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【PM】RBNZは政策金利を据え置き、今後利下げする可能性も!?

2025/07/09 15:55

【ポイント】
・今回の会合では0.25%の利下げも議論
・RBNZ(NZ中銀)は「中期的なインフレ圧力が予想どおり緩和し続ければ、政策金利をさらに引き下げると予想している」と表明

RBNZは本日政策会合を開き、政策金利を3.25%に据え置くことを決定しました。据え置きは24年8月に利下げが開始されてから初めて。前回会合まで6回連続で利下げが行われていました。

RBNZ会合の結果発表直後にNZドルが上昇したものの、上昇は一時的でした。

本日の会合では0.25%利下げすることも検討されました。また、RBNZは声明を前回5月から修正し、「中期的なインフレ圧力が予想どおり緩和し続ければ、政策金利をさらに引き下げると予想している」と表明。追加利下げを示唆しました。

NZの4-6月期CPI(消費者物価指数)が7月21日、4-6月期雇用統計が8月6日、RBNZ調査のインフレ期待が8月7日に発表されます。それらの結果次第では次回8月20日の会合で利下げが行われるかもしれません。

OIS(翌日物金利スワップ)によると、市場が織り込む次回会合の確率は、0.25%の利下げが6割弱、政策金利の据え置きが4割強です(日本時間9日15:50時点)。

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会合の議事要旨では、政策金利を据え置く根拠として以下のことが挙げられました。
・「不確実性の高まりと短期的なインフレリスクを踏まえると、8月まで待つことにメリットがある」
・「(利下げを)待つことで国内経済の弱さが持続するのかどうか、インフレ率やインフレ期待がどのように進展するかを評価できる」
・「世界経済の動向を見守る時間もより多く確保できる」

RBNZは声明で「輸出価格の上昇や低金利がNZ経済の回復を支えている」と評価。その一方で、「世界的な政策の不確実性の高まりや関税によって世界経済の成長率は鈍化する見通しだ」とし、「それによってNZの景気回復のペースは鈍化し、インフレ圧力は緩和するだろう」との認識を示しました。

議事要旨では「総合インフレ率(※)は25年4-6月期と7-9月期にさらに上昇し、RBNZの目標レンジ(1~3%)の上限に近づくと予想される」とされました。しかし、「NZ経済におけるかなりの余剰生産能力が国内のインフレ圧力を一段と緩和させて、インフレ率は25年後半に伸びが鈍化し、26年早々に目標レンジの中間値(2.5%)近辺に戻る」との認識が示されました。

(※)NZの1-3月期のCPI(消費者物価指数)は前年比2.5%でした。

議事要旨によると、会合では“政策金利を据え置く”ことと“0.25%利下げする”ことが議論されました。

RBNZは声明の最終段落を修正。前回5月会合は「インフレ率は目標レンジ内にあり、中期的な物価安定を維持するため、国内外の動向に対応する態勢が整っている」でしたが、それが「中期的なインフレ圧力が予想どおり引き続き緩和すれば、政策金利をさらに引き下げると予想している」に変わりました。

ただし、「経済見通しは依然として非常に不透明だ。NZの景気回復のスピード、インフレの持続性、そして関税の影響に関する今後のデータが、政策金利の将来の道筋に影響を与えるだろう」としました。

※RBNZ会合については、本日の『M2TV 資源・新興国マーケットView』で一部解説しています(18時頃配信)。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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