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【株価指数】バイデン氏撤退の影響、金融政策見通しの変化

2024/07/22 07:20

【ポイント】
・「トランプ政権」誕生の確率を市場はどうみるか
・GDPやPCEデフレーターで米利下げ観測は高まるか
・G20財務相・中央銀行総裁会議での要人発言にも注意?

先週(7/15- )のレビュー

株価指数は総じて週末にかけて軟化。世界的なシステム障害が株価の下落要因となりました。

日経平均は本邦当局の為替介入があったとみられる7月11日をピークに下落基調。19日には月初以来となる4万円割れを一時示現。米ドル/円が11日の161円台半ばから18日には一時155円台半ばまで下落し、「円高」が弱気材料になりました。

15-18日に米共和党の全国大会が開催され、トランプ氏が正式に党指名を獲得。NYダウS&P500は一時最高値を更新しましたが、週末にかけて下落。ナスダック100は10日をピークに先週は下落基調でした。米国が中国に対して半導体規制を強化するとの懸念が株価の重石になりました。また、米大手IT企業の決算が翌週に控えていたことで、投資家は様子見姿勢となったようです。

欧州株は5営業日連続で下落。19日にはシステム障害の影響で、株取引はあったものの、FTSE100の表示が4時間停止されました。FTSE100は5月15日にピークを付けた後、6月以降は揉み合いが続いています。


今週(7/22- )の相場材料

まずは、バイデン大統領の選挙戦撤退を市場がどう評価するか。「トランプ政権」誕生の可能性が高まるとみるのか、それともその逆か。ハリス副大統領が出馬するようですが、8月の民主党全国大会で正式に指名が決まるまで、様々な思惑が交錯するかもしれません。

日銀、FRB、BOE(英中銀)の政策会合を来週に控えて、金融政策見通しの変化が株価指数に影響しそうです。FRB(31日)は据え置き予想が支配的で、有力視される9月利下げに向けた地ならしが行われるか。日銀(31日)は利上げ、BOE(8月1日)は利下げがそれぞれ5割前後の確率で予想されています。それらが変化するか否か。

25日発表の米4-6月期GDPは市場予想が前期比年率1.9%と、前期の1.4%から加速が見込まれています。アトランタ連銀のGDPNow(短期予測モデル)はさらに堅調な2.7%を予測。経済成長率とともにデフレーター(インフレ率)も注目です。GDPの翌日には7月個人所得・消費が発表されます。とりわけ、PCE(個人消費支出)デフレーターは来週のFOMC前の重要なインフレ指標。FRBの9月利下げの観測を高めることになるでしょうか。

25-26日には、リオデジャネイロでG20財務相・中央銀行総裁会議が開催されます。各国の金融政策・財政政策や、為替相場に関する参加者の発言が相場材料になるかもしれません。

今週は決算発表が相次ぎます。23日のアルファベット(グーグル親会社)やテスラ、24日のIBMなど大型ハイテク企業の決算が注目されます。4-6月期の結果もさることながら、米国の景気減速が想定される7-9月期以降の業績見通しがどうなるかが重要でしょう。

26日にはパリ五輪2024が開幕(競技開始は24日)、8月11日まで熱い戦いが繰り広げられます。日本の金メダルは東京2020で27個、リオデジャネイロ2016で12個。果たして今回は?
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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