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豪中銀会合、米CPIに注目!

2025/08/12 08:50

【ポイント】
・米CPIで市場のFRB利下げ観測が変化するか
RBAは利下げするか、今後の利下げペースについてどのようなヒントが示されるか

(欧米市場レビュー)

11日、欧米時間の外為市場ではノルウェークローネが堅調に推移。ノルウェークローネ/スウェーデンクローナは一時0.94220スウェーデンクローナへと上昇しました。ノルウェーの7月CPI(消費者物価指数)が市場予想を上回る結果だったことでノルウェー中銀による利下げ観測が後退し、ノルウェークローネを押し上げました。

ノルウェーのCPIの結果は総合が前年比3.3%、エネルギーや税制改革の影響を除いたCPI-ATEが同3.1%。市場予想はいずれも3.0%でした。

米ドルも堅調。一時米ドル/円は148.204円、米ドル/カナダドルは1.37908カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.15891ドル、英ポンド/米ドルは1.34132ドルへと下落しました。12日に発表される米国の7月CPIを前にしたポジション調整が中心とみられます。

トランプ大統領が中国に対する関税の停止期限を90日間延長するとの大統領令に署名したと複数のメディアが報じました。米国による対中国関税は既存の30%(フェンタニル関連20%+相互関税の基本税率10%)が維持されます。期限が延長されなければ、対中国関税は米東部時間12日午前0時1分に24%上乗せされる(合計54%になる)予定でした。

(本日の相場見通し)

米国の7月CPIが本日発表されます(日本時間21:30)。その結果に市場が反応しそうです。

米CPIの市場予想は以下のとおり。( )は6月の実績です。総合の前月比の上昇率は6月から鈍化するものの、それ以外は6月よりも上昇率が高まると予想されています。

・総合(前月比):0.2%(0.3%)
・総合(前年比):2.8%(2.7%)
・コア(前月比):0.3%(0.2%)
・コア(前年比):3.0%(2.9%)

市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)は次回9月16-17日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.25%の利下げを行うとの見方が有力。FedWatchツールによると、米国時間11日時点で市場が織り込む9月の利下げ確率は約86%です。

米CPIが市場予想を上回る結果になれば、FRBによる利下げ観測が後退しそう。その場合、米ドルが堅調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルには上昇圧力が、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルには下落圧力が加わると考えられます。米ドル/カナダドルは、8月1日高値の1.38745カナダドルが上値メドです。

***

本日は、RBA(豪中銀)の政策会合が開かれます。会合の結果は日本時間13時30分に発表され、同14時30分からブロックRBA総裁が会見します。

RBAは2月と5月の会合でそれぞれ0.25%の利下げを実施(その間の4月会合は政策金利を据え置き)。前回7月7-8日の会合では、市場の利下げ予想に反して政策金利を3.85%に据え置きました。

豪州の6月雇用統計(7/17発表)では失業率が4.3%と、5月の4.1%から悪化して21年11月以来の高い水準を記録。豪州の4-6月期CPI(消費者物価指数、7/30発表)は総合が前年比2.1%、トリム平均値が同2.7%でした。総合の上昇率は1-3月期の2.4%から鈍化してRBAのインフレ目標レンジ(2~3%)の下限に接近し、トリム平均値も1-3月期の2.9%から上昇率が鈍化しました。

RBAは本日の会合で0.25%利下げすると市場は予想しています。

RBAの声明やブロック総裁の会見にも注目です。それらでは今後の利下げペースについてどのようなヒントが示されるかが焦点になりそう。市場では、次回9月29-30日の会合で政策金利は据え置かれて、次々回11月3-4日の会合で0.25%の追加利下げが行われるとの見方が有力です。

ブロック総裁が会見で追加利下げに慎重な姿勢を示すなど、声明や総裁会見がタカ派的な内容になれば、9月会合での据え置き観測が一段と高まるとともに、11月会合での追加利下げ観測が後退しそう。その場合には豪ドルが堅調に推移すると考えられます。

※豪ドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[豪ドル/円、RBA会合&ブロック総裁会見が相場動意となりそう]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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