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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※2月7日更新

2025/02/07 11:03

宮田レポート短期/250207_miyata.pdf


(おしらせ)
2月11日(火)は休日(建国記念の日)のため、本レポートは休載致します。
本レポート次回更新は2月12日(水)を予定しています(宮田)。

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 35,000~42,000円

[NYダウ・S&P500] 
【当面の想定レンジ】(NYダウ) 38,000~45,000ドル
          (S&P500) 5000~6200
[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 18,000~20,200

[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 139.000~154.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 99.578~109.881


[日経平均]


【週足 エリオット波動分析】
2025年に日経平均は、インターミディエイト級第(5)波の上昇によって最高値を更新するでしょう。そのターゲットは[4万3000円-4万5000円]です※。

この第(5)波上昇を以て、コロナショック底以来5年間にわたる強気相場(プライマリー第➂波)は完成し(『黄金の3年間』完結)、その後はプライマリー第➃波による停滞局面に移るでしょう。

なお24年7月以来のインターミディエイト級第(4)波の調整は続いているとみられます。
この見方によると、第(5)波上昇が始まる前に、日経平均は(4)-C波によって大きく下押すことになります。

※2025年の日経平均予想レンジは[3万5000円-4万5000円]です。


[予想PER別の日経平均水準]

2月6日の日経平均予想EPSは2530円。24年10月5日の2514円を上回り、過去最高水準となりました

【時間足 エリオット波動分析】
40,398円(12/27高値)から第(4)波中C波による下落局面が進行中とみられます。C波は24年8月以来約5カ月にわたる上昇ウェッジから下放れ後、24年8月底に次ぐ二番底を付けにいく波です。

第(4)波は「シンメトリカル・トライアングル」を形成中とみていますが、それによると40,398円(12/27高値)からの下落は(4)-C波(ⓐ-ⓑ-ⓒ)に当たります。

さらに39,681円(1/24高値)からの下落はⓒ-(ⅲ)波とカウントでき、それは短期的にも38,055円(1/17安値)を下抜く可能性があります。

日経平均は当面24年10月からのレンジ相場下限(37,650~37,800円)を試し、今月から来月には、24年9月安値の35,247円を一時的にも下回る可能性があります。


[NYダウ・S&P500] 

【日足 エリオット波動分析】 
NYダウは、22年10月安値(28,660ドル)以来の上昇(B)波を45,073ドル(12/4高値)で完成し、(C)波の下落局面に突入した可能性が高い、とみています。それは先々、22年10月以降で一度もなかった大きなスケールの調整に発展していくでしょう。

22年1月~10月の(A)波は22.4%下げました。(C)波はそれと同等か、あるいはより大きな下落スケールになると思われます。

今後数カ月内の下値ターゲットとして注目される水準は、24年4月安値(37,611ドル)です。これは[エンディング・ダイアゴナル]開始点の水準のことで、この時点におけるNYダウの高値からの下げ率は16.5%です。

一方、上昇継続の場合は、41,844ドル(1/13安値)からを第(ⅴ)波による上昇とカウントします。

【S&P500日足 エリオット波動分析】 
1月24日のS&P500の最高値(6128.18)は、NYダウによっては確認されていません(NYダウの最高値は昨年12月4日)。これら二つの指数間の未確認は、これらが重要な高値を付けた可能性を示しています。

S&P500はフラット(Ⓐ-Ⓑ-Ⓒ)による第ii波(サブミニュエット級)を足元で終えたか、終えつつあります。そうであれば目先的にも第iii波による下落が始まり、早々に5923(2/3安値)を下抜き、さらに5773(1/13安値)への下値試しとなるでしょう

ただしこの波動カウントは6128.18を抜くと否定され、5923(2/3安値)からを第(ⅴ)波中第ⅲ波の上昇とカウントし直します。この場合、S&Pは[6145-6161]を試す可能性があります。

[6145]…22年1月~10月の下げ幅に対し倍返し水準のこと
[6161]…1929年天井からの長期レジスタンスライン

【時間足 エリオット波動分析】 
45,054ドル(1/31高値)を以てマルii波は終了し─45,073ドル(12/4高値)とダブル・トップ形成─そこからはマルiii波による下落が始まった可能性があります。

43,879ドル(2/3安値)からのマルiii波中第ii波によるリバウンドは、44,966ドル(2/6高値)で終わったか、終わりつつあるとみられます。そうであれば、まもなく第iii波による下落が始まるでしょう。第iii波の下げ幅は、第i波の下げ幅(1175ドル)を大きく上回ることが想定されます。

上記見通しに代わるオルタナティブ・カウントは、41,844ドル(1/13安値)からを第(v)波による上昇とみなし、1月からの下落は(v)波-ii波に当たる、というものです。この場合、次は第(v)波-iii波の上昇により、最高値を更新する展開が想定されます。
 
           
[ナスダック]

【週足 エリオット波動分析】
22年12月安値(10,207)以来の上昇は、プライマリー級の第➄波とみられます。

この波動カウントによれば、第➄波は五波構成((1)~(5))です。24年8月安値15,708からの第➄-(5)波による上昇が完了すると、長期上昇トレンドが終了します。

実際、ナスダックは長期的な天井を付けた可能性があります。

SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)は24年7月に頭打ちとなり、足元は「上昇ウェッジ」(弱気パターン)下辺からの下放れ局面に入っています。今後は一段と下落基調を強める可能性があるとみられますが、そうであれば遠からずSOX指数は24年8月安値を下回るでしょう

ナスダックはサイクル級の調整に入った可能性があります。もしもサイクル級の調整に入ったのであれば、その調整規模は大きく、期間的にも長くなることが想定されます。



【時間足 エリオット波動分析】
18,831(1/13安値)からの第(5)波の第5波は、20,118(1/24高値)を以て終わった可能性があります。
第5波高値は、第3波高値(20,204)に及びませんが、これは「truncated fifth wave(短縮した5波)」だった、とみるのが適当でしょう。

足元ナスダックは第(ii)波「フラット」によるリバウンドをほぼ終了。第(iii)波の下落が目先的にも始まる可能性があります。この第(iii)波は18,831(1/13安値)を早々に下抜く動きとなりましょう

ただし18,831を維持する限り、ナスダックの第5波上昇が続いている可能性は残されます。


[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】 
151.899円(22/10/21)からⓍ波「円高局面」が進行中です。このⓍ波により米ドル/円(ドル/円)は、2028年4月頃までレンジ相場を形成する、というのが基本シナリオ。なお24年7月の161.938円は、15年6月・125.860円から9年目に付けた「8年サイクル高値」とみられます。

22年10月以来のⓍ波が描くパターンとして大きくは、➀[ランニング・トライアングル]、➁[エクスパンディッド・フラット]、これら二通りの可能性があります。

➀の場合、現行C波はA波安値(127.158円)を下回りません。C波は三波で構成され、2011年からの上昇チャネルのセンターライン(➀)が強いサポートになるでしょう。
➀の水準は135.910円(2月)に位置します。

➁の場合は、現行C波(五波構成)はチャネル下限(➁)を目指すような、より大きなドル安・円高が見込まれます。➁の水準は116.280円(2月)です。

【週足 エリオット波動分析】 
161.938円(7/3)からはC波によるドル安・円高トレンドです。月足分析で記したB波[トライアングル]仮説によれば、C波は三波構成(ⓐ-ⓑ-ⓒ)になります。

158.825円(1/10)からⓒ波によるドル安・円高が進行中、とみられます。
そうであればドル/円は、おそらく今後数カ月内に、24年9月の139.565円を下抜くことが予想されます。その際は以下がⓒ波ターゲットとして注目できます。

[138.517円]…ⓐ波とⓒ波が等しく下がる水準
[136.452円]…24年7月から9月までドル/円下落幅と、今年1月からのドル/円下落幅が等しい

【日足 エリオット波動分析】 
2月5日にドル/円チャートは一目均衡表(示さず)の雲(支持帯)から明確に下放れを開始しました。併せて「三役陰転」というドル/円売りシグナルが点灯しました。それに加え、チャートは200日MAを明確に下抜いています。それらは、158.825円(1/10)からⓒ波によるドル安・円高が始まった、という見方を裏付けるものです。

目先、ドル/円は150円大台の攻防となりそうです。150円を下回ると、次は[149.195円-146.922円]への下値模索となりましょう。このレンジは、9月からのドル/円上昇に対する50%-61.8%戻りに当たります。

金利差からのドル/円推計値
日本国債10年物(JGB10年)は一時1.295%へ上昇しました(2/5)。それは1.515%-1.615%へさらに上昇する可能性があり、今後も日米金利差の縮小が想定されます

足元、日米実質金利差からのドル/円推計値は[147.497円]です。

投機筋の円売り持ち高が2週連続で減少(2025年1月28日時点)
IMM通貨先物市場で、投機筋(非商業部門)による円売り持ち高は2週連続で減少。前週の11.8億ドルから0.77億ドルとなり、持ち高ニュートラルに近づいています。



[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足 エリオット波動分析】 
110.176(1/13高値)を以て24年9月からのB波-ⓒ波は終わり、C波によるドル安トレンドが始まった可能性が高い、とみられます。

109.881(2/3高値)からは、マルiii波によるドル安が始まったとみられますが─1月高値とダブル・トップを形成─そうであればドル指数は短期的にも106.969(1/27安値)を下回る展開となりそうです。

22年9月~23年7月のA波において、ドルは10カ月で13.2%減価しました。このA波の期間と下落率は、C波を考える上で参考になるでしょう。

筆者はドル指数が今年中に、23年安値[99.578]を大きく下回る可能性をみています。



エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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