FOMC議事録や米長期金利の動向が材料になるか
2024/02/21 08:58
【ポイント】
・米FOMC議事録で市場のFRBの金融政策見通しが変化するか
・米長期金利の動向が材料になる可能性あり
(欧米市場レビュー)
20日の欧米時間の外為市場では、米ドルが軟調に推移。一時、米ドル/円は149.674円へと下落し、ユーロ/米ドルは1.08336ドル、豪ドル/米ドルは0.65747米ドル、NZドル/米ドルは0.61853米ドルへと上昇しました。米国の長期金利(10年物国債利回り)が低下したことが、米ドルの重石となりました。
※ユーロ/米ドルのテクニカル分析は、本日21日の『テクニカル・ポイント』[ユーロ/米ドル、200日MA超え成否に要注目!]をご覧ください(マイページへのログインが必要です)。
カナダドルも軟調。一時、カナダドル/円は110.671円へと下落し、米ドル/カナダドルは1.35252カナダドルへと上昇しました。カナダの1月CPI(消費者物価指数)を受けて、BOC(カナダ中銀)の利下げ観測が強まり、カナダドル安材料となりました。
CPIの結果は総合指数が前年比2.9%と、市場予想の3.3%よりも前月の3.4%から上昇率が鈍化しました。また、BOC(カナダ中銀)がコアインフレ指標として注視する、CPIのトリム平均値は前年比3.4%、加重中央値は同3.3%と、上昇率はいずれも前月(3.7%と3.5%)から鈍化。トリム平均値は21年8月以来、加重中央値は21年11月以来の低い伸びとなりました。
(本日の相場見通し)
FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録が本日公表されます(日本時間22日04:00)。今回の議事録は、政策金利を5.25~5.50%に据え置くことを決定した1月30-31日のFOMCのものです。
市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)が6月11-12日のFOMCで利下げを行うとの見方が有力です。CMEのFedWatchツールによれば、16日時点で市場が織り込む利下げの確率は、次回3月19-20日のFOMCで10%、4月30-31日までで30%程度、6月11-12日までで75%程度です。
FOMC議事録でFRBの金融政策の先行きについて新たな手掛かりが提供されれば、市場が反応しそうです。利下げ観測が後退する場合、米ドルが買われて、米ドル/円や米ドル/カナダドルは堅調に推移し、一方でユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルは軟調に推移すると考えられます。米ドル/円は150.840円(2/13高値)、米ドル/カナダドルは1.36212カナダドル(23/11/30高値)が上値メドです。
米国の長期金利(10年物国債利回り)の動向にも注目です。FRBの利下げ観測が後退したことから米長期金利は1日の3.81%を直近の底にして上昇傾向にあり、14日と16日には一時4.33%へと上昇しました(20日のNY市場は4.27%で終了)。米長期金利が上昇すれば、米ドルが堅調に推移する可能性があります。
米国の株式市場の通常取引終了後、エヌビディア(米半導体大手)が四半期決算を発表する予定。米株式市場の通常取引は、日本時間22日午前6時に終了します。エヌビディアの決算の結果が、明日22日以降の主要国の株式市場に影響を与えるかもしれません。
- 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
- 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
- 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
- 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。