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ノルウェーCPIにノックセックが反応!?

2025/07/10 09:00

【ポイント】
・米30年物国債入札がどうなるか
・新規失業保険申請件数で市場のFRB金融政策見通しが変化するか
・ノルウェーCPIで市場のノルウェー中銀による利下げ観測が後退するか

(欧米市場レビュー)

9日、欧米時間の外為市場ではが反発。一時米ドル/円は146.238円、ユーロ/円は171.220円、英ポンド/円は198.720円、豪ドル/円は95.478円へと下落しました。米国の長期金利(10年物国債利回り)が低下するなかで米ドル/円が下落し、ユーロ/円などはそれに引きずられたと考えられます。

(本日の相場見通し)

米国の30年物国債の入札が本日行われます。その結果に市場が反応する可能性があります。

9日に実施された同国の10年物国債入札が良好な結果だったことで、米長期金利は低下しました。本日の30年物国債も良好な結果になれば、米長期金利には一段と下押し圧力が加わりそうです。その場合には米ドルのマイナス材料になると考えられます。

※米長期金利の動向については、本日の『ファンダメ・ポイント』[FOMC議事録:関税の影響は低下も引き続き不確実]にて解説していますので、ご覧ください。

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本日はまた、米国の先週分の新規失業保険申請件数が発表されます(日本時間21:30)。

市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)は次回7月29-30日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で政策金利を据え置いて、次々回9月16-17日のFOMCで利下げを行うとの見方が優勢。CMEのFedWatchツールによると、米国時間9日時点で市場が織り込む利下げ確率は、7月が約7%、9月までで約70%です。

新規失業保険申請件数が市場予想の23.5万件よりも弱い結果になれば、FRBの利下げ観測が高まるかもしれません。利下げ観測が高まる場合には米ドルが軟調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは下値を試し、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは上値を試す展開になりそうです。

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ノルウェーの6月CPI(消費者物価指数)が本日発表されます(日本時間15:00)。その結果にノルウェークローネが反応しそうです。

CPIの市場予想は前年比3.1%、コアインフレ率のCPI-ATE(税制改革の影響やエネルギーを除いた基礎)の市場予想は同3.0%。CPI-ATEの上昇率は前月の2.8%から高まり、ノルウェー中銀のインフレ目標である2%を引き続き上回るとみられています。

ノルウェー中銀は23年12月に利上げを実施後、前々回25年5月の会合まで政策金利を4.50%に維持しました。

前回6月19日の会合で0.25%の利下げを行うとともに、声明で「経済見通しは不確実なものの、経済がおおむね現在の予想に沿って推移すれば、25年中に政策金利はさらに引き下げられるだろう」と表明。追加利下げを示唆しました。

本日発表のノルウェーのCPIが市場予想を上回る結果になれば、ノルウェー中銀による早期の追加利下げ観測が後退するとともに、ノルウェークローネのプラス材料になりそう。ノルウェークローネ/スウェーデンクローナ(ノックセック)は堅調に推移する可能性があります。

※ノックセックのテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[ノックセック、下値切り下げを模索する相場付き!]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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