米小売売上高とカナダCPIに注目!
2024/09/17 08:22
【ポイント】
・小売売上高でFRBの0.50%利下げ観測が強まるか否か
・CPIで市場のBOC利下げ観測が変化するか
(欧米市場レビュー)
16日、欧米時間の外為市場では、米ドルが軟調に推移。米ドル/円は一時139.565円へと下落して23年7月以来、1年2カ月ぶりの安値を記録。ユーロ/米ドルは1.11987ドル、英ポンド/米ドルは1.32638ドル、豪ドル/米ドルは0.68182米ドルへと上昇しました。17-18日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.50%の利下げが行われるとの観測が市場で強まっており、そのことが米ドルに対する下押し圧力となりました。
米ドル/円はその後、140円台後半へと反発しました。米国の9月NY連銀製造業景気指数がプラス11.5と、市場予想のマイナス4.0を上回ったことが、米ドル/円の反発要因になったと考えられます。
(本日の相場見通し)
本日は、米国の8月小売売上高が発表されます(日本時間21:30)。この結果に市場が反応しそうです。
小売売上高の市場予想は前月比マイナス0.2%、自動車を除く小売売上高は同プラス0.2%です。市場予想と比べて弱い結果になれば、17-18日のFOMCでの0.50%の利下げ観測が強まりそうです。その場合には米ドルが軟調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは下値を試し、一方でユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは上値を試す展開になると考えられます。
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カナダの8月CPI(消費者物価指数)が本日発表されます(日本時間21:30)。この結果にカナダドルが反応しそうです。
CPIの市場予想は総合指数が前年比2.1%と、上昇率は7月の2.5%から鈍化して、BOC(カナダ中銀)のインフレ目標である2.0%に接近するとみられています。BOCはコアインフレ指標としてCPIトリム平均値とCPI加重中央値を注視しており、これらの結果にも注目です。市場予想はトリム平均値が前年比2.5%、加重中央値が同2.2%と、上昇率はいずれも7月(2.7%と2.4%)から鈍化するとみられています。
BOCは6月・7月・9月の3会合連続で0.25%の利下げを実施しました。市場では、次回10月23日の会合でも利下げが行われると予想されています。本日のCPIが市場予想を下回る結果になれば、10月会合での利下げ観測が補強されるとともに、利下げ幅はこれまでよりも大幅な0.50%になるとの観測が強まる可能性があります。その場合、カナダドル安圧力が加わりそうです。
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