NZドル/円が約9年ぶり高値、CPIにカナダドルが反応しそう
2024/02/20 08:47
【ポイント】
・カナダのCPIでBOCの利下げ観測が強まるか
・株価が堅調に推移すれば、リスクオンが強まる可能性あり
(欧米市場レビュー)
19日の欧米時間の外為市場では、NZドルが堅調に推移。NZドル/円は一時92.280円へと上昇し、15年4月以来、8年10カ月ぶりの高値を記録。NZドル/米ドルは0.61465NZドルへと上昇し、豪ドル/NZドルは1.06256NZドルへと下落しました。NZの1月のサービスパフォーマンス指数が前月の48.8から52.1へと上昇し、23年5月以来の高水準を記録。また、BNZ(ニュージーランド銀行。民間の銀行)は、RBNZ(NZ中銀)が利下げするタイミングの予想を従来の8月から11月へと後ろ倒ししました。それらがNZドルの支援材料となりました。
(本日の相場見通し)
カナダの1月CPI(消費者物価指数)が本日発表されます(日本時間22:30)。CPIの動向はBOC(カナダ中銀)の金融政策において重要な判断材料になるため、注目です。
CPIの総合指数の市場予想は前年比3.3%と、BOC(カナダ中銀)のインフレ目標(2%を中心に1~3%のレンジ)を引き続き上回るものの、上昇率は前月の3.4%から鈍化するとみられています。BOCはコアインフレ指標として、CPIのトリム平均値と加重中央値を注視しており、これらの結果にも注目です。前月のトリム平均値は前年比3.7%、加重中央値は同3.6%でした(1月分の市場予想なし)。
市場では、BOC(カナダ中銀)は6月か7月に利下げを行うとの観測があります。CPIが弱い結果になれば、利下げ観測が強まる可能性があります。その場合、カナダドル安圧力が加わって、カナダドル/円は軟調に推移し、一方で米ドル/カナダドルは堅調に推移すると想定されます。米ドル/カナダドルは、1.36212カナダドル(23/11/30高値)が上値メドです。
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日経平均が史上最高値に迫るなか、主要国の株価の動向にも注目です。主要国の株価が堅調に推移すれば、リスクオン(リスク選好)の動きが強まるかもしれません。その場合、リスクオンは円にとってマイナスになるため、ユーロ/円や豪ドル/円、NZドル/円は上値を試す展開になる可能性があります。
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