メキシコ中銀は利下げか
2025/05/15 09:02
【ポイント】
・米経済指標で市場のFRB金融政策見通しが変化するか
・メキシコ中銀は今後さらに利下げする可能性を示すか
(欧米市場レビュー)
14日、欧米時間の外為市場では円が堅調に推移。一時米ドル/円は145.557円、ユーロ/円は163.709円、豪ドル/円は94.146円、NZドル/円は86.421円へと下落しました。「米財務省のカプロス次官補と韓国企画財政省の崔志栄次官が5日に会談し、米ドル/ウォン相場について協議した」と伝わりました。トランプ米大統領は円安を問題視していることから、この報道を受けて日本は米国との貿易交渉で米ドル高・円安の是正を求められるとの思惑へとつながりました。
その後、「米国は各国との貿易交渉で米ドル安を模索していない」と報じられると、米ドル/円やユーロ/円などは下げ幅を縮小しました。
20~22日にカナダ西部のバンフでG7財務相・中央銀行総裁会議が開かれます。加藤財務相は13日、これに出席する方向で国会などと調整しているとしたうえで「私とベッセント米財務長官が参加できる環境が整えば、この機会を利用して会談を実施し、引き続き為替についての協議を進めることを追求していきたい」と語りました。協議の具体的な内容については「憶測を招き、為替市場に不測の影響を及ぼすおそれもあるため、差し控える」と加藤財務相は述べました。
(本日の相場見通し)
本日は米国の経済指標が多く発表されます。これらの結果が材料になりそうです。結果が発表される時間はいずれも日本時間21時30分です。
各経済指標の市場予想は以下の通り。( )は前回の実績です。
・4月小売売上高(前月比):0.0%(1.4%)
・4月小売売上高(自動車を除く。前月比):0.3%(0.5%)
・先週分の新規失業保険申請件数:22.8万件(22.8万件)
・5月NY連銀製造業景気指数:マイナス8.0(マイナス8.1)
・5月フィラデルフィア連銀製造業景気指数:マイナス11.2(マイナス26.4)
・生産者物価指数(前月比):0.2%(マイナス0.4%)
・生産者物価指数(前年比):2.5%(2.7%)
・生産者物価コア指数(前月比):0.3%(マイナス0.1%)
・生産者物価コア指数(前年比):3.1%(3.3%)
市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)は9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で追加利下げを行うとの見方が優勢です。CMEのFedWatchツールによると、市場が織り込む利下げ確率は、6月が約8%、7月までで約4割、9月までで約7割です(8月はFOMCなし。日本時間15日08:10時点)。
本日発表される米経済指標が全般的に市場予想と比べて弱い結果になれば、FRBの追加利下げ観測が高まりそうです。その場合、米ドルが軟調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルには下落圧力が、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルには上昇圧力が加わると考えられます。英ポンド/米ドルは、4月29日高値の1.34379ドルが上値メドです。
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BOM(メキシコ中銀)の政策会合が本日開かれます。会合の結果は日本時間16日午前4時に発表され、総裁会見は予定されていません。
BOMは24年3月以降7回(合計2.25%)の利下げを実施。利下げ幅は最初の5回が0.25%、直近2回(25年2月と3月)は0.50%でした。
市場では、今回も0.50%利下げすることが決定されるとの見方が大勢です。その通りの結果になれば、BOMの声明内容が材料になりそうです。
声明における最大の注目点は、先行きの金融政策に関する文言です。前回3月の会合では「今後も金融政策スタンスの調整を継続し、同程度(0.50%)の規模での調整を検討する可能性がある」とされ、追加利下げが示唆されました。
本日の会合で0.50%の利下げが実施されたとしても、声明で今後の会合での利下げ幅縮小もあり得ることが示されれば、メキシコペソにとってそれほどマイナス材料にならないかもしれません。
※メキシコペソ/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[メキシコペソ/円、200日MAを上抜けブレーク!もう一段の上値トライとなるか]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
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