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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※5月7日更新

2024/05/07 12:04

宮田レポートPDF

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 35,000~39,400円

[NYダウ] 
【当面の想定レンジ】 36,000~39,000ドル

[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 14,500~16,500

[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 137.000~161.350円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 99.578~108.350


[日経平均]

【週足・エリオット波動分析】
24,681円(22/3/9安値)以来、➂-(3)波による上昇トレンドが進行中とみられます。この「サード・オブ・サード」による大ラリーが終わるのは、おそらく2025年以降のことでしょう。

41,087円(3/22高値)からの調整局面は、(3)-4波とカウントされます。

(3)-2波は、およそ半年間の[フラット]でした。3月高値からの (3)-4波は、[オルタネーション(交互)]により、 [ジグザグ]か[トライアングル]を形成すると思われます。

日経平均は今後3万5000円~3万4000円まで下押す可能性がありますが、そんな下げを以て(3)-4波は終わり、(3)-5波の上昇が始まるとみています。

日経平均が最終的に底打ちするのは(現行4年サイクルが終わるのは)今年11月までのどこかの時点、特に6月頃を注目しています。
4年サイクル(48カ月)の伸びしろ(オーブ)は8カ月(48カ月の六分の一)です。20年3月から4年8カ月が経過する時点は今年11月です。

【日経平均 日足・エリオット波動分析】
41,087円(3/22高値)から第4波による調整が進行中です。
36,733円(4/19安値)でいったん底入れし(100日MAにサポートされた格好です)、そこからは第4波の途中におけるリバウンド局面が進行中です。
昨年6月から10月までの停滞期においても、8月下旬に100日MAがサポートとして意識され(チャートに↑で示した時点)、日経平均は9月下旬までリバウンドしたことがあります。

いよいよここから5月中旬まで決算発表がピークを迎えますが、そんな中では「指数より個別銘柄物色」という流れが増々強くなり、指数自体の方向感は出づらいでしょう。

もっとも決算シーズン後の材料難のなか、日経平均は改めて調整色を強めるとみられます。
今年は『セル・イン・メイ』の可能性に要注意でしょう。

【日経平均 時間足・エリオット波動分析】
日経平均は36,733円(4/19安値)から、X波によるリバウンドとみています。
38,608円(4/30高値)までにⓐ-ⓑ-ⓒ編成が現れていますが、まだリバウンド終了の確証はありません。引き続きリバウンドが続き、[38,910円-39,424円](同50%戻り-61.8%戻り)を打診する可能性があります。

もっともリバウンド終了後に訪れるY波により、日経平均は以下の下値メドを模索する展開でしょう。

[35,813円]…マルv波上昇の半値(50%)押し水準
[35,657円]…第(iii)波のレッサー・ディグリーⅳ波安値
[35,371円]…1月18日安値
[35,179円]…上昇第3波(22年10月3日・25,621円が起点)の38.2%押し水準
[34,924円]…高値から15%下げ
[200日MA=34,631円](4/26)
[32,870円]…高値から20%下げ
【5月2日 17:03更新】


[NYダウ] 

【NYダウ日足・エリオット波動分析】 
NYダウは22年1月高値(36,952ドル)から、プライマリー級➃波が展開中とみています。➃波は[エクスパンディッド・フラット]、[ランニング・フラット]など、複雑なパターンを形成する可能性が高いでしょう。

22年10月安値(28,660ドル)を起点とする上昇は、➃波中(B)波による『戻りラリー』に位置付けられます。(B)波はA(↗)-B(↘)-C(↗)の3つの波で構成されます。

23年10月安値(32,327ドル)から5カ月間にわたる(B)-C波によるラリーは、3月高値(39,889ドル)で終わり─日経平均同様に春分の日付近で付けています─(C)波による下落トレンドが始まった可能性が高い、とみられます。

(C)波は5つの波で構成され、(A)波(22年1月高値・36,952ドル⇒22年10月安値・28,660ドル)の22.44%下落に匹敵するか、あるいはそれ以上の大きな下落スケールになるでしょう。例えば[エクスパンディッド・フラット]になれば、NYダウは22年10月安値(28,660ドル)を下回ることになります。

当面のサポートレベルとしては3万7000ドル処が強そうです。そこには[36,952ドル](22年1月高値)と[37,000ドル](23年10月からの上昇の38.2%押し)が重なっています。

【NYダウ時間足・エリオット波動分析】
39,889ドル(3/21高値)から、(C)波による調整局面が進行中とみられます。

37,611ドル(4/18)からはリバウンド(ⓐ-ⓑ-ⓒ)とみられます。
その内、38,561ドル(4/23高値)はⓐ波トップ、その後37,895ドル(5/2安値)までトライアングルによるⓑ波が形成されました。

足元の上昇はⓒ波とみられます。5月6日には一時38,886ドルまで上昇しました。

目先的には[39,019ドル](3月高値からの下げ幅の61.8%戻り)を打診するかもしれませんが、リバウンド局面はいつ終わってもおかしくありません。

このリバウンドを終えると、NYダウは下落トレンドを再開するでしょう。その場合、3万7000ドル水準が当面の下値メドになります。
【5月7日11:13更新】


[ナスダック]

【ナスダック総合指数日足・エリオット波動分析】
21年11月高値からは、プライマリー級第➃波に位置付けられます。この第➃波の全体像は、[トライアングル]や[フラット]など保ち合い相場が想定されます。

22年10月安値から➃-(B)波による上昇は、16,538(3/21高値)を以て完了し、➃-(C)波による下落トレンドが始まったと思われます。そうであれば、この先ナスダックは [12,000-10,000]へ向けて調整するでしょう。

15,222(4/19安値)からのリバウンドは目先的にも終わるでしょう。今後の下落リスクは高いとみています。遠からずナスダックは、200日MA※を試す展開となるでしょう。

※200日MA…14,676(5/7)

【フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)・エリオット波動分析】
22年1月高値(4068)以来のパターンは[エクスパンディッド・フラット]、あるいは[ランニング・フラット]と想定されます。どちらのパターンも内部構造は(A)↘-(B)↗-(C)↘です。
[エクスパンディッド・フラット]の場合、 (C)波の下落により、SOX指数は22年10月安値(2089)を大きく下回るでしょう。
[ランニング・フラット]だと、(C)波の下落によっても22年10月安値は維持されます。それでも(C)波のスケールは、22年の下落(A)波に匹敵する大きなものになると思われます。

3月以来の下落パターンは、「ワン・ツー、ワン・ツー」とみられます。
この見方通りなら、SOX指数は近いうち、「サード・オブ・サード」による急落を迎えるでしょう。その際は、まず4000処を試す展開となりそうです。

[4022]…(22年10月からの上昇に対し38.2%押し水準)
200日MA…4035(5/6)
【5月7日 11:34更新】


[米ドル/円]

2011年10月の75.570円以来の(A)-(B)-(C)[ジグザグ]による円安ⓦ波は、151.899円(22/10/21)を以て終わり、そこから2028年頃までレンジ相場を形成していく、というのが筆者による米ドル/円(ドル/円)の基本観です。直近の34年ぶりドル高・円安も基本的には、レンジ相場内の値動きの一環です。
【月足・エリオット波動分析】 
22年10月(151.899円)以来、長期円安トレンドにおける中間波・Ⓧ波が進行中です。
このⓍ波は2028年頃まで大きなレンジ相場(トライアングル、フラットなど)を形成するとみています。

ドル/円は4月29日に160.135円まで上昇しました。日柄面ではちょうど34年ぶり(フィボナッチ数)に90年4月高値(160.360円)に「里帰り」を果たし、水準面では第(Ⅲ)波中レッサー・ディグリー第Ⅳ波の高値に一致しています。

ドル/円天井(B波終了)のタイミングとして24年4月に注目していました。ドル/円の8年サイクル※は転機を迎えた可能性があります。

※およそ8年間隔でドル/円高値が巡る『8年サイクル』を振り返ると、過去もっとも長いサイクル期間は106カ月(98年8月~07年6月)でした。前回サイクル高値(15年6月)から106カ月経過時点が24年4月です。

【週足・エリオット波動分析】 
22年10月(151.899円)からのA(↘)-B(↗)-C(↘)編成において、23年1月(127.158円)からはB波に位置付けられ、それは151.899円を超えて不規則天井(イレギュラー・トップ)を形成しています。

160.135円をB波終点とみなすと、B波の長さはA波に対し1.333倍になります。B波はA波の1倍超~1.382倍の範囲内で通常は決まりますが、今回のB波もノーマルな範囲内に収まっています。

先に書いたように、160.135円(4/29)はおそらく8年サイクル高値であり、B波の終点でもあるでしょう。
この見方が正しければ、ドル/円はC波による下落局面(ドル安・円高)に入ったことになります。

直近、断続的に大規模な為替介入が実施され(4月29日に5兆円、5月2日に3兆円規模のドル売り介入があった、とされます)、ドル/円は5月3日に一時152円を割れました。過剰なドル/円上昇が一気に13週MAまで修正されたわけですが、当面はこの13週MAと、26週MAがドル/円の下値のフシとみることができます。

13週MA…151.916円(5/7)
26週MA…149.031円(5/7)

【日足・エリオット波動分析】
IMM通貨先物市場における、投機筋(ヘッジファンド)による円売りポジションは、前週に比べ1.15万枚減少しました(5/7時点)。それでも円売りは16.8万枚と18年ぶりの大きさです。

そして今回に関しては、逆張り傾向が強い国内個人投資家(ミセスワタナベ)の多くは、順張り(ドル買い・円売り)にポジションを傾けている、と推察されています。

ドル/円は日米実質金利差との相関が強く、これまでのドル/円の強さはファンダメンタルズにより裏付けられています。つまり、今後のドル/円下落は日米実質金利差の縮小によりもたらされるでしょう。

米長期金利は今後大きく下げ、それと連動してドル安が進むとみています。もしそうであれば、日米実質金利差の縮小によりドル/円は下落していくでしょう。

そのような局面においては、投機筋と個人投資家の過剰な円売りポジションが解消され、ドル/円の下げは一段と大きくなることが想定されます。
【5月7日11:03更新】




[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足・エリオット波動分析】 
22年9月高値(114.778)以来、ドルインデックスはA(↘)-B(↗)-C(↘)編成による下落基調にあります。
23年7月安値(99.578)を起点とするB波は、トライアングル(ⓐ-ⓑ-ⓒ-ⓓ-ⓔ)を形成中であり、足元はⓓ波のドル安とみられます(上チャートの波動カウント参照)。おそらく今後の数週間~3カ月内にB波は完成し、その後に到来するC波によって、ドル指数は23年安値(99.578)を大きく下回るでしょう。

【日足・エリオット波動分析】 
106.517(4/16高値)からのⓓ波は、短期的にも103.880(4/9安値)を打診し、遠からず[102.358-100.617]を目指すでしょう。102.358というのは3月8日に付けた安値のことですが、このレベルは、ⓒ波のドル高に対する61.8%戻り[102.357]に一致しており、強いサポートレベルと思われます。

このⓓ波が終わるとⓔ波によるドル高局面を迎えますが、それは106.517を上回る展開にはならないでしょう。このⓔ波をもってトライアングルB波は完成し、以降はC波による本格ドル安を迎えるでしょう。
【5月7日9:03更新】


エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

  • 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
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