ECBは打ち止め⁉ 米CPIは市場予想通りだが・・
2025/09/12 07:52
【ポイント】
・ECB理事会は据え置きを決定、打ち止めの可能性大
・米CPIは市場予想通りだが、伸び率が高まる傾向あり
・FOMCでは利下げが確実視されるものの、先行きは慎重か
ECBは打ち止め⁉
ECB理事会は11日、政策金利(中銀預金金利)を2.00%で据え置く決定をしました。据え置きは2会合連続。
ラガルド総裁は会見で、「(関税等により)物価見通しは通常よりも不確実性が高い」としつつも、「基調的なインフレ指標はECBの中期目標である2%と一致する状態が続いている」と指摘。さらに、「経済成長に対するリスクは、より均衡した」と述べました。
Bloombergによれば、理事会後に匿名の関係者は、理事会メンバーは追加利下げが不要だと考えていることを明らかにしました。新たな四半期経済見通しは今後2年間にインフレ率が目標を下回る可能性を示したものの、政策金利を現行水準で維持しても目標を達成できると判断しているとのことでした。
11日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場が織り込む0.25%利下げの確率は26年6月までをみて5割をわずかに上回っているだけです(26年4月までは5割未満)。

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米CPIは市場予想通りだが・・
米国の8月CPI(消費者物価指数)は、総合が前年比2.9%、食料とエネルギーを除くコアが同3.1%。いずれも市場予想の通りでしたが、総合は前月(2.7%)から伸びが高まり、コアは前月と同じでした。

8月CPIが予想通りだったことで、市場では利下げに向けた最後のハードルをクリアしたとみなされたようです。長期金利(10年物国債利回り)は一時4.0%を割り込み、米ドルが下落。NYダウは600ドル超上昇して最高値を更新しました。
11日のOISに基づけば、26年7月までに(8回のFOMCで)0.25%×5回の利下げが完全に織り込まれています。関税の影響が(まだ?)明確に出ていないという点で、市場に安心感が広がったのかもしれません。
もっとも、CPIは総合、コアとも今年春ごろをボトムに伸びが高まっています。FRBは、市場が予想するほど積極的に利下げを行うのか。今後の経済データがそれを裏付けるのかもしれませんが、現時点ではやや織り込みすぎであるようにみえます。17日のFOMCの結果(+ドット・プロット)やパウエル議長の記者会見は市場の利下げ観測をけん制する内容となるかもしれません。
※本日12日午後6時ごろ配信予定のM2TV(YouTube)グローバルViewは「中央銀行ウィーク 米FOMCプレビュー(仮)」です。ぜひご覧ください。
・ECB理事会は据え置きを決定、打ち止めの可能性大
・米CPIは市場予想通りだが、伸び率が高まる傾向あり
・FOMCでは利下げが確実視されるものの、先行きは慎重か
ECBは打ち止め⁉
ECB理事会は11日、政策金利(中銀預金金利)を2.00%で据え置く決定をしました。据え置きは2会合連続。
ラガルド総裁は会見で、「(関税等により)物価見通しは通常よりも不確実性が高い」としつつも、「基調的なインフレ指標はECBの中期目標である2%と一致する状態が続いている」と指摘。さらに、「経済成長に対するリスクは、より均衡した」と述べました。
Bloombergによれば、理事会後に匿名の関係者は、理事会メンバーは追加利下げが不要だと考えていることを明らかにしました。新たな四半期経済見通しは今後2年間にインフレ率が目標を下回る可能性を示したものの、政策金利を現行水準で維持しても目標を達成できると判断しているとのことでした。
11日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場が織り込む0.25%利下げの確率は26年6月までをみて5割をわずかに上回っているだけです(26年4月までは5割未満)。

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米CPIは市場予想通りだが・・
米国の8月CPI(消費者物価指数)は、総合が前年比2.9%、食料とエネルギーを除くコアが同3.1%。いずれも市場予想の通りでしたが、総合は前月(2.7%)から伸びが高まり、コアは前月と同じでした。

8月CPIが予想通りだったことで、市場では利下げに向けた最後のハードルをクリアしたとみなされたようです。長期金利(10年物国債利回り)は一時4.0%を割り込み、米ドルが下落。NYダウは600ドル超上昇して最高値を更新しました。
11日のOISに基づけば、26年7月までに(8回のFOMCで)0.25%×5回の利下げが完全に織り込まれています。関税の影響が(まだ?)明確に出ていないという点で、市場に安心感が広がったのかもしれません。
もっとも、CPIは総合、コアとも今年春ごろをボトムに伸びが高まっています。FRBは、市場が予想するほど積極的に利下げを行うのか。今後の経済データがそれを裏付けるのかもしれませんが、現時点ではやや織り込みすぎであるようにみえます。17日のFOMCの結果(+ドット・プロット)やパウエル議長の記者会見は市場の利下げ観測をけん制する内容となるかもしれません。
※本日12日午後6時ごろ配信予定のM2TV(YouTube)グローバルViewは「中央銀行ウィーク 米FOMCプレビュー(仮)」です。ぜひご覧ください。
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