トランプ減税法案の現在地~7月4日前の上院可決は困難?
2025/06/18 08:22
【ポイント】
・下院案は5月22日に僅差で可決
・上院案は様々な修正が加えられたうえ、共和党内穏健派や保守派が反対⁉
・上院の共和党トップが目指す独立記念日前の可決は難しそう
トランプ減税を実現するための予算調整法案は5月22日に下院で僅差(215対214)で可決されました。現在、上院で様々な修正が加えられた予算調整法案(以下、上院案)の審議が始まっていますが、そのままの形で可決される可能性は低く、また仮にそのままの形で可決されたとしても差し戻される下院で可決される可能性は低いようです。
共和党のスーン上院院内総務(※)は7月4日(独立記念日)までの可決を目指しています。しかし、7月4日までに上院が開催されるのは、18日と来週23-27日のみ。その6日間で上院案を修正して可決するのはかなり難しそうです。
※上院議長は副大統領が兼ねており、院内総務が多数派政党のトップに該当します。
共和党は上院100議席のうち53議席を占めています。法案可決のためには(民主党議員の賛成をゼロとして)少なくとも50議席+副大統領の票が必要ですが、現時点ですでに3人を超える共和党議員が上院案に反対しているようです。
共和党内の穏健派は、メディケイド(低所得層や身障者向け医療保険)の大幅削減や再生エネルギー優遇税制の撤廃などに反対しています。一方、保守派は財政赤字の拡大を懸念して歳出を一段と削減するよう要求しているようです。また、下院案にあった州地方税の税額控除拡大(1万ドル⇒4万ドル)が上院案に含まれていないことで、ニューヨークやカリフォルニアなど税率の高い州の議員が難色を示しているとのことです。
・下院案は5月22日に僅差で可決
・上院案は様々な修正が加えられたうえ、共和党内穏健派や保守派が反対⁉
・上院の共和党トップが目指す独立記念日前の可決は難しそう
トランプ減税を実現するための予算調整法案は5月22日に下院で僅差(215対214)で可決されました。現在、上院で様々な修正が加えられた予算調整法案(以下、上院案)の審議が始まっていますが、そのままの形で可決される可能性は低く、また仮にそのままの形で可決されたとしても差し戻される下院で可決される可能性は低いようです。
共和党のスーン上院院内総務(※)は7月4日(独立記念日)までの可決を目指しています。しかし、7月4日までに上院が開催されるのは、18日と来週23-27日のみ。その6日間で上院案を修正して可決するのはかなり難しそうです。
※上院議長は副大統領が兼ねており、院内総務が多数派政党のトップに該当します。
共和党は上院100議席のうち53議席を占めています。法案可決のためには(民主党議員の賛成をゼロとして)少なくとも50議席+副大統領の票が必要ですが、現時点ですでに3人を超える共和党議員が上院案に反対しているようです。
共和党内の穏健派は、メディケイド(低所得層や身障者向け医療保険)の大幅削減や再生エネルギー優遇税制の撤廃などに反対しています。一方、保守派は財政赤字の拡大を懸念して歳出を一段と削減するよう要求しているようです。また、下院案にあった州地方税の税額控除拡大(1万ドル⇒4万ドル)が上院案に含まれていないことで、ニューヨークやカリフォルニアなど税率の高い州の議員が難色を示しているとのことです。
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