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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※4月30日更新

2024/04/30 13:34

宮田レポートPDF

(おしらせ)
次回の本レポート発行は5月7日(火)の予定です。

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 35,000~39,400円

[NYダウ] 
【当面の想定レンジ】 36,000~39,000ドル

[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 14,500~16,500

[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 137.000~161.350円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 99.578~108.350


[日経平均]

【週足・エリオット波動分析】
24,681円(22/3/9安値)以来、➂-(3)波による上昇トレンドが進行中とみられます。この「サード・オブ・サード」による大ラリーが終わるのは、おそらく2025年以降のことでしょう。

41,087円(3/22高値)からの調整局面は、(3)-4波とカウントされます。

(3)-2波は、およそ半年間の[フラット]でした。3月高値からの (3)-4波は、[オルタネーション(交互)]により、 [ジグザグ]か[トライアングル]を形成すると思われます。

日経平均は今後3万5000円~3万4000円まで下押す可能性がありますが、そんな下げを以て(3)-4波は終わり、(3)-5波の上昇が始まるとみています。

日経平均が最終的に底打ちするのは(現行4年サイクルが終わるのは)今年11月までのどこかの時点、特に6月頃を注目しています。
4年サイクル(48カ月)の伸びしろ(オーブ)は8カ月(48カ月の六分の一)です。20年3月から4年8カ月が経過する時点は今年11月です。

【日経平均 日足・エリオット波動分析】
41,087円(3/22高値)から第4波による調整が進行中とみられます。
4月19日の日経平均は今年最大の下げとなりました。リスクオフの直接的な理由は中東情勢の緊迫化ですが、単なるきっかけに過ぎないでしょう。「山高ければ谷深し」の格言通り、短期的に上がり過ぎた反動として今の調整があります。

もっとも、いったんは底入れしたとみられ、今後も2~3週間はリバウンドが続く可能性はあります。
昨年6月から10月までの停滞期においても、8月下旬に100日MAがサポートとして意識され(チャートに↑で示した時点)、日経平均は9月下旬までリバウンドしたことがあります。

5月中旬まで決算発表が相次ぐ中では、「指数より個別銘柄物色」という流れが強まり、指数自体の方向感は出づらいでしょう。

もっとも決算シーズン後の材料難のなか、日経平均は改めて調整色を強めるとみられます。
今年は『セル・イン・メイ』の展開かもしれません。

【日経平均 時間足・エリオット波動分析】
日経平均は36,733円(4/19安値)から、X波によるリバウンドと思われます。

このリバウンドはⓐ-ⓑ-ⓒ編成となるでしょう。目先的にはⓒ波の上昇により、ⓐ波高値38,461円(4/30)を上回る展開となりそうです。
38,461円を超え、さらにリバウンドが続くようなら、[38,910円-39,424円](同50%戻り-61.8%戻り)を打診する可能性があります。

もっともリバウンド終了後に訪れるY波により、日経平均は以下の下値メドを模索する展開でしょう。

[35,813円]…マルv波上昇の半値(50%)押し水準
[35,657円]…第(iii)波のレッサー・ディグリーⅳ波安値
[35,371円]…1月18日安値
[35,179円]…上昇第3波(22年10月3日・25,621円が起点)の38.2%押し水準
[34,924円]…高値から15%下げ
[200日MA=34,631円](4/26)
[32,870円]…高値から20%下げ
【4月26日 16:21更新】


[NYダウ] 

【NYダウ日足・エリオット波動分析】 
NYダウは22年1月高値(36,952ドル)から、プライマリー級➃波が展開中とみています。➃波は[エクスパンディッド・フラット]、[ランニング・フラット]など、複雑なパターンを形成する可能性が高いでしょう。

22年10月安値(28,660ドル)を起点とする上昇は、➃波中(B)波による『戻りラリー』に位置付けられます。(B)波はA(↗)-B(↘)-C(↗)の3つの波で構成されます。

23年10月安値(32,327ドル)から5カ月間にわたる(B)-C波によるラリーは、3月高値(39,889ドル)で終わり─日経平均同様に春分の日付近で付けています─(C)波による下落トレンドが始まった可能性が高い、とみられます。

(C)波は5つの波で構成され、(A)波(22年1月高値・36,952ドル⇒22年10月安値・28,660ドル)の22.44%下落に匹敵するか、あるいはそれ以上の大きな下落スケールになるでしょう。例えば[エクスパンディッド・フラット]の場合だと、NYダウは先々で22年10月安値(28,660ドル)を下回るでしょう。

当面のサポートレベルとしては3万7000ドル処が強そうです。そこには[36,952ドル](22年1月高値)と[37,000ドル](23年10月からの上昇の38.2%押し)が重なっています。

【NYダウ時間足・エリオット波動分析】
39,889ドル(3/21高値)から、(C)波による調整局面が進行中とみられます。

37,611ドル(4/18)からはリバウンド(ⓐ-ⓑ-ⓒ)とみられます。
38,561ドル(4/23高値)はⓐ波トップ、37,754ドル(4/25安値)はⓑ波ボトムとカウントできます。この見方に基づくと直近はⓒ波による上昇局面となり、目先では38,561ドルを上回ることでしょう。

38,561ドルを超えさらに上値試しの場合には、[38,750ドル](3月高値からの下げ幅の50%戻り)を打診するでしょう。

短期リバウンドを経てNYダウは、3万7000ドル水準を試す展開が想定されます。
【4月30日8:55更新】


[ナスダック]

【ナスダック総合指数日足・エリオット波動分析】
21年11月高値からは、プライマリー級第➃波に位置付けられます。この第➃波の全体像は、[トライアングル]や[フラット]など保ち合い相場が想定されます。

22年10月安値から➃-(B)波による上昇は、16,538(3/21高値)を以て完了し、➃-(C)波による下落トレンドが始まったと思われます。そうであれば、この先ナスダックは [12,000-10,000]へ向けた調整となりそうです。

調整はまだ序盤に過ぎず、今後の下落リスクは高いとみています。当面は200日MA※への下値試しを想定します。

※200日MA…14,633(4/29)

【フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)・エリオット波動分析】
22年1月高値(4068)以来のパターンは[エクスパンディッド・フラット]、あるいは[ランニング・フラット]と想定されます。どちらのパターンも内部構造は(A)↘-(B)↗-(C)↘です。
[エクスパンディッド・フラット]の場合、 (C)波の下落により、SOX指数は22年10月安値(2089)を大きく下回るでしょう。
[ランニング・フラット]だと、(C)波の下落によっても22年10月安値は維持されます。それでも(C)波のスケールは、22年の下落(A)波に匹敵する大きなものになると思われます。

3月以来の下落パターンは、「ワン・ツー、ワン・ツー」とみられます。
この見方通りなら、SOX指数は近いうち、「サード・オブ・サード」による急落を迎えるでしょう。その際は、まず4000処を試す展開となりそうです。

[4022]…(22年10月からの上昇に対し38.2%押し水準)
200日MA…4013(4/29)
【4月30日 9:08更新】


[米ドル/円]


2011年10月の75.570円以来の(A)-(B)-(C)[ジグザグ]による円安ⓦ波は、151.899円(22/10/21)を以て終わり、そこから2028年頃までレンジ相場を形成していく、というのが筆者による米ドル/円(ドル/円)の基本観です。直近は34年ぶりドル高・円安となっていますが、それも基本的には、レンジ相場内の値動きの一環です。

【月足・エリオット波動分析】 
22年10月以来の『円高局面』は、長期円安トレンドにおける中間波・Ⓧ波に位置付けられます。
このⓍ波は2028年頃まで大きなレンジ相場(トライアングル、フラットなど)を形成するでしょう。

ドル/円は4月29日に一時160円台へ上昇し─直後の円買い介入らしき動きによって─154円台まで一気に下げました。ちょうど34年ぶり(フィボナッチ数)に、90年4月高値(160.360円)に「里帰り」を果たしたわけですが、それは第(Ⅲ)波中レッサー・ディグリー第Ⅳ波の高値であり、水準面でもドル/円の戻りに相応しいものです。

ドル/円天井(B波終了)のタイミングとして24年4月に注目していました。ドル/円の8年サイクル※は転機を迎えた可能性があります。

※およそ8年間隔でドル/円高値が巡る『8年サイクル』を振り返ると、過去もっとも長いサイクル期間は106カ月(98年8月~07年6月)でした。前回サイクル高値(15年6月)から106カ月経過時点が24年4月です。

【週足・エリオット波動分析】 
23年1月(127.158円)以来のドル/円の波動構成は、波の重なりが多いチョッピー(choppy)なものです。これはつまり、23年1月からのドル/円上昇は推進波(5波構成)ではなく、修正波としてのB波であることを意味するものです。

B波は不規則天井(イレギュラー・トップ)とみられます。この場合、B波の長さはA波のそれに対し1倍超~1.382倍の範囲で決まる傾向が強いとされます。

今回の場合、A波とB波の長さが1:1.382になるとみれば、[161.350円]という値が得られます。それはB波の上限とみることができます。

なおほとんどの市場関係者が「介入効果は一時的」という見方で一致しているようですが、決めつけは禁物です。コンセンサスは当てにならないことが多いからです。特に今のように長期サイクルの変わり目では、介入効果は決して小さくありません。

ひとつ例をあげましょう。1ドル=75円で40年の円高時代が終わたのは2011年10月31日のことでした。それまで「介入は効かない、効果は一時的」と言われていましたが、円安転換へのきっかけは、この日の円売りドル買い介入だったのです。

【日足・エリオット波動分析】
127.158円(23/1/16)からのB波は[不規則天井(イレギュラートップ)]を付けにいくところです。
不規則天井は「強気のワナ(Bull trap pattern)」として知られ、天井を付けてまもなく、逆方向への急激な反動を伴うことが珍しくありません。

IMM通貨先物市場における、投機筋(ヘッジファンド)による円売りポジションは足元で18年ぶり大きさに膨らんでいます。

このところドル指数の上値は重く、4月中旬以降はドル高というより円安であり、投機円売りが主導しているとみてよいでしょう。ひとたび高水準のポジションを解消する動きが本格化すれば、ドル/円は意外なスケールで下げる可能性があります。
【4月30日12:34更新】




[ドルインデックス(ドル指数)]

【日足・エリオット波動分析】 
106.517(4/16)を以て、23年12月安値(100.617)からのドル高は終わったかもしれません。

22年9月高値114.778以来、ドルインデックスは下落トレンドを継続中です。中期的なドル安基調のなかで、波動カウントには現在3つのオプションがあります。

(波動カウント1)
昨年12月安値からはC-マルii波によるリバウンドです。106.517(4/16高値)からは、マルiii波によるドル安かもしれません。マルiii波によって、昨年12月安値(100.617)も7月安値(99.578)も、破られることでしょう。

(波動カウント2)
最初のオプションは、昨年7月安値以来のB波が[トライアングル](ⓐ~ⓔ)を形成している、というものです。現在はB波中ⓒ波のドル高局面に相当し、まもなくⓓ波のドル安に移ります。

なおこれらの波動カウントは、昨年10月高値(107.348)を上回らないことが前提です。
107.348を上回るケースでは、次のオプションが採用されます。

(波動カウント3)
昨年7月安値以来のB波が[ジグザグ](ⓐ-ⓑ-ⓒ)で展開中です。昨年12月安値からはⓒ波によるドル高局面です。この波動カウントが正しい場合、ドル安C波開始は先送りされます。
【4月30日8:08更新】



エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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