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関税の報道に注意、カナダでは4月28日に総選挙実施

2025/03/24 09:07

【ポイント】
・相互関税について報道が新たに出てくるか
・米経済指標で市場のFRB金融政策見通しが変化するか

(欧米市場レビュー)

21日、欧米時間の外為市場では米ドルが堅調に推移。一時米ドル/円は149.617円、米ドル/カナダドルは1.43683カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.07972ドル、英ポンド/米ドルは1.28888ドル、豪ドル/米ドルは0.62564米ドルへと下落しました。米国の長期金利(10年物国債利回り)が上昇したことが、米ドルの支援材料となりました。

(本日の相場見通し)

米国のトランプ政権は、貿易相手国と同じ水準の関税を課す相互関税を4月2日に導入する計画です。また、同じく4月2日に自動車など分野別関税を発動する考えも示しています。

トランプ大統領は21日、相互関税について「柔軟性がある」と述べました。また、「一部の国や地域は相互関税の適用対象外になる可能性がある」との報道があります。相互関税について新たな報道が出てきた場合には市場が反応しそう。実際に適用対象外が設けられることになれば、その国・地域の通貨は堅調に推移するとみられます。

リスクオン(リスク選好)も強まるかもしれません。リスクオンはにとってマイナス材料になると考えられるため、ユーロ/円や豪ドル/円などのクロス円が底堅く推移する可能性があります。

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米国の3月S&PグローバルPMI(購買担当者景気指数)速報値が本日発表されます(日本時間22:45)。これらの結果に市場が反応しそうです。

PMIの市場予想は以下の通り。( )は前月の改定値です。
・製造業:51.8(52.7)
・サービス業:50.8(51.0)

製造業とサービス業のいずれも、業況判断の分かれ目である50は引き続き上回るものの、前月の改定値から低下するとみられています。

市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)は6月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で追加利下げを行うとの見方が優勢。CMEのFedWatchツールによると、米国時間21日時点で市場が織り込む利下げ確率は、次回5月6-7日のFOMCで約14%、次々回6月17-18日のFOMCまでで約78%です。

PMIが市場予想を下回る結果になれば、FRBの追加利下げ観測が一段と強まるとともに、米ドルが軟調に推移する可能性があります。

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カナダのカーニー首相は23日、議会下院の解散をサイモン総督に要請し、サイモン総督は解散を承認。4月28日に総選挙が実施されることになりました。

最大野党の保守党に大きくリードされていた与党・自由党の支持率は、1月のトルドー前首相の辞任表明をきっかけに上昇。最近の世論調査では両党の支持率は拮抗しており、選挙は接戦になると予想されています。カナダドルについては、カナダの選挙戦にも目を向ける必要があるかもしれません。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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