「円ショート」は今年初めの水準近くまで縮小
2024/08/08 07:44
【ポイント】
・CFTCのネット「円ショート」は7月初めの高水準から大幅に縮小
・ただし、CFTCのポジションは円キャリーの一部を反映するのみ
・日米金利差の縮小(期待)が円キャリーの巻き戻しを促すのか
・それとも、日米金利差の存在自体が円キャリーを継続・増加させるのか
米CFTC(商品先物取引委員会)のデータによれば、ヘッジファンドなどの「非商業部門」における円のネット先物ポジションは、最新の7月30日時点で7万3,460枚のショート(売り越し)でした。同ポジションは7月2日時点に直近最大で18万4,223枚のショート、リーマン・ショック前の07年6月以来の水準に達していました。7月30日の米ドル/円は152.77円(Bloomberg終値)だったので、そこからさらに「円ショート」の巻き戻しが起こった可能性が高く、今年初めの5.5万~7.0万枚の水準に達している可能性がありそうです(9日発表の8月6日時点のポジションに注目)。今年初めの米ドル/円相場は141円程度でした。

もっとも、CFTCのデータは、低金利の円資金を調達して高金利の外貨(外貨建て資産)に投資する、いわゆる円キャリートレードの一部を反映しているに過ぎないようです。米ドル/円相場とも緩く相関しているに過ぎません。巨額の円キャリートレードとその巻き戻しが為替相場を大きく変動させた97-98年のロシア・LTCM危機の際にも「円ショート」のポジションはさほど増えたようには見えません。先物市場が発達・拡大していることを考慮すれば、その水準を過去と比較するのに大きな意味はないかもしれません。

結局のところ、日米政策金利の縮小(予想)が円キャリートレードの巻き戻しを促すのか。それとも日米政策金利差の存在自体が、程度の差はあっても(収益期待の低下はあっても)円キャリートレードを継続・増加させるのか、今後も要注目でしょう。
・CFTCのネット「円ショート」は7月初めの高水準から大幅に縮小
・ただし、CFTCのポジションは円キャリーの一部を反映するのみ
・日米金利差の縮小(期待)が円キャリーの巻き戻しを促すのか
・それとも、日米金利差の存在自体が円キャリーを継続・増加させるのか
米CFTC(商品先物取引委員会)のデータによれば、ヘッジファンドなどの「非商業部門」における円のネット先物ポジションは、最新の7月30日時点で7万3,460枚のショート(売り越し)でした。同ポジションは7月2日時点に直近最大で18万4,223枚のショート、リーマン・ショック前の07年6月以来の水準に達していました。7月30日の米ドル/円は152.77円(Bloomberg終値)だったので、そこからさらに「円ショート」の巻き戻しが起こった可能性が高く、今年初めの5.5万~7.0万枚の水準に達している可能性がありそうです(9日発表の8月6日時点のポジションに注目)。今年初めの米ドル/円相場は141円程度でした。

もっとも、CFTCのデータは、低金利の円資金を調達して高金利の外貨(外貨建て資産)に投資する、いわゆる円キャリートレードの一部を反映しているに過ぎないようです。米ドル/円相場とも緩く相関しているに過ぎません。巨額の円キャリートレードとその巻き戻しが為替相場を大きく変動させた97-98年のロシア・LTCM危機の際にも「円ショート」のポジションはさほど増えたようには見えません。先物市場が発達・拡大していることを考慮すれば、その水準を過去と比較するのに大きな意味はないかもしれません。

結局のところ、日米政策金利の縮小(予想)が円キャリートレードの巻き戻しを促すのか。それとも日米政策金利差の存在自体が、程度の差はあっても(収益期待の低下はあっても)円キャリートレードを継続・増加させるのか、今後も要注目でしょう。
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