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【PM】NZ中銀は政策金利を据え置き、NZドルが急落

2024/02/28 12:39

【ポイント】
RBNZ(NZ中銀)の声明や総裁会見、政策金利見通しはハト派的
・RBNZは政策金利見通しを23年11月時点から下方修正
・政策金利は当面据え置かれそう

RBNZは本日政策会合を開き、政策金利を5.50%に据え置くことを決定しました。据え置きは5会合連続です。0.25%利上げするとの見方もあったため、会合の結果発表後にNZドルが急落しました。

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RBNZの声明の内容や政策金利見通し、オア総裁の会見はハト派的でした。今後利上げが行われる可能性は低下し、政策金利は当面据え置かれそうです。

声明は「(NZの)総合CPI(消費者物価指数)上昇率(※)は依然として1~3%の目標を上回っており、インフレの上振れは容認し難い」旨を表明しました。その一方で、「コアインフレと多くのインフレ期待の指標は低下しており、インフレ見通しに対するリスクはよりバランスが取れている」と指摘。「(RBNZの景気)抑制的な金融政策と世界経済の減速が、NZ経済の供給能力に見合うように総需要を減速させている」との見方を示しました。

(※)NZの23年10-12月期の総合CPIは前年比4.7%でした。

声明はまた、「必要ならば、物価への波及を抑制するために行動する」としつつも、「現在の政策金利の水準は、需要を抑制していると確信している」と表明。「政策金利を長期間、(景気)抑制的な水準に維持する必要がある」としました。

RBNZは四半期に一度の政策金利見通しを公表し、前回23年11月時点から全般的に下方修正。政策金利のピーク水準の見通しは、前回の5.69%から5.60%へと引き下げられました。政策金利が5.50%(現在の水準)を下回る時期の見通しは、前回の25年4-6月期から同1-3月期へと1四半期早まりました。

RBNZの政策金利見通し

オアRBNZ総裁は会合後の会見で、会合では「利上げも議論した」ことを明らかにしつつ、政策メンバーの間には「(5.50%の)政策金利(の水準)は、(インフレの抑制に)十分だという強いコンセンサスがあった」と述べました。

オア総裁はまた、「(NZは)ディスインフレの期間にある」との見方を示し、「データによって、23年11月時点よりも見通しに一段と確信が持てるようになった」と語りました。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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