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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※3月7日更新

2025/03/07 12:15

宮田レポート(短期アップデート)/250307_miyata.pdf

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 35,000~38,700円

[NYダウ・S&P500] 
【当面の想定レンジ】 (NYダウ) 38,000~44,000ドル
            (S&P500) 5000~6000
[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 18,000~20,200

[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 139.000~154.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 99.578~108.523



[日経平均]


【週足 エリオット波動分析】
2025年に日経平均は、インターミディエイト級第(5)波の上昇によって最高値を更新するでしょう。そのターゲットは[4万3000円-4万5000円]です※。

この第(5)波上昇を以て、コロナショック底以来5年間にわたる強気相場(プライマリー第➂波)は完成し(『黄金の3年間』完結)、その後はプライマリー第➃波による停滞局面に移るでしょう。

24年7月以来のインターミディエイト級第(4)波の調整は続いています。第(2)波が「ジグザグ」だったことから、オルタネーションに則り、第(4)波形状は「トライアングル」、「フラット」、などの保ち合い型になるでしょう。年初から(4)-C波による下落が進行中とみられ、3月中にも(24年8月底に次ぐ)二番底を付けるでしょう。この二番底は、第(5)波上昇トレンドの(事実上の)開始点になると思われます。

※2025年の日経平均予想レンジは[3万5000円-4万5000円]です。


[予想PER別の日経平均水準]
日経平均予想EPSは2478円(3/6)。過去最高は2564円(2/13)です。



【時間足 エリオット波動分析】
40,398円(12/27高値)からは、第(4)波「シンメトリカル・トライアングル」(A-B-C-D-E)における、C波の下落に当たります。このC波により日経平均は、24年8月底に次ぐ二番底を付ける、と見込まれます。

季節性からみると、決算期末の3月は軟調になりやすい上(いわゆる「彼岸底」の月です)、今年3月は「三日新甫」(月最初の取引日が3日から始まる)であり、波乱の展開を予感させます。

3月4日に一時36,816円まで下げ、反発の動きとなっています。フィボナッチ比率の節目[36,867円]が意識された格好です。これはサブミニュエット級の第iv波によるリバウンドでしょう。

この第iv波が終わると、次は第v波の下落に移り、それは[35,777円](B波の半値押し)、[34,686円](同61.8%押し)などを順次、打診することでしょう。



[NYダウ・S&P500] 

【日足 エリオット波動分析】 
NYダウは、22年10月安値(28,660ドル)以来の上昇(B)波を45,073ドル(12/4高値)で完成し、(C)波の下落局面に突入した可能性が高い、とみています。それは先々、22年10月以降で一度もなかった大きなスケールの調整に発展していくでしょう。

22年1月~10月の(A)波は22.4%下げました。(C)波はそれと同等か、あるいはより大きな下落スケールになると思われます。

今後数カ月内の下値ターゲットとして注目される水準は、24年4月安値(37,611ドル)です。これは[エンディング・ダイアゴナル]開始点の水準のことで、この時点におけるNYダウの高値からの下げ率は16.5%です。

短期的にも41,844ドル(1/13安値)を試すでしょう。この付近には200日MA(41,897ドル)も控えていることから、いったんは下げ渋るかもしれません。

主要指数のなかでNYダウ30は唯一、強気カウントを辛うじて残しています。しかし、それはもはや風前の灯です。

【S&P500日足 エリオット波動分析】 
3月6日のS&P500終値は5738と、24年米大統領選投票日前日(11月5日)の終値5782を下回りました。これにより、トランプ相場の上昇分はすべて消滅したことになります。

より注目すべきなのは、5773(1/13安値)を下回ったことです。この動きにより、5773を起点とする上昇トレンドのシナリオが否定され、一段と大きな調整に入った可能性が高まりました

3月6日安値は5711ですが、これは昨年11月4日安値[5696]に近似です。この辺りで下げ渋り、目先リバウンドはあるかもしれません。

もっとも、一時的なリバウンドがあってもダウントレンドは続き、最終的には22年10月以降で最大の調整になるでしょう

【時間足 エリオット波動分析】 
45,054ドル(1/31高値)からマルiii波による下落が進行中と思われます。
3月4日には一時42,347ドルまで下げ、1月14日-15日のマド埋め(42,544ドル)を完了し、昨年8月と今年1月安値同士を通るサポートラインから明確に下放れました。

日足分析で書きましたが、4万2000ドルのやや下のレベルの短期サポートレベルでは下げ渋りもありそうです。

なお [41,844ドル]を下回ると、昨年12月と今年1月の「ダブル・トップ」が確定し、下げ基調が一段と加速する可能性があります。

             
[ナスダック]

【ナスダック総合指数 週足 エリオット波動分析】
ナスダック100もナスダック総合指数(以下、ナスダック)も1月13日安値を下回り、両者の「未確認」(前者の最高値は24年12月ですが後者は今年2月)が確定しました。米主要ハイテク株は長期的な天井を付けた可能性が高い、とみています。

ナスダックは、22年12月安値(10,207)以来のプライマリー級第➄波を完了し、サイクル級の調整に入った可能性があります。この見方が正しければ、今後の調整規模は大きく、期間も長くなるでしょう。

2023年からのサポートライン(1万8000処)を、目先的にも試す局面となっています。いったんリバウンド入りか、一気に下放れの動きになるかを注目しましょう

基本観は弱気です。近い将来ナスダックは、24年8月安値[15,708](レッサーディグリー(4)波安値)を試す可能性が高いでしょう。




【時間足 エリオット波動分析】
20,110(2/18高値)を以て第5波による上昇は完了し─それは最高値に未達の『短縮された第5波(truncated fifth wave)』だったようです─本格的な調整に入った可能性があります。

3月4日には一時17,956まで下げましたが、これは24年8月からの上昇に対する半値押しにジャストであり、いったん下げ渋るかもしれません。

もっとも昨年8月22日高値(18,017)とオーバーラップしており、24年12月から第4波の調整という可能性は消えました。

遠からず節目の1万8000処を下抜くとみられ、その場合、次のサポートレベルは [17,426](24年8月からの上昇に対する61.8%押し)です。


[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】 
151.899円(22/10/21)からⓍ波「円高局面」が進行中です。このⓍ波により米ドル/円(ドル/円)は、2028年4月頃までレンジ相場を形成する、というのが基本シナリオ。24年7月の161.938円は、15年6月・125.860円から9年目に付けた「8年サイクル高値」とみられます。

22年10月以来のⓍ波が描くパターンとして大きくは、➀[ランニング・トライアングル]、➁[エクスパンディッド・フラット]、これら二通りの可能性があります。

➀の場合、現行C波はA波安値(127.158円)を下回りません。C波は三波で構成され、2011年からの上昇チャネルのセンターライン(➀)が強いサポートになるでしょう。
➀の水準は136.165円(3月)に位置します。

➁の場合は、現行C波(五波構成)はチャネル下限(➁)を目指すような、より大きなドル安・円高が見込まれます。➁の水準は116.540円(3月)です。

【週足 エリオット波動分析】 
161.938円(24/7/3)からはC波によるドル安・円高トレンドです。月足分析で記したB波[トライアングル]説によれば、C波は三波構成(ⓐ-ⓑ-ⓒ)になります。158.825円(1/10)から、ⓒ波によるドル安・円高が進行中とみられます。

ドル/円は今後数カ月内に、24年9月の139.565円を下抜くでしょう。その際は以下の水準がⓒ波ターゲットとして注目できます。

[138.517円]…ⓐ波とⓒ波が等しく下がる水準
[136.452円]…24年7月から9月までドル/円下落幅と、今年1月からのドル/円下落幅が等しい

【日足 エリオット波動分析】 
ドル/円は3月6日、一時147.299円まで下げました。
目先的にも、[146.922円] (9月からのドル/円上昇の61.8%戻り)を試す可能性があります。



金利差からのドル/円推計値
足元、日米実質金利差からのドル/円推計値は[144.607円]です。

投機筋の円買い持ち高は2016年10月以来の水準に(2025年2月25日時点)
IMM通貨先物市場で、投機筋(非商業部門)の円買い持ち高は、前週の50.7億ドルから79.6億ドルへ増えました。円買い持ち高水準は2016年10月4日(84.7億ドル)以来の水準です。



[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足 エリオット波動分析】 
110.176(1/13高値)からのドル安は、C波に位置付けられます。

109.881(2/3高値)からC-マルiii波によるドル安が進行中です。
今週はドル安が加速し─この波動位置に相応しく─5カ月ぶりに52週MAを下抜きました

3月6日には一時103.761までドル安が進み、B波-ⓒ波の61.8%押し[103.984]を達成しました。
いったん下げ一服となるか、あるいは、フィボナッチ比率のサポートを一気に下抜きドル安が強まるのか、目先の注目ポイントを迎えています。

22年9月~23年7月のA波において、ドルは10カ月で13.2%減価しました。このA波の期間と下落率は、C波を考える上で参考になります。ドル指数の1月高値からの下落率は5.5%であり、本格的なドル安はこれからと思われます

筆者はドル指数が今年中に、23年安値[99.578]を大きく下回る可能性をみています。


エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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