します。それは年内1ドル=151円~154円を試すとみられます。このような、多くの参加者にとって意外な円安は、2026年の「サード・オブ・サード」急落(ドル安・円高)という大きな変動を前にした、「嵐の前の静けさ」と思われます。

【日足 エリオット波動分析】 
4月からのマルii波によるドル高・円安は、「トリプル・ジグザグ(w)-(x)-(y)-(x)-(z)」で展開中です。
9月17日以来のドル/円上昇は(z)波に当たり、この(z)波はa-b-c編成です。

直近高値の149.944円(9/26)はa波高値か、あるいは、a波中第3波高値と思われます。前者なら足元の反落はb波に、後者ならa波中第4波に相当します。

マルii波の上値目標は[151.586円](1月からの円高の61.8%戻り水準)や[154.353円](同76.4%戻り)などです。

金利差からのドル/円推計値
足元、日米実質金利差からのドル/円推計値は[140.397円]です。

投機筋の円買い持ち高が拡大(2025年9月23日時点)
IMM通貨先物市場では、投機筋(非商業部門)の円買い持ち高が前週の51.9億ドルから66.47億ドルへ拡大しました。



[ドルインデックス(ドル指数)]


【エリオット波動分析】 
見通しに変化はありません。
週足チャートに□で示した箇所、A波の最終局面(マルiv波-マルv波)と、C波の最終局面は、互いに似ているようにみえます。このフラクタル性に着目すると、A波完了後の持続的なドル高(当時は23年7月中旬~10月上旬まで12週間のドル高でした)が、今回も繰り返されるでしょう。

96.218(9/17)を以て、22年高値からのジグザグ(A-B-C)は終わった可能性があります。
そうであれば、当面はC波のドル安に対する38.2%戻り水準[101.550]を目指すでしょう。
なおA波終了後にみられた持続的ドル高(ⓐ波)は、A波のちょうど半分を戻しました。今回も同様なら、数カ月後にはC波の半値戻り水準[103.197]を目指すことでしょう。

一方、長期的にはドル安(Ⓑ波)基調は継続し、2026年には一段とドル安が強まるでしょう。
筆者は、ドル安Ⓑ波は短くとも2028年頃まで続くとみています。


エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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