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米PPI、「ラスト1マイル」が難しい!?

2024/03/15 07:30

【ポイント】
・米国の2月PPI(生産者物価)は上振れ
・先のCPIと合わせてインフレ改善の遅れを示唆
・3月19-20日のFOMCでどんな判断が下されるか

米国の2月PPI(生産者物価指数)は、最終需要が前年比1.6%と、前月(0.9%)から加速し、市場予想(1.2%)を上回りました。同じく食料・エネルギーを除くコアは同2.0%と前月と同じで、市場予想(1.9%)を上回りました。12日に発表されたCPI(消費者物価指数)も強めでした。パウエルFRB議長は7日の議会証言で、インフレ率が2%の目標に向かっていると確信できるまで「そう遠くない」と述べました。しかし、物価目標達成までの「最後の1マイル」が難しいのかもしれません。

米PPI

米CPI

PPIの発表後、米長期金利(10年物国債利回り)は大幅に上昇し、2月末以来となる4.30%に接近。米ドル/円は148円台に乗せました。NYダウは一時300ドル超下落(終値は前日比137.66ドル安)。

PPIと同時に発表された2月小売売上高はやや弱め、先週分の新規失業保険申請件数は前週分および市場予想を下回りました。アトランタ連銀のGDPNow(短期予測モデル)によれば、14日時点で今年1-3月期のGDPは前期比年率2.3%と予測されています。PPIや小売売上高の発表前は3.2%だったので、下方修正となりましたが、米景気は年明け後も比較的底堅いと言えそうです。

19-20日のFOMCでは物価についてどのような判断が下されるのか。また、経済見通しや金融政策見通し(ドットプロット)が前回12月からどのように変化するのか。大いに注目されるところでしょう。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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