マネースクエア マーケット情報

【株価指数】4月に入って総じて軟調な展開、引き続き中東情勢に注目

2024/04/15 08:01

※4月1日より、毎週月曜日のファンダメ・ポイントでは株価指数を取り上げます。レポート検索用の通常タグに「#株価指数」を新設しました。なお、必要に応じて従来通りのFX版ファンダメ・ポイントも月曜日に並行して配信する可能性があります。

【ポイント】
・米CPIを受けてFRBの利下げ観測が後退
・米長期金利の上昇が株安材料に
・今週は、中東情勢、各国CPI、1-3月期の企業決算などに注目
・G20を前に為替介入はあるか

先週(4/8- )のレビュー

10日に発表された米国の3月CPI(消費者物価指数)が3カ月連続で上振れとなり、FRBによる利下げ観測が後退。米長期金利(10年物国債利回り)が昨年11月以来の水準まで急騰し、米株に大きな下落圧力が加わりました。

また、在シリアのイラン大使館が攻撃を受けたことに関連して、イランがイスラエルに報復すると宣言。中東情勢が一段と緊迫化したことも市場のリスクオフを強め、株安材料となりました。NYダウは1週間で920ドル下落、3月28日につけた最高値から1, 800ドル低い水準で―週間を終えました、

米株の下落を受けて、世界の株価も総じて軟調。ただし、米ドル/円が153円台に乗せて34年ぶりの高値をつけたことで、本邦当局による為替介入に対する警戒感はあったものの、輸出関連株を中心に日本株は比較的堅調でした。また、FTSE100は石油メジャーや素材関連を中心に週末にかけて上昇しました。


今週(4/15- )の相場材料

週末にイランがイスラエルを攻撃したとの報道があり、今週初は中東情勢や原油価格をチェックしながらの神経質な展開となりそうです。中東情勢の緊迫化を受けて市場でリスクオフが強まるなら、世界の株式市場全般に下落圧力が加わるかもしれません。

今週は米国の経済指標が多く発表されます。米ドル/円は本邦当局からのけん制にもかかわらず153円台を維持していますが、さらに上を目指すようなら為替介入が一段と現実味を帯びそうです。仮に為替介入があっても米ドル/円の下げは限定的かつ一時的との見方が多いようです。それでも、一時的にせよ米ドル/円が下落するようなら日経平均にも下げ圧力が加わりそうです。

15日からワシントンでIMF・世銀総会が開催されます(20日まで)。16日にはIMFの世界経済見通しが公表。週末にはG20財務大臣・中央銀行総裁会議が開催されます。各国中央銀行関係者の発言機会も多く、市場の金融政策見通しに影響を与える可能性もあります。

*******
今週(4/15- )は米企業の第1四半期(1-3月期)決算の発表が本格化します。ゴールドマンサックスやJPモルガンなど大手金融機関の決算が注目されます。台湾のTSMCやオランダのASMLなど半導体関連の決算も発表されます。

日本、英国、カナダ、ニュージーランドなどのCPI(消費者物価指数)が発表されます。米国の3月CPIが上振れして利下げ観測が後退しただけに、CPIへの注目度は高まっているはず。日本のCPIの結果は、来週の日銀金融政策決定会合(25-26日)での判断に影響を与えるかもしれません。

米国では、3月の小売売上高、鉱工業生産、住宅着工、4月のニューヨーク連銀やフィラデルフィア連銀の製造業景況指数など、月半ばに発表される経済指標が多くあります。最新のベージュブック(地区連銀経済報告)も要注目でしょう。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

  • 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
  • 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
  • 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。
topへ