【株価指数】株式市場は「良いとこ取り」??
2025/09/15 09:08
【ポイント】
・主要株価指数は先週、最高値を更新(FTSE100は除く)
・米利下げ観測が強まる一方で、市場は景気が底堅いと判断!?
・米FOMCやその他の中銀会合でどのようなメッセージが発せられるか
(先週のレビュー)
主要株価指数は総じて堅調。日経平均とナスダック100は12日に、NYダウとS&P500は11日にそれぞれ終値ベースで高値を更新しました。FTSE100も比較的堅調(高値は8月22日)。米FOMCの利下げ観測が高まる一方で、急激な景気の減速は避けられるとの楽観的な見方が背景にあるのでしょう。
7日の石破首相の辞任表明を受けて、新政権の政策への期待や円安などから日経平均は8日窓開けして週をスタート。その後は米国株、とりわけハイテク株の上昇に連れる形で上昇しました。
米国では、CPIやPPIなどの物価指標の落ち着き、新規失業保険申請件数の増加が示唆する景気減速などから利下げ観測が一段と高まり、株価にプラスに作用しました。新製品発表後に材料出尽くしで軟調だったアップルを除く大手ハイテク株が株高をけん引しました。
フランスで内閣信任投票が行われてバイル政権が崩壊しましたが、市場は既に織り込み済みで欧州の株価はむしろ上昇。FTSE100も総じて堅調でしたが、8月につけた高値には届きませんでした。
(今週の相場材料)
主要株価指数は先週、相次いで高値を更新しており、相場の地合いは良好です。ただし、米FRBの利下げ観測が強まる一方で、企業業績に対しては比較的強気の見方が維持されているようで、「良いとこ取り」の感は拭えません。
FRBの大幅な利下げが期待できるほど米景気が顕著に減速するのであれば、業績見通しは悪化しないか。逆に、強気の業績見通しが維持されるほど景気が底堅いのであれば、FRBは利下げに慎重にならないか。
そうした疑問に対して、17日の米FOMCの結果が何らかのヒントをくれるかもしれません。0.25%の利下げは確実視されています。0.50%利下げのサプライズはないか。そうでなくても、0.50%利下げを主張して0.25%利下げに反対票を投じるメンバーはいるかもしれません。
逆に、市場の積極的な利下げの観測に対して、パウエル議長の記者会見や3カ月ぶりに公表される「ドット・プロット(FOMC参加者の政策金利見通し)」がけん制する内容になるかもしれません。
BOE(英中銀)のMPC(金融政策委員会)では政策金利が据え置かれそうです。ただ、ジリ高傾向にあるCPIは9月にもピークアウトするとみており、BOEがインフレ抑制に自信を示すようであれば、先行きの利下げ観測が強まって株価にプラスに作用するかもしれません。
日銀の金融政策決定会合も市場は据え置き予想です。10月に自民党総裁選を控えて、性急な政策変更は避けられそうです。ただし、日銀内部では利上げに向けた機運が高まっている可能性もあります。植田総裁の会見などで年内の利上げに向けた地ならしが行われるようであれば、長期金利は上昇圧力を受けるかもしれません。ただ、金融政策の正常化へ向けた前進として銀行株を中心に株価が好感する可能性もありそうです。
今週は、他にもBOC(カナダ中銀)、ノルゲバンク(ノルウェー中銀)、SARB(南アフリカ中銀)なども、政策会合を予定しています。日米英の株価には直接影響しないでしょうが、全般的な市場のリスク意識に何らかの影響を及ぼす可能性はあります。
・主要株価指数は先週、最高値を更新(FTSE100は除く)
・米利下げ観測が強まる一方で、市場は景気が底堅いと判断!?
・米FOMCやその他の中銀会合でどのようなメッセージが発せられるか
(先週のレビュー)
主要株価指数は総じて堅調。日経平均とナスダック100は12日に、NYダウとS&P500は11日にそれぞれ終値ベースで高値を更新しました。FTSE100も比較的堅調(高値は8月22日)。米FOMCの利下げ観測が高まる一方で、急激な景気の減速は避けられるとの楽観的な見方が背景にあるのでしょう。
7日の石破首相の辞任表明を受けて、新政権の政策への期待や円安などから日経平均は8日窓開けして週をスタート。その後は米国株、とりわけハイテク株の上昇に連れる形で上昇しました。
米国では、CPIやPPIなどの物価指標の落ち着き、新規失業保険申請件数の増加が示唆する景気減速などから利下げ観測が一段と高まり、株価にプラスに作用しました。新製品発表後に材料出尽くしで軟調だったアップルを除く大手ハイテク株が株高をけん引しました。
フランスで内閣信任投票が行われてバイル政権が崩壊しましたが、市場は既に織り込み済みで欧州の株価はむしろ上昇。FTSE100も総じて堅調でしたが、8月につけた高値には届きませんでした。
(今週の相場材料)
主要株価指数は先週、相次いで高値を更新しており、相場の地合いは良好です。ただし、米FRBの利下げ観測が強まる一方で、企業業績に対しては比較的強気の見方が維持されているようで、「良いとこ取り」の感は拭えません。
FRBの大幅な利下げが期待できるほど米景気が顕著に減速するのであれば、業績見通しは悪化しないか。逆に、強気の業績見通しが維持されるほど景気が底堅いのであれば、FRBは利下げに慎重にならないか。
そうした疑問に対して、17日の米FOMCの結果が何らかのヒントをくれるかもしれません。0.25%の利下げは確実視されています。0.50%利下げのサプライズはないか。そうでなくても、0.50%利下げを主張して0.25%利下げに反対票を投じるメンバーはいるかもしれません。
逆に、市場の積極的な利下げの観測に対して、パウエル議長の記者会見や3カ月ぶりに公表される「ドット・プロット(FOMC参加者の政策金利見通し)」がけん制する内容になるかもしれません。
BOE(英中銀)のMPC(金融政策委員会)では政策金利が据え置かれそうです。ただ、ジリ高傾向にあるCPIは9月にもピークアウトするとみており、BOEがインフレ抑制に自信を示すようであれば、先行きの利下げ観測が強まって株価にプラスに作用するかもしれません。
日銀の金融政策決定会合も市場は据え置き予想です。10月に自民党総裁選を控えて、性急な政策変更は避けられそうです。ただし、日銀内部では利上げに向けた機運が高まっている可能性もあります。植田総裁の会見などで年内の利上げに向けた地ならしが行われるようであれば、長期金利は上昇圧力を受けるかもしれません。ただ、金融政策の正常化へ向けた前進として銀行株を中心に株価が好感する可能性もありそうです。
今週は、他にもBOC(カナダ中銀)、ノルゲバンク(ノルウェー中銀)、SARB(南アフリカ中銀)なども、政策会合を予定しています。日米英の株価には直接影響しないでしょうが、全般的な市場のリスク意識に何らかの影響を及ぼす可能性はあります。
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