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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※3月21日更新

2025/03/21 09:09

宮田レポート(短期アップデート)/250321_miyata.pdf

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 35,000~38,700円

[NYダウ・S&P500] 
【当面の想定レンジ】 (NYダウ) 38,000~42,000ドル
            (S&P500) 5000~5740
[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 15,700~18,500

[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 139.000~154.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 99.578~108.523



[日経平均]


【週足 エリオット波動分析】
年内に日経平均は、インターミディエイト級第(5)波の上昇によって最高値を更新するでしょう。そのターゲットは[4万3000円-4万5000円]です。

この第(5)波上昇を以て、コロナショック底以来5年間にわたる強気相場(プライマリー第➂波)は完成し(『黄金の3年間』完結)、その後はプライマリー第➃波による停滞局面に移るでしょう。

24年7月以来のインターミディエイト級第(4)波の調整は続いています。第(2)波が「ジグザグ」だったことから、オルタネーションに則り、第(4)波形状は「トライアングル」、「フラット」、などの保ち合い型になるでしょう。

TOPIXが約8カ月ぶり高値─第(5)波ラリー入りの可能性高まる
TOPIXは3月19日に一時2813まで上昇、24年7月24日以来約8カ月ぶり高値となりました。
もたつく日経平均を横目に、TOPIXは第(5)波のラリーに入ったとみられます。
2620(3/11安値)からは(5)-3波による上昇とカウントされ、それは遠からず、24年7月高値(2946)を上抜く可能性があります。




【時間足 エリオット波動分析】
40,398円(12/27高値)からは、第(4)波「シンメトリカル・トライアングル」(A-B-C-D-E)における、C波の下落に当たります。

このC波は、3月11日に終わったかもしれません。この日の安値(35,987円)を付けた時点で、日経平均予想PERは14.5倍を下回っていました。24年9月9日に一時35,247円まで下げた時点のPERが14.56倍、24年8月5日(令和のブラックマンデー) でもPERは13.01倍でした。これらを参考にすると、14.5倍台前半のPERは相当に割安感が強い水準とみてよさそうです。

直近の上昇はD波とカウントできます。D波の上限については、おそらく3万9000円前後でしょう。
3万8000円-4万円の価格帯では累積売買高が突出して多くなっており、そこでは戻り売り圧力が強いと思われます。


[予想PER別の日経平均水準]
日経平均予想EPSは2449円(3/19)。過去最高は2564円(2/13)です。



[NYダウ・S&P500] 

【日足 エリオット波動分析】 
NYダウは、22年10月安値(28,660ドル)以来の上昇(B)波を45,073ドル(12/4高値)で完成。以来、(C)波の下落局面が進行中とみています。

22年1月~10月の(A)波は22.4%下げました。(C)波はそれと同等か、より大きな下落スケールになると思われます。試みに最高値から22.4%下げる水準は[34,977ドル]であり、3万5000ドル処は中期タームの下値目標といえそうです。

今後数カ月内の下値目標としては、[37,611ドル](24年4月安値)に注目です。これは「エンディング・ダイアゴナル」開始点水準です。

40,661ドル(3/13安値)からは、マイナー級の第2波によるリバウンド局面とカウントできます。上値試しが続くなら、[42,339ドル-42,858ドル]を試すでしょう。

【S&P500日足 エリオット波動分析】 
6147(2/19高値)から5504(3/13安値)までの第1波(マイナー級)に続き、第2波によるリバウンド局面が展開中とみられます。第2波の上値メドは次の通りです。

[5748]…200日MA(3/17時点)
[5750]…第1波の下げ幅に対する38.2%戻り
[5826]…同50%戻り
[5901]…同61.8%戻り

これら節目のいずれかでリバウンドを終えると、次はマイナー級の第3波による下落が続きますが、それは勢いあるダイナミックなものになるでしょう

【時間足 エリオット波動分析】 
1月高値45,054ドルからの下げは、インターミディエイト級第(3)波に位置付けられます。
この第(3)波はマイナー級の五波構成(1~5)であり、40,661ドル(3/13安値)からはマイナー級第2波によるリバウンド局面とみることができます。

一般的に第2波は「ジグザグ」パターンを辿ることが多いですが、これによれば、リバウンド期間は比較的短期と思われます。

フィボナッチ比率からの第2波メドは以下の通りです。

[42,339ドル]…第1波の下げ幅に対する38.2%戻り
[42,858ドル]…同50%戻り



[ナスダック]

【ナスダック総合指数 週足 エリオット波動分析】
ナスダック総合指数(以下、ナスダック)は、22年12月安値(10,207)以来のプライマリー級第➄波を完了し、サイクル級の調整に入った可能性が高い、とみています。

この見方通りなら、ナスダックの今後の調整規模はより大きく、期間も長くなるでしょう。
今後数カ月内にもナスダックは、以下に示す節目を目指す可能性があります。

[16,340]…22年10月から24年12月までの上昇に対し38.2%押し水準
[15,708]…プライマリー➀波のレッサーディグリー(4)波安値

プライマリー➃波の下げ率(37.77%)は、ほぼフィボナッチ比率(38.2%)でした。今後1~2年という期間では、 [12,527] (24年12月高値から38%下げる水準)へ下押す可能性もありそうです。



【時間足 エリオット波動分析】
20,110(2/18高値)を以て第5波による上昇は完了し─それは最高値に未達の『短縮された第5波(truncated fifth wave)』でした─本格的な調整が展開しています。

17,238(3/12安値)から、(マイナー級)第2波によるリバウンドに入ったとみられます。
フィボナッチ比率によるレジスタンスは[18,335-19,013](第1波下げ幅の38.2%-61.8%戻り)です。第2波のパターンはおそらく「ジグザグ」となるでしょう。

リバウンド後、第3波による下落トレンドが想定されます。第3波はナスダックを、週足分析であげた[16,340]、[15,708]などへ押し下げることになるでしょう。



[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】 
151.899円(22/10/21)からⓍ波「円高局面」が進行中です。このⓍ波により米ドル/円(ドル/円)は、2028年4月頃までレンジ相場を形成する、というのが基本シナリオ。24年7月の161.938円は、15年6月・125.860円から9年目に付けた「8年サイクル高値」とみられます。

22年10月以来のⓍ波が描くパターンとして大きくは、➀[ランニング・トライアングル]、➁[エクスパンディッド・フラット]、これら二通りの可能性があります。

➀の場合、現行C波はA波安値(127.158円)を下回りません。C波は三波で構成され、2011年からの上昇チャネルのセンターライン(➀)が強いサポートになるでしょう。
➀の水準は136.425円(4月)に位置します。

➁の場合は、現行C波(五波構成)はチャネル下限(➁)を目指すような、より大きなドル安・円高が見込まれます。➁の水準は116.800円(4月)です。

【週足 エリオット波動分析】 
161.938円(24/7/3)からはC波によるドル安・円高トレンドです。月足分析で記したB波[トライアングル]説によれば、C波は三波構成(ⓐ-ⓑ-ⓒ)になります。158.825円(1/10)から、ⓒ波によるドル安・円高が進行中とみられます。

ドル/円は今後数カ月内に、24年9月の139.565円を下抜く可能性があります。以下の水準はⓒ波ターゲットとして要注目です。

[138.517円]…ⓐ波とⓒ波が等しく下がる水準
[136.452円]…24年7月から9月までドル/円下落幅と、今年1月からのドル/円下落幅が等しい

【日足 エリオット波動分析】 
ドル/円は[146.922円] (9月からのドル/円上昇の61.8%押し水準)のサポート付近で下げ渋り、足元はリバウンドの動きがみられます。

IMM通貨先物市場では、投機筋による円買い持ちが過去最大に膨らんでいることから、円売り戻しによるドル/円上昇(リバウンド)も予想されます。




金利差からのドル/円推計値
足元、日米実質金利差からのドル/円推計値は[143.301円]です。

投機筋の円買い持ち高は5週連続増加(2025年3月11日時点)
IMM通貨先物市場における、投機筋(非商業部門)の円買い持ち高は、前週の112.8億ドルから113.2億ドルへ、5週連続で増加。過去最大の買い持ち高が続いています。


[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足 エリオット波動分析】 
110.176(1/13高値)からのドル安は、C波に位置付けられます。

109.881(2/3高値)からC-マルiii波によるドル安が進行中です。既に52週MAを大きく下回って推移しています。

足元、フィボナッチ・サポートレベル[103.984]付近で下げ渋ってはいますが、基調としてのドル安は今後も継続する見通しです。

22年9月~23年7月のA波において、ドル指数は10カ月で13.2%減価しました。C波も同様と仮定すると、今年11月頃にドル指数が[95.632]まで下げる可能性を指摘できます。

なおA波とC波が同幅下げるとすると[94.976]が得られます。


エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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