マネースクエア マーケット情報

リスクオフで米ドルや円が堅調

2024/04/15 08:55

【ポイント】
・中東情勢には要注意
・米小売売上高などでFRBの利下げ観測が一段と後退するか
・米ドル/円が上昇する場合、本邦当局の対応

(欧米市場レビュー)

12日の欧米時間の外為市場では、米ドルや円が堅調に推移。一時、ユーロ/米ドルは1.06189ドル、英ポンド/米ドルは1.24272ドル、豪ドル/米ドルは0.64543ドル、ユーロ/円は162.256円、豪ドル/円は98.692円、メキシコペソ/円は9.116円へと下落しました。中東の地政学リスクの高まりや米国株の下落によってリスクオフ(リスク回避)の動きが強まり、米ドルや円の支援材料となりました。

米株式市場では主要3株価指数が総じて下落。ダウは前日比475.84ドル安(-1.24%)の37,983.24ドル、ナスダックは同267.10ポイント安(-1.62%)の16,175.09ポイント、S&P500は同75.65ポイント安(-1.46%)の5,123.41ポイントで取引を終えました。

本日15日の『ファンダメ・ポイント』は、[【株価指数】4月に入って総じて軟調な展開、引き続き中東情勢に注目]です。

(本日の相場見通し)

中東情勢には注意が必要です。イランは現地時間13日夜から14日未明にかけて、イスラエルに対してドローンやミサイルを使用した大規模な攻撃を行ったもようです。イスラエルは対抗措置をとる構えとの報道があります。リスオフの動きが一段と強まる場合、米ドルや円が堅調に推移しそうです。

***

本日は、米国の3月小売売上高や4月NY連銀製造業景気指数が発表されます(いずれも日本時間21:30)。

市場予想は、以下の通り。( )は前回の実績です。
・小売売上高(前月比):0.3%(0.6%)
・小売売上高(除自動車。前月比):0.4%(0.3%)
・NY連銀製造業景気指数:マイナス7.5(マイナス20.9)

米国の3月雇用統計や3月CPI(消費者物価指数)が強い結果だったことで、市場ではFRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ観測が後退しました。CMEのFedWatchツールによると、12日時点で市場が織り込む利下げの確率は、次回4月30日-5月1日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で5.9%、6月11-12日までで28%程度、7月30-31日までで56%程度、9月17-18日までで77%程度。5日時点の確率はそれぞれ、4.8%、53%程度、73%程度、91%程度でした。

小売売上高やNY連銀製造業景気指数が市場予想よりも良好な結果になれば、利下げ観測が一段と後退するとともに、米ドル高材料になりそう。米ドル/円や米ドル/カナダドルは上値を試し、一方でユーロ/米ドルや英ポンド/米ドル、豪ドル/米ドルは下値を試す可能性があります。米ドル/カナダドルは、1.38942カナダドル(23/11/1高値)が上値メドです。

鈴木財務相は12日、足もとの円安(米ドル/円の上昇)について「為替は安定的に推移するのが望ましく、急激な変動は望ましくない」、「行き過ぎた為替の動きにはあらゆるオプションを排除せず適切に対応する」と述べ、改めて市場をけん制しました。米ドル/が上昇する場合、本邦当局の対応(為替介入を実施するかどうか)に引き続き注目です。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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