小売売上高など米経済指標に注目、米ロ首脳会談開催
2025/08/15 08:59
【ポイント】
・米経済指標でFRBによる積極的な利下げ観測が一段と後退するか
・米ロ首脳会談ではロシアとウクライナの停戦に向けて進展がみられるか
(欧米市場レビュー)
14日、欧米時間の外為市場では米ドルが堅調に推移。一時米ドル/円は147.917円、米ドル/カナダドルは1.38148カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.16297ドル、NZドル/米ドルは0.59068米ドルへと下落しました。米国の7月PPI(生産者物価指数)が市場予想を上回ったことが、米ドルを押し上げました。
※PPIについて詳しくは、本日の『ファンダメ・ポイント』[米PPI:関税の影響はタイムラグを伴ってCPIへ?]をご覧ください。
対米ドルを除いて英ポンドも堅調。一時英ポンド/円は200円ちょうど近辺へと上昇し、ユーロ/英ポンドは0.85928ポンドへと下落しました。英国の4-6月期GDP(国内総生産)速報値が前期比0.3%と、市場予想の0.1%を上回ったことが、英ポンドのプラス材料になりました。
ノルウェー中銀は政策会合を開き。政策金利を4.25%に据え置くことを決定。ノルウェー中銀の声明では、前回6月の会合と同じく「経済見通しは不透明なものの、経済がおおむね現在の見通しに沿って推移すれば、25年中に政策金利はさらに引き下げられるだろう」と表明されました。
声明はまた、「(景気)抑制的な金融政策が依然として必要なものの、今後は政策金利の慎重な正常化を進めることが適切になる可能性が高い」としつつ、「(ノルウェーの)インフレ率は依然として目標を上回っている」と指摘。「政策金利を急激に引き下げると、インフレ率が目標を上回る状態が長期化する可能性がある」との認識を示しました。
政策会合の結果発表後、ノルウェークローネ/スウェーデンクローナは一時0.94143スウェーデンクローナへと上昇したものの、上昇は長続きしませんでした。
(本日の相場見通し)
昨日14日の米国の7月PPIの強い結果を受け、市場ではFRB(米連邦準備制度理事会)による積極的な利下げ観測が後退しました。
CMEのFedWatchツールによると、米国時間14日時点で織り込む次回9月16-17日の確率は、政策金利の据え置きが約8%、0.25%の利下げが約92%、0.50%の利下げが0%。前日13日時点の確率は、それぞれ0%、94.2%、5.7%でした。また、次々回10月以降の利下げ確率も13日から低下しました。
本日は、米国の7月小売売上高や8月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値、8月NY連銀製造業景気指数が発表されます。
市場予想は以下のとおりです。
・小売売上高(前月比):0.5%
・小売売上高(自動車を除く。前月比):0.3%
・ミシガン大学消費者信頼感指数:62.0
・NY連銀製造業景気指数:0.0
小売売上高などが市場予想を上回る結果になれば、FRBによる利下げ観測が一段と後退しそうです。その場合には米ドルが堅調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは上昇し、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは下落すると考えられます。米ドル/カナダドルは、8月1日高値の1.38745カナダドルが上値メドです。
※米ドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[米ドル/円、レンジワークが継続しそう]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
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トランプ米大統領とプーチン・ロシア大統領がアンカレッジで会談します。会談は現地時間15日午前11時30分(日本時間16日午前4時30分)から始まり、終了後に両大統領が共同会見を行う予定です。
米ロ首脳会談では、ロシアとウクライナの停戦に向けて前進がみられるかが焦点になりそうです。首脳会談の結果次第では、来週月曜日(18日)以降も含めて材料になる可能性があります。
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