【株価指数】世界の株価を取り巻く環境は良好?
2024/05/07 07:58
【ポイント】
・企業決算(見通し含む)は総じて良好
・日銀を除く主要中銀は夏場~秋口にかけて利下げへ
・為替介入(?)後も米ドル/円は比較的堅調
・最高値を更新したFTSE100にも注目
先週(4/29- )のレビュー
4月に入って軟調だった世界の株価は4月下旬にいったん底を打ったようにみえます。日経平均やNYダウはやや頭の重い展開が続いている一方、S&P500やナスダック100は今年3月につけた最高値に接近。FTSE100は2日連続で最高値を更新して週を終えました。
4月30日-5月1日のFOMCでは、2%の物価目標への進展が止まっているとの認識がしめされました。ただし、3日発表の4月米雇用統計がやや弱めだったことで、FRBの利下げ観測が高まり、株価にとってプラスとなりました。OIS(翌日物金利スワップ)によれば、市場は8割以上の確率で9月18日のFOMCでの利下げを織り込んでいます。
米企業の今年1-3月期の決算発表では、「マグニフィセント7」のアマゾン(30日)が増収増益。アップル(2日)は減収減益だったものの、4-6月期の増収見通しや巨額の自社株買いの発表が好感されました(残るエヌビディアは5月22日発表)。
米ドル/円は4月29日に一時160円を超えましたが、本邦当局による為替介入があったとみられ、さらにFOMCの結果判明後も為替介入があった模様。米ドル/円は3日の雇用統計発表後には一時151円台まで下落し、153円ちょうど近辺で週を終えました。日本株の取引は30日-2日の3日間だけでしたが、為替介入(?)後も好決算銘柄を中心に比較的堅調に推移しており、結果的には「円高」はさほど嫌気されなかったようです。
中東情勢は依然として不透明。ただ、WTI原油価格は3月中旬以来の80ドル割れを示現。また、「恐怖指数」として知られるVIX指数は大幅に低下しており、市場のリスク意識は小康状態と言えそうです。
今週(5/6- )の相場材料
日銀やFRBの政策会合、4月米雇用統計といった重要イベントを通過し、今週は相場材料がやや乏しくなりそう。ただ、日銀を除く主要中銀が夏場から秋口にかけて利下げを開始するとの見方に大きな変化はなく、株価にとっては明るい材料となりそう。
本邦当局が米ドル売り円買い介入を実施したとみられるものの、米ドル/円は比較的堅調を維持。急激な円高によって日経平均が打撃を受ける可能性は低そうです。一方で、米ドル/円は多くの本邦企業の想定レートを上回って推移してきたとみられ、「円安」が引き続き23年度決算にプラスに作用しそうです。
9日にBOE(英中銀)のMPC(金融政策委員会)が開催され、政策金利が発表されます。OIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場が織り込む利下げ確率は6%で、据え置き予想が支配的です。利下げ確率は6月までに4割弱、8月までに9割強。9日のMPCで利下げに向けた地ならしが行われるかもしれません。
10日には英国の1-3月期GDPが発表されます。英国は昨年後半に2四半期連続でマイナス成長(軽度のリセッション=景気後退)に陥っており、今年1-3月期は盛り返しが予想されています。FTSE100は先週末に2日連続で最高値を更新しており(6日は祝日で休場)、MPCやGDPの結果次第ではさらに上値を追うかもしれません。
・企業決算(見通し含む)は総じて良好
・日銀を除く主要中銀は夏場~秋口にかけて利下げへ
・為替介入(?)後も米ドル/円は比較的堅調
・最高値を更新したFTSE100にも注目
先週(4/29- )のレビュー
4月に入って軟調だった世界の株価は4月下旬にいったん底を打ったようにみえます。日経平均やNYダウはやや頭の重い展開が続いている一方、S&P500やナスダック100は今年3月につけた最高値に接近。FTSE100は2日連続で最高値を更新して週を終えました。
4月30日-5月1日のFOMCでは、2%の物価目標への進展が止まっているとの認識がしめされました。ただし、3日発表の4月米雇用統計がやや弱めだったことで、FRBの利下げ観測が高まり、株価にとってプラスとなりました。OIS(翌日物金利スワップ)によれば、市場は8割以上の確率で9月18日のFOMCでの利下げを織り込んでいます。
米企業の今年1-3月期の決算発表では、「マグニフィセント7」のアマゾン(30日)が増収増益。アップル(2日)は減収減益だったものの、4-6月期の増収見通しや巨額の自社株買いの発表が好感されました(残るエヌビディアは5月22日発表)。
米ドル/円は4月29日に一時160円を超えましたが、本邦当局による為替介入があったとみられ、さらにFOMCの結果判明後も為替介入があった模様。米ドル/円は3日の雇用統計発表後には一時151円台まで下落し、153円ちょうど近辺で週を終えました。日本株の取引は30日-2日の3日間だけでしたが、為替介入(?)後も好決算銘柄を中心に比較的堅調に推移しており、結果的には「円高」はさほど嫌気されなかったようです。
中東情勢は依然として不透明。ただ、WTI原油価格は3月中旬以来の80ドル割れを示現。また、「恐怖指数」として知られるVIX指数は大幅に低下しており、市場のリスク意識は小康状態と言えそうです。
今週(5/6- )の相場材料
日銀やFRBの政策会合、4月米雇用統計といった重要イベントを通過し、今週は相場材料がやや乏しくなりそう。ただ、日銀を除く主要中銀が夏場から秋口にかけて利下げを開始するとの見方に大きな変化はなく、株価にとっては明るい材料となりそう。
本邦当局が米ドル売り円買い介入を実施したとみられるものの、米ドル/円は比較的堅調を維持。急激な円高によって日経平均が打撃を受ける可能性は低そうです。一方で、米ドル/円は多くの本邦企業の想定レートを上回って推移してきたとみられ、「円安」が引き続き23年度決算にプラスに作用しそうです。
9日にBOE(英中銀)のMPC(金融政策委員会)が開催され、政策金利が発表されます。OIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場が織り込む利下げ確率は6%で、据え置き予想が支配的です。利下げ確率は6月までに4割弱、8月までに9割強。9日のMPCで利下げに向けた地ならしが行われるかもしれません。
10日には英国の1-3月期GDPが発表されます。英国は昨年後半に2四半期連続でマイナス成長(軽度のリセッション=景気後退)に陥っており、今年1-3月期は盛り返しが予想されています。FTSE100は先週末に2日連続で最高値を更新しており(6日は祝日で休場)、MPCやGDPの結果次第ではさらに上値を追うかもしれません。
- 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
- 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
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