トルコリラ急落の背景、一時3.466円に
2025/03/20 05:12
【ポイント】
・トルコリラが日本時間19日16時半過ぎに一時3.466円をつけた
・背景はエルドアン大統領の政治的ライバルが拘束されたこと
・市場では、最近の投資家寄り経済政策が逆行するとの懸念が台頭
・トルコの民間銀行が米ドル売りリラ買いで対応か
トルコリラ/円が19日に一時3.466円まで下落した背景は、エルドアン大統領の主要な政治的ライバルとみなされるイマモール・イスタンブール市長が拘束されたこと。市場では最近の投資家寄りの経済政策が逆行するのではないかとの懸念が広がりました。そのため、株安・債券安(金利高)・リラ安の「トリプル安」が示現。
以下では、Bloombergの20日配信記事「トルコ資産がメルトダウン、エルドアン大統領の政敵を当局が拘束」を基に状況を概観しておきます。
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自宅で拘束されたイマモール氏はイスタンブール市長として高い人気があったようです。昨年のイスタンブール市長選では、エルドアン氏が推す候補を破っており、今月23日には主要野党・共和人民党(CHP)の次期大統領候補に指名される方向だったとのこと。前日にはイマモール氏の大学の学位が取り消され、次期大統領選でエルドアン大統領に挑戦することができなくなる恐れが浮上していたようです。
トルコ当局は野党関係者に対する取り締まりを拡大、不正行為、収賄、犯罪組織運営などの容疑で拘束された人は100人を超えるとのこと。エルドアン大統領は、反対派に対する強権的な手法を強めているようです。
エルドアン大統領は憲法上の制限(2期10年)を超えて3期目を目指す考えはないと繰り返し表明してきました。しかし、与党内からは3期目も続けるべきとの声があるようです。次期大統領選は2028年に実施される予定。
市場の動揺を受けて、シムシェキ財務相は「これまでに導入を進めてきた経済政策は断固として継続する」と表明。また、中銀関係者によると、国内金融機関が80億-90億ドルの米ドルを売却してリラを買い支えたとのことです。
もっとも、過去の政治不安に鑑みれば、混乱が短期間で収束するかどうかは不透明との市場関係者の指摘もあります。
・トルコリラが日本時間19日16時半過ぎに一時3.466円をつけた
・背景はエルドアン大統領の政治的ライバルが拘束されたこと
・市場では、最近の投資家寄り経済政策が逆行するとの懸念が台頭
・トルコの民間銀行が米ドル売りリラ買いで対応か
トルコリラ/円が19日に一時3.466円まで下落した背景は、エルドアン大統領の主要な政治的ライバルとみなされるイマモール・イスタンブール市長が拘束されたこと。市場では最近の投資家寄りの経済政策が逆行するのではないかとの懸念が広がりました。そのため、株安・債券安(金利高)・リラ安の「トリプル安」が示現。
以下では、Bloombergの20日配信記事「トルコ資産がメルトダウン、エルドアン大統領の政敵を当局が拘束」を基に状況を概観しておきます。
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自宅で拘束されたイマモール氏はイスタンブール市長として高い人気があったようです。昨年のイスタンブール市長選では、エルドアン氏が推す候補を破っており、今月23日には主要野党・共和人民党(CHP)の次期大統領候補に指名される方向だったとのこと。前日にはイマモール氏の大学の学位が取り消され、次期大統領選でエルドアン大統領に挑戦することができなくなる恐れが浮上していたようです。
トルコ当局は野党関係者に対する取り締まりを拡大、不正行為、収賄、犯罪組織運営などの容疑で拘束された人は100人を超えるとのこと。エルドアン大統領は、反対派に対する強権的な手法を強めているようです。
エルドアン大統領は憲法上の制限(2期10年)を超えて3期目を目指す考えはないと繰り返し表明してきました。しかし、与党内からは3期目も続けるべきとの声があるようです。次期大統領選は2028年に実施される予定。
市場の動揺を受けて、シムシェキ財務相は「これまでに導入を進めてきた経済政策は断固として継続する」と表明。また、中銀関係者によると、国内金融機関が80億-90億ドルの米ドルを売却してリラを買い支えたとのことです。
もっとも、過去の政治不安に鑑みれば、混乱が短期間で収束するかどうかは不透明との市場関係者の指摘もあります。
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