米PCEデフレーターは上振れ、個人消費は底堅く
2024/11/28 08:04
【ポイント】
・PCEデフレーターは強めながら、12月は利下げ?
・10‐12月期も個人消費に支えられて3%近い経済成長か
・米長期金利は低下、米ドル/円の下落要因に
米PCEデフレーターはやや上振れし、また、個人所得や消費はやや強めで、景気の堅調が続いていることを示唆しました。いずれも、FRBの「利下げを急がない」スタンスを裏付けました。ただ、27日のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場は12月17-18日のFOMCで利下げを決定する可能性がやや高い(6割強)とみているようです。
米長期金利(10年物国債利回り)は小幅に低下しました。ベッセント氏の財務長官指名を受けて、インフレ高進や財政赤字拡大の懸念がやや後退した地合いが続きました。7年物国債の入札が好調だったことも地合いの良さを示しました。米長期金利の低下もあって、米ドル/円は一時150円台半ばまで下落しました。
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米国の10月PCE(個人消費支出)デフレーターは、総合が前年比2.3%、食料とエネルギーを除くコアは同2.8%と、いずれも市場予想と同じでしたが、前月(それぞれ2.1%、2.7%)から伸びが加速しました。労働コストを反映しやすいとしてFRBが注視しているPCEコアサービス(住居費を除く)は、10月に前年比3.5%と、今年4月以来の高い伸びとなりました。


10月の個人所得は前月比0.6%、個人消費(※)は同0.4%と堅調でした。実質個人消費は前月比0.1%と小幅の伸びにとどまりました。ただし、9月が同0.5%と強かったため、11-12月の実質個人消費が10月から横ばい(=伸び率ゼロ)でも、10-12月期の実質個人消費は前期比年率1.9%となります(この1.9%をゲタと呼びます)。これにより同期のGDPはおよそ1.4%分押し上げられる計算です(この1.4%を寄与度と呼びます)。
※個人消費支出=PCEのこと。PCEを名目⇒実質に変換するのがPCEデフレーター

なお、アトランタ連銀のGDPNow(短期予測モデル)は27日時点で、10-12月期の実質GDPを前期比年率2.7%と予測しています。同期の個人消費は同3.0%、GDP寄与度は2.0%との予測です。
・PCEデフレーターは強めながら、12月は利下げ?
・10‐12月期も個人消費に支えられて3%近い経済成長か
・米長期金利は低下、米ドル/円の下落要因に
米PCEデフレーターはやや上振れし、また、個人所得や消費はやや強めで、景気の堅調が続いていることを示唆しました。いずれも、FRBの「利下げを急がない」スタンスを裏付けました。ただ、27日のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場は12月17-18日のFOMCで利下げを決定する可能性がやや高い(6割強)とみているようです。
米長期金利(10年物国債利回り)は小幅に低下しました。ベッセント氏の財務長官指名を受けて、インフレ高進や財政赤字拡大の懸念がやや後退した地合いが続きました。7年物国債の入札が好調だったことも地合いの良さを示しました。米長期金利の低下もあって、米ドル/円は一時150円台半ばまで下落しました。
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米国の10月PCE(個人消費支出)デフレーターは、総合が前年比2.3%、食料とエネルギーを除くコアは同2.8%と、いずれも市場予想と同じでしたが、前月(それぞれ2.1%、2.7%)から伸びが加速しました。労働コストを反映しやすいとしてFRBが注視しているPCEコアサービス(住居費を除く)は、10月に前年比3.5%と、今年4月以来の高い伸びとなりました。


10月の個人所得は前月比0.6%、個人消費(※)は同0.4%と堅調でした。実質個人消費は前月比0.1%と小幅の伸びにとどまりました。ただし、9月が同0.5%と強かったため、11-12月の実質個人消費が10月から横ばい(=伸び率ゼロ)でも、10-12月期の実質個人消費は前期比年率1.9%となります(この1.9%をゲタと呼びます)。これにより同期のGDPはおよそ1.4%分押し上げられる計算です(この1.4%を寄与度と呼びます)。
※個人消費支出=PCEのこと。PCEを名目⇒実質に変換するのがPCEデフレーター

なお、アトランタ連銀のGDPNow(短期予測モデル)は27日時点で、10-12月期の実質GDPを前期比年率2.7%と予測しています。同期の個人消費は同3.0%、GDP寄与度は2.0%との予測です。
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