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【株価指数】企業決算、日銀政策会合、米経済指標に注目

2024/04/22 07:40

※4月1日より、毎週月曜日のファンダメ・ポイントでは株価指数を取り上げます。レポート検索用の通常タグに「#株価指数」を新設しました。なお、必要に応じて従来通りのFX版ファンダメ・ポイントも月曜日に並行して配信する可能性があります。

【ポイント】
・FRBの利下げ観測が一段と後退、利下げ開始は9月!?
・今週は、米ハイテク株などの企業決算、日銀政策会合、米GDPやPCEなどに注目
・米ドル/円は155円台をトライするか、本邦当局の対応は?
・中東情勢にも要注意

日経平均は4月に入ってからの下落基調が継続。とりわけ、19日には前日終値比1,000円超下げて週末を迎えており、今週も弱い地合いを引きずりそう。一方、NYダウは軟調ながらも、38,000ドル手前で揉み合った後、19日に小反発しており、底値が固まるかが注目ポイント。企業決算などを材料にNYダウが反発すれば、日経平均にもプラスとなりそうです。

先週(4/15- )のレビュー

米国の3月小売売上高など強い経済指標の発表を受けて、16日にはパウエルFRB議長が、利下げまで待つ期間が以前の想定より長くなると発言。FRBの利下げ観測が一段と後退。市場ではFRBの利下げ開始は6月ではなく、9月になるとの見方が強まりました。長期金利(10年物国債利回り)が昨年11月以来の水準に上昇。イスラエルとイランがお互いを攻撃するなど、中東情勢の緊迫化も株価の下押し圧力となりました。

世界的に株高をけん引してきた米大手ハイテク株が軟調。日本でも半導体株の下落が目立ちました。ASML(オランダの半導体製造装置大手)の受注額が市場予想を下回ったこと、TSMC(台湾積体電路製造)が24年の半導体市場の成長見通しを下方修正したことなどが材料となりました。

FTSE100はアジア株の下落を受けて16日に大きく下げましたが、その後は反発しました。

米ドル/円は15日に154円台半ばまで上昇。17日のG7財務大臣・中央銀行総裁会議(以下、G7)では、為替相場の過度な変動は好ましくないとする過去のコミットメントが再確認されたものの、「円安」へのけん制効果は一時的で、米ドル/円は155円手前での推移が続きました。

今週(4/22- )の相場材料

米企業の決算発表が本格化します。今週は、テスラ、メタ、マイクロソフト、アルファベットと、米ハイテク「マグニフィセント7」のうち4社の決算が発表されます。日本でもキーエンスなどが24年度3月期決算を発表します。

日銀は25-26日に金融政策決定会合を開催。26日には「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」も公表されます。政策変更は予想されませんが、追加利上げに関してどのようなシグナルが発せられるか。展望レポートでは24-25年度の物価見通しが上方修正されるとの報道もあり、新たに対象となる26年度も含めてどのような見通しが示されるか。

先週に、G7やG20、IMF・世銀総会などの国際会議を終え、市場は改めて米ドル/円の155円台をトライするのか、その場合に本邦当局がけん制を強めるのか、そして実際に介入に踏み切るのか。「円安」が進行して物価上昇圧力となるならば、日銀の金融政策に影響を与える可能性があります。少なくとも、上記の金融政策決定会合や展望レポート、あるいは植田総裁の記者会見でヒントが示されるかもしれません。

19日のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場が織り込むFRBの利下げ確率は、5月1日のFOMCでほぼゼロ、6月12日までで2割弱、7月31日までで5割弱、9月18日までで約9割です。つまり、市場のメインシナリオ(5割超)は、「FRBは9月に利下げ開始」です。今週の経済指標でそれがどう変化するか。

25日発表の米国の1-3月期GDPは景気の堅調を確認する結果となりそう。アトランタ連銀のGDPNow(短期予測モデル)は、1-3月期GDPを前期比年率2.9%と予測しています(最新16日時点)。これは経済の巡航速度(FOMCによれば2%弱)を上回るペース。26日には3月のPCE(個人消費支出)デフレーターが発表されます。CPI(消費者物価指数)が3月まで3カ月連続で上振れしており、PCEも強めならば、FRBの利下げ観測は一段と後退しそうです。

中東情勢にも引き続き要注意でしょう。イランとイスラエルの武力行使は限定的にとどまったようですが、予断は許されません。なお、米議会はウクライナ・イスラエル・台湾支援の法案で前進しました。困難だった下院で可決されたため。上院が可決して、バイデン大統領の署名を得て成立する見通しです。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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