リクスバンクは打ち止め、BOEは見送り
2025/03/21 07:59
【ポイント】
・リクスバンクは据え置きを決定、利下げ打ち止めの意向を表明
・スウェーデンとノルウェーの政策金利差は早晩縮小へ
・BOEは据え置きを決定、慎重に利下げを続ける意向を表明
・ベイリー総裁は世界の通商政策に関わる不確実性の増大を指摘
リクスバンク(スウェーデン中銀)は20日の政策会合で現状維持を決定、政策金利を2.25%に据え置きました。
声明では、「世界的な動揺にもかかわらず、インフレと経済活動の見通しはほぼ想定通りに推移している」とし、「景気回復は始まっているが依然として軟調。インフレは今年2-3%のレンジとなり、その後に目標(2%)近辺まで鈍化する」と予想。「政策金利は2.25%に据え置かれるとともに、先行きはその水準にとどまる」との判断を示しました。さらに、政策金利が28年1-3月期まで2.25%で維持されることも明示されました(下の図&表)。


声明は、「状況を注視し、インフレや経済の見通しに応じて行動する」と締めくくられました。ただ、リクスバンク内のコンセンサスは「利下げは打ち止め」ということのようです。
NOK/SEKは堅調・・
リクスバンクが利下げを打ち止め、一方でノルゲバンク(ノルウェー中銀)が早晩利下げを開始するならば(※)、政策金利差は縮小方向であり、ノルウェークローネ/スウェーデンクローナ(NOK/SEK)に下落圧力が加わりそうです。ただ、リクスバンクの結果を受けて20日のNOK/SEKは堅調に推移しました。3月上旬に大きく下落した反動(下へ往って来い)が続いているのかもしれません。
※ノルゲバンクの政策会合は3月27日に開催予定

*******
BOE(英中銀)は20日のMPC(金融政策委員会)で現状維持を決定、政策金利を4.50%に据え置きました。票決は8対1で、最もハト派とされるディングラ委員が0.25%の利下げを支持。ハト派と目される他の3人の委員は据え置きを支持しました。
BOEは昨年7月以降、3カ月ごと(2会合に1回)に0.25%を実施しました。そのパターン通りなら次回5月のMPCで利下げが実施されます。ただ、市場では次回利下げとの見方はやや後退しているようです。
声明では、「ゆっくりと、かつ注意深く金融政策の抑制を解除する(=利下げをする)ことが適切である」として、利下げを継続する意向が示されました。
ただし、声明は、「前回のMPC以降、世界の通商政策に関する不確実性は強まった。米国は一連の関税を発表し、いくつかの国は対抗措置をとっている」と指摘。ベイリー総裁もインタビューで「政策当局は慎重に対応する必要がある」と強調しました。
MPCの前に発表された英国の1月週平均賃金(賞与を除く、3カ月平均)は前年比5.9%と高止まりしました。足もとで賃金やCPIがやや上振れしており、それもあって、BOEの決定はややタカ派寄りになったのかもしれません。

20日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場は次回5月のMPCでの0.25%利下げを66%の確率で織り込んでいます。1週間前の13日時点では80%でした。今後の状況次第では次回5月も据え置きとの見方が優勢になるかもしれません。
・リクスバンクは据え置きを決定、利下げ打ち止めの意向を表明
・スウェーデンとノルウェーの政策金利差は早晩縮小へ
・BOEは据え置きを決定、慎重に利下げを続ける意向を表明
・ベイリー総裁は世界の通商政策に関わる不確実性の増大を指摘
リクスバンク(スウェーデン中銀)は20日の政策会合で現状維持を決定、政策金利を2.25%に据え置きました。
声明では、「世界的な動揺にもかかわらず、インフレと経済活動の見通しはほぼ想定通りに推移している」とし、「景気回復は始まっているが依然として軟調。インフレは今年2-3%のレンジとなり、その後に目標(2%)近辺まで鈍化する」と予想。「政策金利は2.25%に据え置かれるとともに、先行きはその水準にとどまる」との判断を示しました。さらに、政策金利が28年1-3月期まで2.25%で維持されることも明示されました(下の図&表)。


声明は、「状況を注視し、インフレや経済の見通しに応じて行動する」と締めくくられました。ただ、リクスバンク内のコンセンサスは「利下げは打ち止め」ということのようです。
NOK/SEKは堅調・・
リクスバンクが利下げを打ち止め、一方でノルゲバンク(ノルウェー中銀)が早晩利下げを開始するならば(※)、政策金利差は縮小方向であり、ノルウェークローネ/スウェーデンクローナ(NOK/SEK)に下落圧力が加わりそうです。ただ、リクスバンクの結果を受けて20日のNOK/SEKは堅調に推移しました。3月上旬に大きく下落した反動(下へ往って来い)が続いているのかもしれません。
※ノルゲバンクの政策会合は3月27日に開催予定

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BOE(英中銀)は20日のMPC(金融政策委員会)で現状維持を決定、政策金利を4.50%に据え置きました。票決は8対1で、最もハト派とされるディングラ委員が0.25%の利下げを支持。ハト派と目される他の3人の委員は据え置きを支持しました。
BOEは昨年7月以降、3カ月ごと(2会合に1回)に0.25%を実施しました。そのパターン通りなら次回5月のMPCで利下げが実施されます。ただ、市場では次回利下げとの見方はやや後退しているようです。
声明では、「ゆっくりと、かつ注意深く金融政策の抑制を解除する(=利下げをする)ことが適切である」として、利下げを継続する意向が示されました。
ただし、声明は、「前回のMPC以降、世界の通商政策に関する不確実性は強まった。米国は一連の関税を発表し、いくつかの国は対抗措置をとっている」と指摘。ベイリー総裁もインタビューで「政策当局は慎重に対応する必要がある」と強調しました。
MPCの前に発表された英国の1月週平均賃金(賞与を除く、3カ月平均)は前年比5.9%と高止まりしました。足もとで賃金やCPIがやや上振れしており、それもあって、BOEの決定はややタカ派寄りになったのかもしれません。

20日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場は次回5月のMPCでの0.25%利下げを66%の確率で織り込んでいます。1週間前の13日時点では80%でした。今後の状況次第では次回5月も据え置きとの見方が優勢になるかもしれません。
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