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米CPIや中国GDPに注目!

2025/07/15 09:00

【ポイント】
・米CPIで市場のFRB利下げ観測がどう変化するか
・中国経済指標で同国景気をめぐる懸念が強まるか

(欧米市場レビュー)

14日、欧米時間の外為市場では米ドルが堅調に推移。米ドル/円は一時147.749円へと上昇し、6月23日以来3週間ぶりの高値を記録。また、米ドル/カナダドルは1.37034カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.16489ドル、英ポンド/米ドルは1.34231ドルへと下落する場面がありました。米国の長期金利が上昇したことが、米ドルの支援材料となりました。

(本日の相場見通し)

米国の6月CPI(消費者物価指数)が本日発表されます(日本時間21:30)。その結果に市場が反応しそうです。

CPIの市場予想は以下のとおり。( )は前月の実績です。総合とコアのいずれも、前月から上昇率が高まるとみられています。

<総合>
・前月比:0.3%(0.1%)
・前年比:2.6%(2.4%)

<コア>
・前月比:0.3%(0.1%)
・前年比:2.9%(2.8%)

FRB(米連邦準備制度理事会)は24年9月から12月まで3会合連続で利下げを実施。今年1月以降は、トランプ政権による関税が米経済やインフレに及ぼす影響を見極めるとして、前回6月のFOMC(米連邦公開市場委員会)まで4会合連続で政策金利を据え置きました。

市場では、FRBは次回7月29-30日のFOMCで政策金利を据え置いて、次々回9月16-17日のFOMCで利下げを行うとの見方が優勢です。CMEのFedWatchツールによると、米国時間14日時点で市場が織り込むFRBの利下げ確率は、7月が約5%、9月までで6割強となっています。

米国のCPIが市場予想を上回る結果になれば、FRBの利下げ観測が後退するとともに、米ドルのプラス材料になりそう。その場合には米ドル/円や米ドル/カナダドルは堅調に推移し、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは軟調に推移すると考えられます。

※米ドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[米ドル/円、米6月CPI結果が相場動意となりそう]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。

本日の『ファンダメ・ポイント』は、[米ドル/円の見通し~グローバルViewへのご質問]す。

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中国の4-6月期GDP(国内総生産)や6月小売売上高、6月鉱工業生産が本日発表されます(日本時間11:00)。

各経済指標の市場予想は以下のとおり。( )は前回の実績です。GDP成長率は1-3月期から減速し、小売売上高と鉱工業生産は5月から伸びが鈍化するとみられています。

・GDP(前期比):0.9%(1.2%)
・GDP(前年比):5.1%(5.4%)
・小売売上高(前年比):5.3%(6.4%)
・鉱工業生産(前年比):5.6%(5.8%)

GDPなどが市場予想を下回る結果になれば、中国景気をめぐる懸念が市場で強まるかもしれません。その場合、豪ドルやNZドルのマイナス材料になる可能性があります。豪州とNZにとって中国は主要な輸出先であり、輸出全体のうち、豪州はおよそ3分の1、NZは約2割が中国向けです。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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