米ベージュブック:景気はやや持ち直したものの、不確実性は強く・・
2025/07/17 07:57
【ポイント】
・景気はやや持ち直しと総括されたものの、中身は弱め
・外国人労働者の不足や関税に伴うインフレ圧力に言及
・先行きの見通しは、中立ないしやや悲観的
16日に発表された米国の6月PPI(生産者物価)はやや弱め。PPIを受けて長期金利(10年物国債利回り)は低下。トランプ大統領がパウエルFRB議長を解任するとの報道で長期金利が上昇する場面もありましたが、トランプ大統領がこれを否定したことで再び低下。ベージュブック(地区連銀経済報告)は景気がやや持ち直しと総括したものの、中身は弱めでした。移民規制の強化による外国人労働者の不足や、関税に伴う物価上昇圧力が報告されました。
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ベージュブックによれば景気はやや持ち直したものの・・・

経済活動:
ベージュブック(地区連銀経済報告)によれば、経済活動は前回報告(6月4日)からやや持ち直しました。(12地区のうち)5地区がわずか、あるいは緩やかな拡大、5地区が横ばい、2地区がわずかに縮小でした。前回は「わずかに縮小」と総括され、6地区がわずか、あるいは緩やかな縮小、3地区が変化なし、残り3地区がわずかな成長でした。
もっとも、不確実性は引き続き高く、企業は慎重姿勢を崩しませんでした。
自動車を除く個人消費はほとんどの地区で減少、自動車販売は関税前の駆け込みの後で総じて弱めでした。観光はマチマチで、製造業は軟化、金融以外のサービス業はほとんど変化ないものの、地区によって状況は異なりました。
先行きの見通しは、中立あるいは少し悲観的。わずかに2地区が経済活動の活発化を予想しており、残りの地区では横ばいか弱さが予想されていました。
労働市場:
雇用はわずかに増加。1地区で緩やかな増加、6地区でわずかに増加、3地区で横ばい、2地区でわずかに減少でした。経済および経済政策の不確実性により、企業は採用に慎重でした。求職者は増えましたが、熟練労働者の不足が目立ち、移民規制により外国人労働者の不足を指摘する地区もありました。賃金は従来と同様に緩やかに増加しました。レイオフ(解雇)は限定的だったものの、製造業でやや増加しました。
物価:
物価はこれまでと同様に緩やかなペースで上昇。7地区で「緩やかな上昇」、5地区で「わずかな上昇」と表現されました。全ての地区で、関税に関連する投入コストの上昇が報告されました。多くの企業がコスト上昇分の少なくとも一部を価格転嫁しましたが、顧客が値上げに敏感なため利ザヤを縮小して吸収した企業もありました。幅広い業種でコスト上昇が続き、夏の終盤までに消費者物価の上昇率が高まり始める可能性が高いと予想されました。
・景気はやや持ち直しと総括されたものの、中身は弱め
・外国人労働者の不足や関税に伴うインフレ圧力に言及
・先行きの見通しは、中立ないしやや悲観的
16日に発表された米国の6月PPI(生産者物価)はやや弱め。PPIを受けて長期金利(10年物国債利回り)は低下。トランプ大統領がパウエルFRB議長を解任するとの報道で長期金利が上昇する場面もありましたが、トランプ大統領がこれを否定したことで再び低下。ベージュブック(地区連銀経済報告)は景気がやや持ち直しと総括したものの、中身は弱めでした。移民規制の強化による外国人労働者の不足や、関税に伴う物価上昇圧力が報告されました。
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ベージュブックによれば景気はやや持ち直したものの・・・

経済活動:
ベージュブック(地区連銀経済報告)によれば、経済活動は前回報告(6月4日)からやや持ち直しました。(12地区のうち)5地区がわずか、あるいは緩やかな拡大、5地区が横ばい、2地区がわずかに縮小でした。前回は「わずかに縮小」と総括され、6地区がわずか、あるいは緩やかな縮小、3地区が変化なし、残り3地区がわずかな成長でした。
もっとも、不確実性は引き続き高く、企業は慎重姿勢を崩しませんでした。
自動車を除く個人消費はほとんどの地区で減少、自動車販売は関税前の駆け込みの後で総じて弱めでした。観光はマチマチで、製造業は軟化、金融以外のサービス業はほとんど変化ないものの、地区によって状況は異なりました。
先行きの見通しは、中立あるいは少し悲観的。わずかに2地区が経済活動の活発化を予想しており、残りの地区では横ばいか弱さが予想されていました。
労働市場:
雇用はわずかに増加。1地区で緩やかな増加、6地区でわずかに増加、3地区で横ばい、2地区でわずかに減少でした。経済および経済政策の不確実性により、企業は採用に慎重でした。求職者は増えましたが、熟練労働者の不足が目立ち、移民規制により外国人労働者の不足を指摘する地区もありました。賃金は従来と同様に緩やかに増加しました。レイオフ(解雇)は限定的だったものの、製造業でやや増加しました。
物価:
物価はこれまでと同様に緩やかなペースで上昇。7地区で「緩やかな上昇」、5地区で「わずかな上昇」と表現されました。全ての地区で、関税に関連する投入コストの上昇が報告されました。多くの企業がコスト上昇分の少なくとも一部を価格転嫁しましたが、顧客が値上げに敏感なため利ザヤを縮小して吸収した企業もありました。幅広い業種でコスト上昇が続き、夏の終盤までに消費者物価の上昇率が高まり始める可能性が高いと予想されました。
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