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米CPI、ラスト1マイルが遠い!?

2024/12/12 07:43

【ポイント】
・11月米CPIは総合、コアとも市場予想通りながら改善に遅れ!?
・17-18日のFOMCでの0.25%利下げを市場は確実視
・25年の利下げ観測はやや後退し、米長期金利と米ドル/円の上昇要因

米国の11月CPI(消費者物価指数)は総合、食料・エネルギーを除くコアとも市場予想通りでした。ただ、CPIコアは6月以降6カ月連続で前年比3.2~3.3%で推移しており、22年半ば以降の伸びの鈍化傾向に歯止めがかかったようにもみえます。やはり、(2%目標の達成までの)「最後の1マイル」が遠いのでしょう。

CPIが市場予想通りだったことで、17-18日のFOMCでの利下げ観測が高まりました。OIS(翌日物金利スワップ)が織り込む0.25%利下げの確率は前日の85%からCPI発表後は97%に上昇。

一方で、仮に17-18日の利下げを前提とすれば、25年1-10月の7回のFOMCで市場が織り込む利下げ回数は(1回0.25%として)2.2回と、6日雇用統計後の2.4回からやや後退しています。FRBが2%の物価目標を達成するとの市場の見方がやや揺らいだのかもしれません。

OIS FRB

18日に公表されるドット・プロット(FOMC参加者各個人の政策金利見通し)がどのような政策金利の軌道を示すのか、大いに注目されます。

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11月CPIは、総合が前年比2.7%と、前月(2.6%)から加速。エネルギーと食料を除くコアは前年比3.3%と、3カ月連続で同じ。いずれも市場予想通りでした。CPIコアは22年9月の6.6%をピークに今年7月の3.2%まで順調に鈍化してきましたが、その後はやや強含んでいます。インフレの鈍化傾向に歯止めがかかったようにみえます。

米CPI

米CPI スピード

雇用コストを強く反映するとして、FRBが注目するコアサービス(住居費を除く)は11月に前年比4.3%と、前月(4.6%)から伸びが鈍化。ただし、同指標は4%台のやや高い水準での推移が続いています。

CPIコアサービス 住居費除く
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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