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米ドルが軟調、対円で4カ月半ぶり安値

2025/02/26 09:00

【ポイント】
・米国の長期金利が一段と低下するか
・原油安がさらに進めば、ノルウェークローネ/スウェーデンクローナは一段と下落も

(欧米市場レビュー)

25日、欧米時間の外為市場では米ドルが軟調に推移。米ドル/円は一時148.555円へと下落し、24年10月11日以来の安値を記録。ユーロ/米ドルは1.04558ドル、英ポンド/米ドルは1.26721ドルへと上昇しました。米国の2月コンファレンスボード消費者信頼感指数が98.3と市場予想の102.5を下回ったことや米長期金利(10年物国債利回り)の低下が、米ドルに対する下押し圧力となりました。

本日の『ファンダメ・ポイント』は、[米ドル/円は下落、日米金利差の新たなフェーズ!?]です。

カナダドルやメキシコペソも軟調。一時米ドル/カナダドルは1.43119カナダドルへと上昇し、カナダドル/円は103.934円、メキシコペソ/円は7.235円へと下落。カナダドル/円は24年9月18日以来、メキシコペソ/円は同10月1日以来の安値をつけました。トランプ米政権はカナダとメキシコからの輸入品に対して25%(カナダのエネルギー資源は10%)の関税を3月4日から課す計画です。トランプ政権による対カナダ関税や対メキシコ関税への懸念が、カナダドルやメキシコペソの重石となりました。

ノルウェークローネ/スウェーデンクローナ(ノックセック)は一時0.95240スウェーデンクローナへと下落し、24年8月5日以来の安値を記録。原油価格の下落がノルウェークローネにとってマイナスになったと考えられます。

(本日の相場見通し)

米国の長期金利(10年物国債利回り)は25日に一時4.28%へと低下し、24年12月中旬以来の低い水準をつけました。最近の米経済指標の軟調な結果によって米景気減速への懸念が市場で強まっており、このことが長期金利に対する下押し圧力となりました。

21日以降に発表された主な米経済指標の結果は以下の通り。( )は市場予想です。
<21日>
・2月S&Pグローバル製造業PMI(購買担当者景気指数)速報値:51.6(51.5)
・同サービス業PMI速報値:49.7(53.0)
・2月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値:64.7(67.8)
・1月中古住宅販売件数:年率換算408万件(413万件)

<25日>
・2月コンファレンスボード消費者信頼感指数:98.3(102.5)

本日は米国の1月新築販売件数が発表されます(日本時間24時)。市場予想は年率換算68.0万件と、前月の69.8万件から減少するとみられています。

新築住宅販売件数が市場予想を下回る結果になれば、米長期金利が一段と低下する可能性があります。米長期金利が一段と低下する場合には米ドルが軟調に推移し、米ドル/円には下落圧力が加わり、一方でユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルには上昇圧力が加わりそう。英ポンド/米ドルの上値メドとして、200日移動平均線(26日時点で1.27856ドルに位置)が挙げられます。

***

原油価格が下落しています。原油価格の代表的な指標であるWTI原油先物の4月物は25日、前日比1.77ドル安(-2.50%)の1バレル=68.93ドルで取引を終了。一時は68.68ドルへと下落し、中心限月としては24年12月23日以来およそ2カ月ぶりの安値をつけました。米景気が減速して原油の需要が減少するとの懸念や、OPEC(石油輸出国機構)加盟国の一部からの原油供給が増加するとの観測が、原油価格の下押し圧力となったようです。

原油安は資源国通貨であるノルウェークローネにとってマイナスです。原油価格が一段と下落する場合、ノックセックは引き続き下値を試す展開になる可能性があります。

※ノックセックのテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[ノックセック、昨年8月以来の安値を示現!もう一段の下値追いとなるか]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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