米長期金利は4.0%を割れるか、PPI、国債入札・・・CPIは?
2025/09/11 08:19
【ポイント】
・米長期金利は24年10月以来となる3%台定着はあるか
・8月PPIは前月比マイナスで利下げ観測をサポート、本日の8月CPIは?
・16-17日FOMCでは10月以降の積極利下げが示唆されるか
米長期金利(10年物国債利回り)は10日、一時4.02%まで低下しました。直接のきっかけは8月PPI(生産者物価指数)が総合、コアとも先月比マイナスとなったこと。さらに、その後に実施された10年物国債入札も好調でした。

長期金利が4.0%を割り込むとすれば、今年4月の「相互関税ショック」の一時を除くと24年10月以来のこと。当時は、7月末の日銀利上げ(植田ショック)や8月雇用統計の軟調などから景気後退懸念が高まっていました。

長期金利は7月以降に低下基調にあります。筆者は、財政赤字拡大懸念やFRBの独立性に対する疑念から長期金利に上昇圧力が加わる(=「債券自警団」の出動)と考えていました。しかし、それ以上に雇用や景気の急激な悪化懸念、大幅な利下げ観測が大きいようです。本日11日の8月CPI(消費者物価指数)もそうした見方を裏付けるでしょうか。利下げ観測が一段と強まるようであれば、長期金利は4.0%を割り込むかもしれません。
もっとも、8月失業率は4.3%と、引き続き労働市場は需給がタイトとも言えます。また、アトランタ連銀のGDPNow(短期予測モデル)は10日時点で7-9月期GDPを前期比年率3.1%と予測しており(前期は同3.3%)、景気はそこそこ堅調を維持している可能性もあります。
■9月10日付け「米雇用統計の年次基準改定:91.1万人の下方修正」
■9月6日付け「米雇用統計:NFPは引き続き軟調、失業率も小幅上昇」をご覧ください。
9月16-17日のFOMCでは利下げが決定されそうです。注目は、利下げ幅(0.50%ならサプライズ)、10月以降についても積極的な利下げが示唆されるかでしょう。そして、3カ月に一度公表されるFOMC参加者の経済・金融見通し、とりわけ「ドット・プロット」。さらには、解任が差し止めとなったクック理事は出席するのか、クグラー理事の後任に指名されたミラン(マイラン)理事候補は間に合うのか(15日に上院で承認される見込み)、なども気になるところです。
・米長期金利は24年10月以来となる3%台定着はあるか
・8月PPIは前月比マイナスで利下げ観測をサポート、本日の8月CPIは?
・16-17日FOMCでは10月以降の積極利下げが示唆されるか
米長期金利(10年物国債利回り)は10日、一時4.02%まで低下しました。直接のきっかけは8月PPI(生産者物価指数)が総合、コアとも先月比マイナスとなったこと。さらに、その後に実施された10年物国債入札も好調でした。

長期金利が4.0%を割り込むとすれば、今年4月の「相互関税ショック」の一時を除くと24年10月以来のこと。当時は、7月末の日銀利上げ(植田ショック)や8月雇用統計の軟調などから景気後退懸念が高まっていました。

長期金利は7月以降に低下基調にあります。筆者は、財政赤字拡大懸念やFRBの独立性に対する疑念から長期金利に上昇圧力が加わる(=「債券自警団」の出動)と考えていました。しかし、それ以上に雇用や景気の急激な悪化懸念、大幅な利下げ観測が大きいようです。本日11日の8月CPI(消費者物価指数)もそうした見方を裏付けるでしょうか。利下げ観測が一段と強まるようであれば、長期金利は4.0%を割り込むかもしれません。
もっとも、8月失業率は4.3%と、引き続き労働市場は需給がタイトとも言えます。また、アトランタ連銀のGDPNow(短期予測モデル)は10日時点で7-9月期GDPを前期比年率3.1%と予測しており(前期は同3.3%)、景気はそこそこ堅調を維持している可能性もあります。
■9月10日付け「米雇用統計の年次基準改定:91.1万人の下方修正」
■9月6日付け「米雇用統計:NFPは引き続き軟調、失業率も小幅上昇」をご覧ください。
9月16-17日のFOMCでは利下げが決定されそうです。注目は、利下げ幅(0.50%ならサプライズ)、10月以降についても積極的な利下げが示唆されるかでしょう。そして、3カ月に一度公表されるFOMC参加者の経済・金融見通し、とりわけ「ドット・プロット」。さらには、解任が差し止めとなったクック理事は出席するのか、クグラー理事の後任に指名されたミラン(マイラン)理事候補は間に合うのか(15日に上院で承認される見込み)、なども気になるところです。
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