ECB利下げ、25年中にあと3回利下げ!?
2025/01/31 08:23
【ポイント】
・ECBは0.25%利下げ決定。市場は年内あと3回の利下げを予想
・ラガルド総裁は否定したものの、一部で打ち止めの接近を意識?
・米GDPはユーロ高要因、トランプ関税はユーロ安要因に
ECBは30日の理事会で0.25%の利下げを決定。追加利下げにも含みがありました。ただ、ユーロ/米ドルは理事会の決定やラガルド総裁の会見を受けて上昇。利下げが一部で予想された大幅なものでなかったこと、ラガルド総裁は否定したものの利下げ打ち止めの接近が意識されたこと、さらにはその間に発表された米GDPが(表面上は)弱めだったことなどが背景です。

もっとも、その後はトランプ大統領がカナダやメキシコへの関税発動を発表したことで、米ドルがカナダドルやメキシコペソに対して上昇。ユーロ/米ドルもそれに引っ張られる格好で軟化しました。
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ECB理事会は30日、4会合連続で利下げを決定(6月の利下げ開始から5回目)。中銀預金金利を3.00%から2.75%に引き下げました。
声明では、「インフレ鈍化のプロセスは軌道に乗っている。概ね、スタッフの予測通りに進展しており、今年のうちにECBの中期目標である2%に回帰する見込みだ。基調的なインフレの指標は目標が持続的に達成されると示唆している」とあります。前回12月には「概ね・・・見込みだ」の一文はなかったので、今回は「今年のうちに」と自信を深めた格好です。
フォワードガイダンスは「会合ごとにデータを分析して適切な金融政策を決定する」「特定の政策金利の軌道にコミットしているわけではない」とあり、前回と同様でした。
ラガルド総裁は会見で、「向かっている方向は明らか」と述べ、今回の決定は全会一致だったと明かしました。また、「製造業が縮小を続ける一方で、サービス業は拡大している。ただ、消費者信頼感は脆弱であり、実質所得は増加しているものの消費を大幅に増やす状況にはないようだ」と説明しました。
ラガルド総裁は、「われわれは中立金利に達していない。利下げをどこで止めるかの議論は全く時期尚早だ」とも述べました。
もっとも、匿名の関係者によると、次回3月5-6日の理事会で「政策金利は抑制的」との表現を修正する方向とのこと。3月に0.25%利下げして政策金利が2.50%になれば、ラガルド総裁が1.75%-2.25%とする中立水準の上限に接近します。そうなれば、もはや「抑制的」ではないとの判断になるのでしょう。
ラガルド総裁はまた、(トランプ大統領が仕掛ける?)貿易摩擦によって世界経済の見通しに対するリスクは下方向だとする一方で、インフレ見通しは不確実になるとして、政策判断の難しさを指摘しました。
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30日のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、次回3月の理事会での0.25%利下げが確実視されています。4月の利下げは8割近く、年内さらにもう1回の利下げもフルに織り込まれています。
・ECBは0.25%利下げ決定。市場は年内あと3回の利下げを予想
・ラガルド総裁は否定したものの、一部で打ち止めの接近を意識?
・米GDPはユーロ高要因、トランプ関税はユーロ安要因に
ECBは30日の理事会で0.25%の利下げを決定。追加利下げにも含みがありました。ただ、ユーロ/米ドルは理事会の決定やラガルド総裁の会見を受けて上昇。利下げが一部で予想された大幅なものでなかったこと、ラガルド総裁は否定したものの利下げ打ち止めの接近が意識されたこと、さらにはその間に発表された米GDPが(表面上は)弱めだったことなどが背景です。

もっとも、その後はトランプ大統領がカナダやメキシコへの関税発動を発表したことで、米ドルがカナダドルやメキシコペソに対して上昇。ユーロ/米ドルもそれに引っ張られる格好で軟化しました。
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ECB理事会は30日、4会合連続で利下げを決定(6月の利下げ開始から5回目)。中銀預金金利を3.00%から2.75%に引き下げました。
声明では、「インフレ鈍化のプロセスは軌道に乗っている。概ね、スタッフの予測通りに進展しており、今年のうちにECBの中期目標である2%に回帰する見込みだ。基調的なインフレの指標は目標が持続的に達成されると示唆している」とあります。前回12月には「概ね・・・見込みだ」の一文はなかったので、今回は「今年のうちに」と自信を深めた格好です。
フォワードガイダンスは「会合ごとにデータを分析して適切な金融政策を決定する」「特定の政策金利の軌道にコミットしているわけではない」とあり、前回と同様でした。
ラガルド総裁は会見で、「向かっている方向は明らか」と述べ、今回の決定は全会一致だったと明かしました。また、「製造業が縮小を続ける一方で、サービス業は拡大している。ただ、消費者信頼感は脆弱であり、実質所得は増加しているものの消費を大幅に増やす状況にはないようだ」と説明しました。
ラガルド総裁は、「われわれは中立金利に達していない。利下げをどこで止めるかの議論は全く時期尚早だ」とも述べました。
もっとも、匿名の関係者によると、次回3月5-6日の理事会で「政策金利は抑制的」との表現を修正する方向とのこと。3月に0.25%利下げして政策金利が2.50%になれば、ラガルド総裁が1.75%-2.25%とする中立水準の上限に接近します。そうなれば、もはや「抑制的」ではないとの判断になるのでしょう。
ラガルド総裁はまた、(トランプ大統領が仕掛ける?)貿易摩擦によって世界経済の見通しに対するリスクは下方向だとする一方で、インフレ見通しは不確実になるとして、政策判断の難しさを指摘しました。
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30日のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、次回3月の理事会での0.25%利下げが確実視されています。4月の利下げは8割近く、年内さらにもう1回の利下げもフルに織り込まれています。

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