マネースクエア マーケット情報

主要国の株価動向、米雇用統計に注目!

2025/04/04 09:08

【ポイント】
・主要国の株価が一段と下落する場合、さらなるリスクオフも
・米雇用統計で米景気への懸念やFRBの追加利下げ観測が強まるか

(欧米市場レビュー)

3日、欧米時間の外為市場では米ドルが軟調に推移。一時米ドル/円は145.109円、米ドル/カナダドルは1.40239カナダドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.11339ドル、英ポンド/米ドルは1.32049ドルへと上昇。米ドル/円は24年10月2日以来およそ6カ月ぶり、米ドル/カナダドルは同12月6日以来およそ4カ月ぶりの安値をつけました。

トランプ米大統領が2日に相互関税の詳細を発表。輸入品に最低10%の関税を課し、日本・中国・EU(欧州連合)などにはより高い税率を適用すると表明しました。これを受けて米景気の先行きへの懸念から同国の長期金利(10年物国債利回り)が低下し、これが米ドル安圧力となりました。

米ドル/については、米国株が急落する中でのリスクオフ(リスク回避)も下押し圧力になったと考えられます。

※相互関税について詳しくは、2日の『ファンダメ・ポイント』[【速報】トランプ大統領が相互関税を発表!]をご覧ください。

(本日の相場見通し)

3日の米株式市場では、主要な株価指数が総じて大幅に下落。ダウは前日比1679.39ドル安(-3.98%)の40,545.93ドル、ナスダックは同1050.44ポイント安(-5.97%)の16,550.60ポイント、S&P500は同-274.45ポイント安(-4.84)の5,396.52ポイントで取引を終了。ナスダックの下落率は20年3月以来の大きさでした。

主要国の株価動向に引き続き注目です。本日の日経平均は下落してスタートしました(前日終値比431.27円安)。日経平均が引き続き軟調に推移し、欧州株、米国株が下値を試す展開になれば、リスクオフが一段と強まる可能性があります。リスクオフはのプラス材料になると考えられるため、リスクオフが強まる場合には米ドル/円やクロス円(ユーロ/円や豪ドル/円など)は軟調に推移しそうです。

***

米国の3月雇用統計が本日発表されます(日本時間21:30)。この結果が材料になる可能性があります。

雇用統計の市場予想は、非農業部門雇用者数が前月比13.5万人増、失業率が4.1%です。失業率は前月と同じになる一方で、非農業部門雇用者数は前月の15.1万人から増加ペースが鈍化すると予想されています。

雇用統計が市場予想と比べて弱い結果になれば、米景気の先行きへの懸念が一段と強まって、さらなるリスクオフへとつながるかもしれません。

また、FRB(米連邦準備制度理事会)の追加利下げ観測が高まり、米ドルのマイナス材料になる可能性もあります。CMEのFedWatchツールによると、米国時間3日時点で市場が織り込むFRBの追加利下げの確率は、次回5月6-7日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で約3割、次々回6月17-18日のFOMCまでで約8割です。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

  • 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
  • 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
  • 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。
topへ