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英GDP、米PPI、主要株価指数、原油価格に注目

2025/08/14 07:48

【ポイント】
・9月FOMCでの利下げが確実視され、米ドルが軟調
・英GDPが弱めでもBOEの利下げ慎重姿勢は変化なし?
・株高ならリスクオンで新興国通貨にプラスか。産油国通貨は微妙

(欧米市場レビュー)

13日の欧米時間の外為市場で、米ドルが軟調。米ドル実効レートは米国とEU(欧州連合)が関税交渉で合意した7月28日以来の水準に低下しました。市場は9月FOMCでの利下げを完全に織り込み、長期金利(10年物国債利回り)が低下。米主要株価指数が上昇し、S&P500は連日の高値更新となりました。

トランプ大統領はパウエルFRB議長の後任候補を3-4人に絞ったとし、「少し早めに」指名する可能性があると述べました。また、ベッセント財務長官は、政策金利が現状より1.50%低くあるべきだと指摘し、9月に0.50%利下げすべきだと述べました。

英ポンドは堅調。米FRBの利下げ観測が高まる一方で、英BOEが利下げに慎重な姿勢を崩さないとの見方が背景にあるようです。


(本日の相場材料)

本日の注目は、豪州の7月雇用統計(日本時間10:30、以下同じ)、英国の4-6月期GDP(15:00)、ノルゲバンク(ノルウェー中銀)の政策会合、米国の7月PPI(生産者物価指数)と先週の新規失業保険申請件数(いずれも21:30)など。

豪州の雇用統計は弱めだった過去2カ月から反発が予想されています。もっとも、RBA(豪中銀)は12日の政策会合で0.25%利下げを決定したばかりであり、どのような結果となっても豪ドルの反応は鈍いかもしれません。

英国のGDPは景気の弱さを示しそうです。月次GDPは4-5月と2カ月連続で前月比マイナスと軟調でした。ただし、よほど弱い結果にならないと、BOEの利下げに慎重な姿勢に変化はなさそうです。

米FOMCのスタンスは、「2%の物価目標達成に自信が持てれば利下げ」から「関税の影響で物価指標が大きく上振れしなければ利下げ」へと変化している可能性があります。そのため、PPIにどの程度関税の影響があるかをチェックすることになりそうです。

主要株価指数の動向にも注目。株価が堅調を持続すれば、市場におけるリスクオン(リスク選好)が強まり、資源・新興国通貨などが買われるかもしれません。ただしWTI原油価格が13日に約2カ月ぶりの安値を付けており、原油価格の軟調が続くようであれば、カナダドルメキシコペソノルウェークローネなど産油国通貨の重石になるかもしれません。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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