英国やメキシコの中銀会合開催! 英ポンドやメキシコペソが反応か
2025/08/07 09:05
【ポイント】
・英中銀総裁の会見などで次の利下げ時期についてのヒントが提供されるか
・メキシコ中銀は9月以降の金融政策についてどのようなヒントを示すか
(欧米市場レビュー)
6日、欧米時間の外為市場では米ドルが軟調に推移。一時米ドル/円は146.978円、米ドル/カナダドルは1.37339カナダドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.16634ドル、英ポンド/米ドルは1.33627ドルへと上昇しました。FRB(米連邦準備制度理事会)のクック理事の発言が米ドルの重石となりました。
クック理事はボストン連銀主催の討論会で「7月の雇用統計は懸念すべきものだ」と述べました。また、5月と6月のデータが大幅に下方修正されたことについては「大幅な修正は経済の転換点でよく見られるもの」との認識を示しました。
1日に発表された米国の7月の雇用統計では、非農業部門雇用者数(NFP)が前月比7.3万人増と市場予想の10.4万人増を下回りました。また、5月のNFPは14.4万人増から1.9万人増へ、6月のNFPは14.7万人増から1.4万人増へそれぞれ下方修正されました(合計25.8万人の下方修正)。
(本日の相場見通し)
BOE(英中銀)とBOM(メキシコ中銀)の政策会合が本日開かれます。それらの結果に市場が反応する可能性があり注目です。
<BOE>日本時間午後8時に会合結果発表、午後8時30分からベイリー総裁が会見
市場では、BOEは0.25%の利下げを行うと予想されています。
その通りの結果になれば、9人の政策メンバーの投票行動や会合の議事要旨、金融政策報告、ベイリー総裁の会見に注目。それらでは、次の利下げ時期についてのヒントが提供されるのかが焦点になりそうです。
BOEは24年8月に利下げを開始して以降、2会合(3カ月)に1回のペースで利下げを実施してきました。市場では、BOEは次回9月23日の会合で政策金利を据え置いて、次々回11月5日の会合で追加利下げを行うとの見方が優勢です。
ベイリー総裁の会見などがタカ派的な内容になれば、BOEによる追加利下げ観測が後退しそう。その場合には英ポンドが堅調に推移して、英ポンド/円や英ポンド/米ドルは上昇し、ユーロ/英ポンドは下落する可能性があります。
※ユーロ/英ポンドのテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[ユーロ/英ポンド、BOE会合結果が相場動意となりそう]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
<BOM>日本時間8日午前4時に会合結果発表、総裁会見なし
BOMは24年3月以降9回(合計3.25%)の利下げを実施。利下げ幅は最初の5回がそれぞれ0.25%、25年に入ってからの4回はそれぞれ0.50%でした。
本日の会合について市場では、利下げ幅が縮小されて0.25%の利下げが行われるとの見方が有力です。そのとおりの結果になれば、BOMの声明でフォワードガイダンス(先行きの金融政策についての示唆)を含め、次回9月以降の会合についてどのようなヒントが示されるのかに注目です。前回6月会合時のフォワードガイダンスは「政策金利のさらなる調整を検討する」でした。
声明が“今後の会合では利下げの見送りもあり得る”と市場が受けとめる内容だった場合、メキシコペソにとってプラス材料になりそうです。
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本日は、米国の先週分の新規失業保険申請件数が発表され、ボスティック・アトランタ連銀総裁が講演する予定です。
新規失業保険申請件数の市場予想は22.1万件と、前週の21.8万件から増加するとみられています。
市場では、FRBは次回9月16-17日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.25%の利下げを行うと予想されています。新規失業保険申請件数が市場予想と比べて弱い結果になる、あるいはボスティック総裁の発言次第では、9月の利下げ観測が補強されるとともに、10月以降の追加利下げ観測も高まる可能性があります。FRBによる追加利下げ観測が高まる場合、米ドルに対して下押し圧力が加わりそうです。
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