ノルウェー中銀が利下げ! ノックセックが下落
2025/06/20 09:25
【ポイント】
・ノルウェー中銀は追加利下げを示唆
・中東情勢には引き続き要注意、トランプ大統領は2週間以内に対応を決定!?
(欧米市場レビュー)
19日、欧米時間の外為市場ではノルウェークローネが軟調に推移。ノルウェークローネ/スウェーデンクローナ(ノックセック)は一時0.95700スウェーデンクローナへと下落しました。ノルウェー中銀は0.25%の利下げを行うことを決定。政策金利を4.50%から4.25%へと引き下げました。市場では政策金利は据え置かれると予想されていたため、利下げはサプライズとなり、ノルウェークローネに対して下押し圧力が加わりました。
米ドルは堅調。一時米ドル/円は145.747円、米ドル/カナダドルは1.37417カナダドルへと上昇し、豪ドル/米ドルは0.64442米ドル、NZドル/米ドルは0.59578米ドルへと下落しました。中東情勢緊迫化への懸念によるリスクオフ(リスク回避)が、米ドルの支援材料となりました。
BOE(英中銀)は政策金利を4.25%に据え置くことを決定しました。
TCMB(トルコ中銀)は主要政策金利の1週間物レポ金利を46.00%、翌日物貸出金利を49.00%、翌日物借入金利を44.50%にそれぞれ据え置くことを決定。市場では金利コリドー(※)の上限である翌日物貸出金利を引き下げるとの観測がありましたが、据え置かれました。
(※)TCMBは主要政策金利の1週間物レポ金利を中心に、上限の翌日物貸出金利と下限の翌日物借入金利の範囲(金利コリドー)内に市場金利を誘導しています。
※本日の『ファンダメ・ポイント』は、[BOEはハト派的据え置き、ノルゲはサプライズ利下げ]です。
(本日の相場見通し)
米ホワイトハウスのレビット報道官は19日、イスラエルによるイラン攻撃に米国が加わるのかについて「近い将来にイランとの交渉が行われる可能性がかなりあることを踏まえ、今後2週間以内に対応を決定する」とのトランプ大統領の声明を読み上げました。
中東情勢には引き続き要注意です。中東情勢が一段と緊迫化するとの懸念が市場で強まる場合、リスクオフが強まるとともに、米ドルや円が堅調に推移する可能性があります。
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米国の6月フィラデルフィア連銀製造業景気指数が本日発表されます(日本時間21:30)。
フィラデルフィア連銀製造業景気指数の市場予想はマイナス1.0と、業況判断の分かれ目であるゼロを引き続き下回るものの、前月のマイナス4.0から改善するとみられています。
市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)は9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.25%の追加利下げを行うとの見方が優勢。CMEのFedWatchツールによると、米国時間19日時点で市場が織り込む利下げ確率は、次回7月29-30日のFOMCで約8%、次々回9月16-17日のFOMCまでで6割強です。
フィラデルフィア連銀製造業景気指数の結果によっては、市場のFRBの金融政策見通しが変化する可能性があります。仮に市場予想と比べて強い結果になってFRBの追加利下げ観測が後退する場合、米ドルのプラス材料となりそう。米ドル/円や米ドル/カナダドルは堅調に推移し、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは軟調に推移すると考えられます。
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ノルウェー中銀は19日に政策会合を開き、0.25%の利下げを行うことを決定。政策金利を4.50%から4.25%に引き下げました。利下げは20年5月以来およそ5年ぶりです。
ノルウェー中銀は声明で「経済見通しは不確実なものの、経済がおおむね現在の予想に沿って推移すれば、25年中に政策金利はさらに引き下げられるだろう」とし、追加利下げを示唆しました。
声明はまた、「3月の会合以降インフレ率は低下しており、来年のインフレ見通しはこれまでの予想よりも低い水準を示している」と指摘し、「政策金利を慎重に正常化することで、経済を必要以上に抑制することなくインフレ率を目標水準に戻す道が開かれる」との認識を示しました。
バーチェ総裁は会合後の会見で「インフレ率を目標水準に戻す仕事はまだ終わっていないが、金融政策を幾分緩和する時期が来たというのが政策委員会の見解だ」と述べ、「年内にさらに1~2回利下げして政策金利は4.00%か3.75%になる可能性がある」と語りました。
ノルウェー中銀の会合は年内あと4回開かれます(8月14日、9月18日、11月6日、12月18日)。
金融政策報告では、政策金利は25年末に4%をわずかに下回り、28年末に向けて3%程度に低下するとの見通しが示されました。
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